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#3 週1の学級通信、ただの習慣のつもりだったけど、、、

はじめは週1回のデトックスとして

学級担任をしていた頃、ほぼ毎週金曜日の帰りの学活では、自作の学級通信を読んで1週間を締めくくるようにしていた。

今思えば、1年間で約50枚、3年間で約150枚の通信を作成し、生徒に配布していることになる。

熱心な先生は年間100号を超える通信を発行している人もいるが、それらの先生の多くに共通していたのが活動中の写真をまとめたもの。しかし、僕が発行していた学級通信は、そのほとんどが文章によるものだった。

日頃の生活で気づいたこと、生徒の頑張り、先の行事に対する思い、ちょっとした心の作り方、など。日常のエピソードに添えて読んだ後発見があったらいいなあという気持ちと、良いところを学級全体で共有して気持ちよく1週間を終えられるようにすることが狙いだった。

そして、その全てにおいて常に意識していたことは、視点だった。

これが、教員という立場を離れても役に立つ力として機能することに最近を通して思うことがよくある。

視点を考えて文章を書く力の重要性

「視点」と一口に言っても難しいが、そんな時は具体的な例が有効だろう。

例えば、とある教科担当の先生から授業中のクラスの取り組みが良かったという話を聞いたとしよう。この話を
「◯◯先生がみんなの取り組みが良かったと褒めてましたよ」
と伝えるのでは、聞いた生徒も「へぇ」で終わってしまう。しかし、その先生から「どんな場面でどんなことが具体的に良かった」のか少し聞いておくだけで伝え方はこう変わる。
「◯◯の授業中に、難しい課題を考える場面だったけど、みんなが積極的にタブレット使って調べてるのを見て◯◯先生が感心してましたよ。」

ほんの少しの伝え方の違いだと思うが、その人の持つ視点に注目して具体的に掘り下げることでより場面をイメージしやすくなり、それによって受け取る方は的確に情報を受け取ることができるようになる。そして、それを僕の場合は文章にまとめることで自分自身にも配布する生徒にも可視化することで音だけで聞いた際のイメージのズレが出来るだけ小さくなるようにしていただけだった。

今の仕事に生きる「視点」の捉え方

最近では、学級通信は書いていない。まぁ、当然だが。
しかし、その代わりに書くことが増えてきているのが、補助金や助成金の申請に必要な事業計画書だ。

仕事の性質上、自分自身のものというより、依頼を受けて作成することが多いため、相手の仕事に対して書くことが多い。先日書いた計画だと、事業の概要や現在の課題については依頼元が作成をしたものに対して、補助金の対象となる部分を執筆した。

具体的な内容は割愛するが、そこでも生きたのが「視点」の捉え方だった。

この事業をする人はどんな課題を抱えているのか?
一般的な困りごとはなんなのか?
提出先の審査官に伝えるために必要な言葉は何か?

様々な視点から文章を練り直して作ることで、完成したものを渡した時に喜ばれることが多くある。

最初は何気なく書いていた学級通信だったが、続けることで身につけた力は確実に今に生きているのだと実感できる瞬間だった。

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