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30年前もシェアキッチン【食】

一級建築士事務所の所長である私が運営する、新規事業のシェアキッチンは学生時代の経験に繋がっている、という話です。

これまでも書いてきましたが、高校卒業後の私の進路は建築ではなく栄養学でした。そこで学んでいた頃、毎週の給食作りがありました。授業の一環で、学生がメニューを考え、試作し、最終的に本番の給食を作るという流れです。大学の毎日の給食は日々違うチームが作っていたのです。
このプロセスがまさにシェアキッチンの仕組みでありましたね。

シェアキッチン運営は、約1年半前に始めたものですが、その根底にはもしかしたらその30年前の給食作りの経験がある、という所につながりました。次の日は他の人が使う厨房をシェアするという考え方が、その時に体にしみ込んだ、と言うのはちょっとこじつけ過ぎかもしれませんが、この経験が今のシェアキッチン運営に役立っているかもと思うと、少し感慨深いものがあります。
実際に、異なる出店者さんが順番にキッチンを使う様子を見ていると、学生時代の記憶とつながる瞬間があります。
そして、その時に知った「みんなで協力して一つのものを作る」楽しさは建築にも言えることで、今にも繋がっているように思います。

家政学と建築は、一見全く違う分野のように思えますが、人が快適に生活するための環境を整えるという意味では、どちらも同じ目的を持っています。
かつてイメージされていた女子力みたいなもののかけらも持ち合わせていない私を見ればわかるとおり、家政学とはかわいいエプロンをして料理をしたり、裁縫をしたりを覚えることが目的ではないと思っています。
人が生きていくために必要なことを学ぶ学問であり、私自身、家政学で学んだことが建築にもビジネスにも役立っていると感じています。

そうそう、高校生の時の家庭科の先生は、非常に個性的な方で「あの先生に教わったのに、よく家政科に進んだね」と言われるくらい、癖のある先生でした(先生ごめんなさい!)。でも、その理論的な考え方や教え方は、私には合っていました。家政学は、そんな先生との出会いも、私にとっては人生の大切な出来事の一つなのかもしれません。

…と「Connecting the Dots」というゆるくない『今月のゆるテーマ』に衣食住の『食』というサブテーマで書いてみました。最終日の来週のサブテーマはさすがに『住』で書かないとなと思っています。まだ思いついていませんが。

いただいたサポートは建築士として、また、シェアキッチンオーナーとして未来に 向かう人を応援する活動費に使わせていただきます!