⑧心の声の無意識かくれんぼ
第4章タロジロラブレター
【慈愛と私。きらきらタロジロ】
感情の抑圧に気づかない私たちは、どこへ向かって生きているんだろう。
社会ルールは同質性をホワイト化させる。
私たちの感情を抑圧して管理しやすい世界を創るんだ。
損得を超える世界でこそ人は感情を育める。
抑圧された感情の回帰こそが今を生きる術なんだ。
生きる術とは自分のありのままを慈しむ。
愛する人を大切にするように自分を大切にするだけでいい。
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1歳タロウは私を「まどかちゃん」と呼んだ。
意見はやってこないが反応はやってくる。
ママって言わんのやね。
お母さんちゃうんやね。
言語能力高まりゆく3歳前後。
大人の「やね」の隠喩は丸裸。
お友達は親を名前で呼ばない。
4歳タロウが突如「お母ちゃん」と呼んだ。
タロウにとって私はずっと「まどかちゃん」。
母でも親でも大人でもなくまどかちゃん。
社会の広がりは知識を広げる。
なのに思考の狭まりを感じる瞬間だった。
いやいや、親次第です←
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9歳ジロウが私に質問する。
3月11日って何の日か知ってる？
質問返しする私にジロウが目を輝かせる。
何の日やったかな。
ジロウは知ってんのん？
学校にて3.11のお話しがあったらしい。
信号待ちでサングラスをかけるジロウが回答。
生まれる前やからジロウもよう知らんねん。
そういやタロウが「まどかちゃん」と呼び始めた時期だったな。
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ジロウが学校で記憶した3.11は大きく2つ。
地震で津波がきた。
生き残った児童2名。
ジロウは後者の話に時間を割く。
先生の言うこと聞かんかった2人だけ
津波から助かったらしいで。
なんか確実に惜しい。
日常の欠乏が悔しい。
話の受け取り方はジロウの思考そのものだろう。
助かった2人についてどう感じるのか私は尋ねる。
ジロウは唸りつづけてなかなか言語化しない。
そらそうだ。
社会で生きてゆくには同質性が求められるもの。
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唸るジロウに質問を変える。
お母ちゃんと約束したとしよ。
学校で津波きたら絶対山に逃げるって。
で、学校におるとき津波がきたとする。
先生は校庭に逃げましょうって言う。
お友達はみんな先生の言う通りにしてる。
ジロウどうする？
ジロウは30秒ほど脳みそをこねくり回す。
まず、先生の言う通り校庭に逃げるかな。
そんで、津波きてヤバそうなら山に行く。
なるほど。
津波知らんしな。
私かて知らん。
でも問題は津波ではない。
会話をつづける。
助かった2人はなんで助かって、
お友達と先生はなんで助からんかったん？
ジロウはお母ちゃんの膝に顔をうずめたまま動かない。
私は追質問。
先生の言う通りにしようと思うのはなんで？
密会時間終了が迫ってくる。
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ジロウは解を捻りだす。
先生は大人で
ジロウより長く生きてるやろ？
だからいろんなことを知ってるやん。
なるほど。
母は質問を戻す。
ほな、先生はなんで助からんかったん？
母の膝から見上げてジロウが腕越しに苦笑う。
意味なくカービィの会話したいな。
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3.11について概要を知ったジロウ。
生まれてないから知らないと言う。
ジロウ感じる「知ってるけど知らない」が母は大切な気がするんだ。
体験は唯一無二の学習となる。
だけど世界は未知だらけ。
未知に恐れようとも想像して。
思考停止せず自分で創造して。
大人も子どもと一緒なんよ。
知ってるかどうかは人による。
でも人のお話し聞くのは大事やな。
人のお話聞きながら、
自分で考えて自分で決めるのが
お母ちゃんは好きみたい。
ジロウは可能性の塊やねん。
今もいっぱい考えたやろ。
考えるジロウの頭は賢いの。
賢い頭をよーさん使ってな。
ジロウのお話し
聞かせてくれてありがとう。
お母ちゃんのお話し
聞いてくれてうれしかった。
生きてよな。
ほなまた会えるから。
ジロウははにかんで両腕を広げる。
10秒ほどハグしたら走っていった。
ただいまをした10分後のいってきます。
また背が伸びたみたい。
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幼いタロジロは兄弟ゲンカと無縁だった。
強きモノは弱きモノを守れの母。
4歳差兄弟に戦争は起こりえない。
めんどくさがり系平和主義の母。
暴力口論よりアサーションをねじ込む。
ケンカなくとも喜怒哀楽はどうぞ豊かに。
湧き上がるすべての感情を慈しんで。
どんな「タロウ」も「ジロウ」も素晴らしいんだ。
タロジロ。
母も「まどかちゃん」であれるよう頑張ります。
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ーーーー⑨につづくー
⑦絆を深めるお喋りは愛の証
⑥世界を創造するありのままの言葉
⑤百折不撓で今を生きる/つむぐ絆に深まる想い
④ ココにいる僕は私で私は僕 /そして私は私で僕は僕
③夢のみつけかたと優しい負けず嫌い
②勉強する意味と鎖国の私たち
①サンタとタロウと13歳の誕生日
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⑧Facebook編2021.03.18
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花より団子で連日訪問
大慌てで食べて風のように去る
会える一秒にただ感謝
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