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②勉強する意味と鎖国の私たち

第4章タロジロラブレター
慈愛と私。きらきらタロジロ

赤いりんごを愛でながら母は思うのです。

開国の兆しなくば海渡ろ。 
 
 
沈没しかけの私たちの国。 
日本人は真の原因を知らないんだ。 
 
そして。 
沈没しかけすら大多数は知らない。 
 
たとえ沈没に気づいても。
アタリマエの過熟にしがみつく私たち。
 
脆い生育環境で赫々と色づくタロジロ。
 
 
 
熟れた果実をまるごとノミコンデしまえ。 
 
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2021年の12月上旬の密会にて。
私は「勉強する理由」をタロウに尋ねる。 
 
穏やかに微笑んで喋りだす12歳タロウ。 
 
 
 
『人生の選択肢を広げるためやで』  
 
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9月から続く密会中もタロウは多弁のままだ。 
話の割合はなんだか「勉強」ばっかり。 
 
良くも悪くも数値化されてゆく中学のお勉強。
混沌を整頓させたがるタロウには合ってそう。 
 
 
タロウは解を求めてゆくのが好きなんだ。 
 
 
 
ゆえにこの5年間。
 
アタリマエの混沌解に、
大人が翻弄される傍らで、
粛々と心の熱で混沌を融かし、
タロウの解を整頓し続ける。 
 
一方で。 
ジロウは煌々と心を燃やす。 
混沌も整頓も融かしてしまうほどに。
 
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閑話休題。
解求め好きタロウさん。
 
好きな教科は数学だ。 
2学期の評価は好きを体現。
 
一方で。 
苦手な教科は国語らしい。 
成績はベトナムの国民食。
 
国語のハッキリせん解答が好かんとモジモジ。
・・の一方で漢字を覚えられんと笑う。 
 
 
苦手解をとりあえず求めよ← 
 
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タロウの勉強(テスト)についての話し方には特徴がある。 
 
まず、苦手や失敗から話し始める。 
次に、段階を踏んで得意や好きへ。 
 
そして最後に、総括がはいる。 
 
 
自分の「目標と行動と結果」を観察して、全体的なまとめを教えてくれるんだ。 
 
大きな目標に到達できるなら、小さな目標の失敗はどこかでカバーできれば問題ないらしい。
 

平均点には無関心で、タロウにとって難しいか簡単かを基準に、「自分の評価」で判断する。 
 
 
 
タロウの総括に母ビビる← 
 
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私たちは「目標」は自ら決める。
なのに「評価」は他人に委ねる傾向が高い。 
 
だから。
私たちは自信をもてずに不安になるんだな。 
 
ちなみに。
2021年の日本人の幸福度は 56 / 149 位。
ぶっちぎりで先進国 ( G7 ) 最下位。 
 
 
「独自の評価」の決定は「自分の価値」の決定だ。 
 
 
自分の価値を自分で決められると『人生の自由度』も『他者への寛容度』も上がる。 
 
 
 
そしたら幸福度があがる。 
自己肯定感が膨らむ。
 
つまり。
自信をもてるんだ。
 
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久しく再会した2021年夏の終わりのタロウ。
できないことに目がいきがちになっていた。 
 
国語苦手を相談された母のシンプル解。 
 
 好きな数学めっちゃしとけば大丈夫。  
 苦手はホロホロついてくるから。 
 
タロウは蒲焼さんをかじりながら笑みをこぼす。 
 
 
 
どんだけ読書雑談会したおもてんねん。 
 
0歳から8歳まで毎夜めくった計3,500冊。 
最低1冊/日計算で相談当時は12歳。 
実際は1万冊以上は読んでいるだろう。 
 
ほんでな。 
数学好きなら国語もできる。 
 
読解力ないと数学の問題読めないはず。 
解までの論理的思考力も整わないはず。
 
 
そもそもな。 
得意と比べるから苦手なだけなんよ。
 
なにごとも。
まるごと眺めるのはどうやろか。

 
 
母の「大丈夫」には理由がある。
だから大丈夫やで。 
 
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タロウの取り柄は「素直」だ。 
2学期の成績がグンッと伸びる。 
 
そして先生からの所見に泣きそうになる。 
学校での「姿そのもの」が輝いていたらしい。  
 
 
1学期の評価数値は笑顔タロウの心の闇が見えた。
一般的には良い成績だろうけど私にはわかるんだ。 
 
5ヵ月ぶりに母に会いに来た2学期の始まり。 
細々と力強く継続させる母との親子時間。
 
 
 
自分を幸せにするのは己の環境の最適化なんだ。
 
 
 
タロウは選択肢を広げる人生をすでに歩んでいる。 
 
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タロジロとお母ちゃんの離別には、とてつもない意味があるんだ。 
 
日本はどうなってゆくのかな。
5年間でいろんな「知る」に出会う。
 
知るは優しさだけどときに恐怖なんだ。
 
 
「知る」を見つけたとき。
「どうすればいいのか」人は悩む。
 
そして「悩み」に出会ったとき。
人には「勉強」が必要となるのです。 

 
 
とはいえ勉強による「知識」はただのツール。
大切なのは勉強で培う「思考力や発想力」だ。 
 
思考と発想で知識を使いこなして逆境に立ち向かう。
 
これが『生きる力』で「勉強」なんだ。 
 
 
 
 
勉強という言葉にはこんな意味もある。 
 
『経験を積むこと』
 
 
 
母がいるのに消される鎖国の世界。
過熟の景色は「恐怖」でしょう。 
 
だけど。
知るタロジロの惧(おそ)れは輝煌なんだ。 
 
だからこそ。 
 
 
 
大丈夫やで。 
 
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ーーーー③へつづくー 
夢のみつけかたと優しい負けず嫌い
勉強する意味と鎖国の私たち
サンタとタロウと13歳の誕生日
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タロジロと鑑賞
アーカイブ万歳


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