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パリオリンピックの盛り上がりから考える日頃の努力の重要性

来月オリンピックがあるということを認識できていない日本人は多いと思います。
先日、会社の同僚に「来月オリンピックですよ」と話をしたら「えっ??」と驚かれました。
そういう人は結構多いのではないかと思います。

3年前、コロナ禍の終息が見えない中で開催された東京オリンピックは地元開催とオリンピックをやめろというマイナスな感情も相まって日本国内では注目されていました。
今回のパリオリンピックの注目度が現在の日本におけるオリンピックの真の注目度と言っていいでしょう。
私が子どもの頃にオリンピックが迫ると国全体がオリンピックムードが高まるのを感じました。
2024年の日本には全くそれがありません。

それが何故かということを考えてみます。
まず、ここ10年くらいのスマートフォンの普及により個人、個人で撮りたい情報を取捨選択できるようになりました。
YotubeやX、Instagramでも普段自分が良く見るジャンルの動画やコンテンツしか基本的におすすめされません。
そうなるとスポーツに興味のない人は一切おすすめされないと思うので、目に入ることすら無いのではないかと思います。
そして、注目度が下がるとテレビ局が放送しても視聴率が振るわないので取り上げなくなり、さらに注目度が下がる循環に陥ってしまうのではないでしょうか。
2022年の冬季オリンピックは中国の北京で行われました。
この時も注目度は低く、ほとんど盛り上がっていなかった印象ですが、直前の夏に自国でオリンピックが開催されたことが原因だと思っていました。
でも、この時から既にオリンピックを国全体のイベントにすることはできなくなっていたのです。

かつてはテレビや新聞が自分たちの報道したいものを報道して情報を仕入れる一般消費者はその中からしか自分の取得する情報を選ぶしかありませんでした。
オリンピックとなるとNHK、民放すべてがオリンピックとなるため日本全体がオリンピック一色になっていました。
今はテレビで流れてくる情報を重視する人も少なく、自分の見たいものを見るため日本がオリンピック一色になることは難しいのでしょう。

この現象に関してはオリンピックだけではなく、来年に迫った万博も同様だと思います。
情報の民主化が進み、バラバラである個が集合体となって大手マスコミという組織を凌駕しているのかもしれません。
万博に関しては国全体を一つにするイベントにならないのは2004年の愛・地球博の時点で分かっていた事ではないかと思いますが・・・

国全体を一つの熱狂に巻き込むのは難しいと書きましたが、サッカーのワールドカップと野球のWBCは2024年現在ではオリンピックとは異なるイベントです。
オリンピック、万博とワールドカップ、WBCの違いをまとめます。

大きな違いとしては2つあると思っていて、①わかりやすさと②認知されているかに大きな違いがあります。

①に関してオリンピック、万博は一つのイベントではあるもののいろんなジャンルの競技、あるいは展示品を見ることになります。
対してワールドカップ、WBCは一つのイベント、日本代表も1チームだけ、競技も一つだけです。
そのため、視聴者側からしてもわかりやすいと思います。
逆にオリンピックは同じ日本代表でも競技が異なるので分かりにくいのといちいち追えないということがあると思います。
逆に言えば、知らない競技でも解説してくれていたのがテレビだったのですが、今はかつての力が無いのもオリンピックが盛り上がらない理由の一つだと思います。

次に②についてです。
オリンピックは競技によっては4年に一度、あるいはそのオリンピックで始めて見るというケースも多いと思います。
そのため、いくら柔道界の絶対王者だとしてもしっかり試合を見るのは4年に一度ということも起きてしまうのです。
実際にそういう人は多いと思います。
逆にワールドカップやWBC、つまりサッカー、野球は日常的に見ている人が多いのと日常的に見ているからこそ、世界的なスーパースターも認識されています。
WBCは大谷やダルビッシュのようなメジャーリーグのトッププレイヤーも参戦しました。
いつも画面で見ている人が出るのと日本代表としてプレーするとなればいつも見ている世界の延長+αの効果があるでしょう。

結論としては情報があふれる昨今は日頃から動かしたい相手に継続的にコンタクトしていないと、本当に見てほしい時、動いてほしい時に動いてくれない、そういう時代に変わってきたのだろうと思います。
かつては大手マスメディアが意図的に国民を動かせたわけですが、それももうできなくなっているわけです。
そういう意味では営業の場でも同じことがいえると思います。
顧客は自分たちで検索すればいくらでも商品のカタログスペックや料金は調べることができます。
そのため、日頃からの接点がなければ営業は商品のスペックや料金に依存せざるを得ないかと思います。
日頃から定期的に顧客に対して、有益な情報を届ける、接点を持ち続ける。それにより顧客に安心感を与える、その努力が大切なんだと注目されなくなった世界的イベントを見て感じています。

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