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37歳から43歳までの不妊治療でドリカム「何度でも」が聞けなくなった話

DREAMS COME TRUEの歌に「何度でも」というパワーソングがある。大好きな医療ドラマの主題歌だった。この歌で、歌い手である自分は〝きみ〟の名を何度も呼び、悔しくて苦しくてがんばってもどうしようもない時も〝きみ〟を思い出す。10000回だめでも10001回目は何か変わるかもしれない、と繰り返し、曲は〝明日がその10001回目かもしれない〟と終わる。 何度でも立ち上がるという宣言が、強い。東日本大震災のあとには、ラジオで何度も流れた曲だという。わかる。勇気付けられるいい

    • 38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産10

      手術日は8w5d。手術前の診察で心拍が再確認できた例がある…というのは、やはり呪いだった。もう必要ないと言われたルトラールを、処方分、飲みきらずにはいられなかった。手術前日には、朝まで一睡もできなかった。寝るのをあきらめて起きだすこともせず、ずっと隣で眠る夫の寝息を聞いていた。 朝7時、会社を休んで病院に付き添ってくれる夫を起こす。寝られていないことを告げ、1時間だけ寝ようと努力する。 病院の予約は10時。 最後の内診室には、夫も入れるように手配してもらった。「そんなこ

      • 38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産09

        胎児の心拍は止まっていた。ほんとうなら2cmくらいの大きさに育っていないといけないのに、前回の8mmから、5mmになってしまっているという。「前回の診察のあと、すぐに成長が止まったんだと思います」。N先生がそう言う。胎のうが結構大きいので、出血量が多いことが考えられる。自然流産を待たずに、手術で掻爬した方がよい。 自分の顔から、血の気がひいていることが分かった。いや、ほんとうは、最初に経膣プロープを入れ、モニターにぼんやりしたものしか写らなかったときから、私は蒼白だったと思

        • 38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産08

          1月14日、8w0d。胎芽が胎児と呼ばれることになる週数。 不妊治療の末の妊娠なので、普通は2週間おきの診察が1週間おきであることに感謝する。いつでも無事を確認していたい。今日はどんな風に心拍が見えるだろう。どのくらい大きくなっているだろう。 N先生が経膣エコーのプロープを入れる。モニターがぼんやりしている。動くものが写らない。 「ちょっと見えにくいので、お腹から見てみますね」。かかっているバスタオルを剥ぎ、お腹にジェルを塗って、ぐっと機械を当てる。 N先生が奥のカー

        37歳から43歳までの不妊治療でドリカム「何度でも」が聞けなくなった話

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産07

          大晦日に病院の予約が入っていたため、正月のおせち作りは29日、30日で済ませていた。「年内」ギリギリまで台所に立つのが例年のことだが、おかげで今年はけっこうゆっくりとお正月を迎えることができた。紅白なんかも見た。 「1週間様子を見る」という先生の台詞は頭から離れることはない、次の診察まで不安な日々だと思っていたけれど、普段と違って正月休みの夫もいるため気がまぎれる。順調であればお腹の子は8月末には産まれるはずなので、「2人で過ごす正月は最後なんだね」とか「生後4カ月の子を連

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産07

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産06

          5w0d、初めての妊モニターはクリスマスイブ。朝9時半に予約をとった。とはいえ全く待たずに通されるわけではないようで(…といってもいつもよりは待たなかったかも)、まずは内診室。今日はJ先生。この先生の説明はあまりよく分からなくて、何より内診が結構痛いので、いつもならJ先生だと気が重いのだが、今日は「多少痛くしてもいいから、全然構わないから、胎のうを見つけて!」という気持ち。 そして胎のうが見えた。大きさも問題ないとのこと、順調ですねと言われてほっとする。流産予防の筋肉注射+

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産06

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産05

          朝食を食べる習慣がないのだが、薬を飲まなくてはならないため、バナナやキウイやりんごやらを買い求め、そのまま食べたりヨーグルトをかけて食べたり。不妊治療のおかげさまで、夜は朝まで起きていて朝は昼まで寝ていた私がきちんと朝に起きるようになっている。不眠症と名がつくほどではないだろうけど、人生の半分くらいを入眠障害の気がある状態で過ごしているので、あまり寝られていなくて起床がつらいこともありつつ、寝過ごして薬を飲みそこねるという事件は起こらぬままなんとか10日ほどを過ごす。 ルト

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産05

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産04

          12月3日の夜から、ルトラールの内服開始、朝夕2回。できることは薬を飲むことだけ。卵の状態を問い合せるのは6日からになる。 5日に友人からチケットをもらっていたエステに行き、オイルを選ぶが、施術直前に「多分ないと思うけど、もしかしたら明日移植になるかも」と思い出して、そのオイルは、妊娠に影響しないものかとしどろもどろで聞くことに。妊娠してても大丈夫〜なオイルにするが、翌日6日の電話連絡で「順調に分割しています」とだけしか言われない。え? 移植になるの? と思いきや「翌日また

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産04

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産03

          12月3日。病院は9時からの診療だけれど、9時ジャストくらいに行ってもいつも待合室には人がたくさん居た。…のは、こういうことかと初めて分かる。朝8時に来てください、採卵の人数が多かったら7時15分に来てもらうグループも発生するのだけど、それは可能か? と事前に問われており、OKと返事をするも当日まで連絡がないので8時でヨシと。 時間には余裕を見て出たつもりが、病院を何百メートルか先に見据えたところで動かなくなる車列。1時間違うとこんなに車の進みが違うのか! と思ったけれど、

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産03

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産02

          11月頭に治療中止となり、プラノバールを飲みつつの11月半ば。やたらまとめて仕事が入ってきて、毎日のようにあちこち出向くことに。順調に治療が進んでいたら、この仕事をこなせなかったかもしれないし…ってのは、思ってはみるけどたいした慰めにはならない。 11月25日。生理3日目で受診。今周期は低刺激で行く、と先生。注射を2本、あとはセロフェンでいくと。セロフェンオンリーで2〜3個できている周期もあるから、先月のように高刺激でやるよりはこっちで試してみましょう、ということで。ホルモ

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産02

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産01

          2014年8月、卵巣嚢腫の切除術を受け、翌9月は治療をおやすみ。しかし、卵巣嚢腫は再発するものだし一番の治療法は妊娠だしということで、治療復帰できたらすぐに体外受精に取り組むことに決めていた。 10月終わり。卵巣に腫れがあるとのこと。それまでに聞き飽きていた「卵巣が腫れている」の台詞。今周期もまた何もできないのか、と遠い目になりかけるも、小さいのでここで内容物を抜くよと、内診室でそのまま穿刺され、体外受精周期に突入。 1日3回、8時間おきに使わなければならない点鼻薬のスプ

          38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産01