38歳不妊治療 体外受精→妊娠→流産05

朝食を食べる習慣がないのだが、薬を飲まなくてはならないため、バナナやキウイやりんごやらを買い求め、そのまま食べたりヨーグルトをかけて食べたり。不妊治療のおかげさまで、夜は朝まで起きていて朝は昼まで寝ていた私がきちんと朝に起きるようになっている。不眠症と名がつくほどではないだろうけど、人生の半分くらいを入眠障害の気がある状態で過ごしているので、あまり寝られていなくて起床がつらいこともありつつ、寝過ごして薬を飲みそこねるという事件は起こらぬままなんとか10日ほどを過ごす。

ルトラールが切れる前、17日から19日の間には妊娠確認にいらっしゃい、ということだったのを、「どうだろう、どうだろう」とつい考えてしまう毎日に疲れて早速の17日に来院。

問診票に「12月8日に移植しました。妊娠判定をお願いします」と記載したので、血液検査から呼ばれるかと思いきや、いつものようにだいぶ待たされて呼ばれたのは、まず内診室。「今日は妊娠判定ですね。検査薬とか使いました?」と先生。いいえ、使っていません(生理予定の1週間後とかからしか反応しないんじゃないの?)。そうですかーと経膣エコー。「うーん 見えませんね」「まあ、まだ見えない時期なんでね」と先生。そうだろうね、そりゃそうだろうね。「血液検査します。検査の結果が出るまでに40分ほどかかります。またお呼びしますのでロビーでお待ちください」。はい。

もー。だから問診票に書いてるのに、血液検査から呼んでくれたらいいのにーと気持ち口をへの字にしてすごすごとロビーへ戻り、処置室へ呼ばれるのを待ち、血を抜かれ、そして40分。なんだか酷く怖くなってきた。待ち時間の暇つぶしに携帯をミュートにしてゲームをしていたけれど、つい「このステージがクリアできたら妊娠していると聞ける」なんて今更どうにもならない願掛けをしたりして、何だかもうほとほと疲れた。帰りたい。帰ってしまおうか。かなり濃密な本気度で思ったところで「つめこさまー」と呼び出し。カウンセリング室に入る。

カウンセリング室でも何分か待たされるのが常のところ、ドアを開けたら珍しく先生が先にそこにいた。さっきも内診してくれたN先生は、表情があまり動かない人で私には少し怖い。できたら妊娠判定はZ先生から聞きたかったな…と思いつつ、目の前にはぺらっと1枚の検査報告書。いくつも検査項目があるが、数字が書いてあるのはその項目の1番下だけ。数字を見ても、それがどういう結果を表すのか分からないままで検査報告書に視線を落としていると、先生が「つめこさん」と呼ぶ。顔を上げて先生を見ると「妊娠してます」とその口が動いた。「この数値ね、妊娠してなかったら0,1とかです。100以上、これは妊娠です」。

嬉しい、というよりは解放されたという喜びに近かった。もう、妊娠しているかどうかを気に病む必要はない。この10日間がほんとうに長かった。声は出さなかったけど、喜びは先生に伝わったようだった。先生は私が喜びをかみしめる何呼吸かの時間をくれたあとで、強い目で私を見なおした。「ただ、流産率もけして低くはありません」「第一関門突破、といったところです」「注意して経過を見ていきましょう」と言った。

今日が「4w0d」。流産予防の注射を打っていきなさいと言われ、またも少し待つ。肩かお尻、どっちにする?と聞かれる、痛い筋肉注射だが、どうぞどうぞお願いします、痛くても構いません、打ってください。そんな気持ちで左肩を差し出す。ルトラールの追加を処方され、次は1週間後に来るようにとのこと。妊娠したら予約制になるのだと予約伝票を渡され、そこには妊モニターと書いてあった。

今日、病院に行くことはちゃんと決めていなかったのもあって、電話やメールで夫に伝えるのはやめることにする。夫の帰宅をそわそわしながら待った。

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