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読書記録「ロートレック荘事件」筒井康隆 著※ネタバレ感想

あらすじ

避暑地にある洋館はロートレックの作品で彩られている。
そこに集まった主人公とその友人、美しい娘たちとその家族。
優雅なバカンスのひととき。
仕事や恋愛に、それぞれの思いが交錯する中、一人の娘が殺される。
警察が捜査・監視を強めていくが、一人、また一人と美女が殺されていく。
外部の人間の犯行か。それとも内部に・・・

感想 「やられた!」

夏の別荘。
友情。恋愛。仕事。金。殺人事件。

ありきたりな設定だと思った。
(刊行されたのが1990年とあり、30年以上も前だが、それでもありきたり設定ではなかろうか)

それでもオチの前までは誰が犯人なのか確信が持てず、残りのページが少なくなるにつれ、じわりじわりと緊張感が増していた。

犯人が明かされた時は、正直、意味が分からなかった。

そんなのアリか!?反則やろ!
とすら思った。

しかし思い返せば、最初から違和感を感じていた。
それでもいつの間にかその違和感を忘れ、脳内で補完してしまっていた。
自分がこれほど思い込みが強く、浅はかだったとは。

謎解きの答え合わせをしてくれているので、
なるほど確かに、と最終的に溜飲を下げることができる。


文体や設定に、古さはあるものの、
こんなにも「やってくれた」と感じる作品は多くないと思う。

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