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故デーケン先生の授業

先日「死、というもの」と題した投稿をしました。2007年6月に母を天に見送り、「死」について考えることが多くなりました。それはネガティブな意味ではなくて、だれもが経験する、私もいつか経験する「死」ってどんなものだろう、という単純で純粋な、幼子のような疑問でした。そんな折に、タイムリーにも、私が住む某市が催してくれた6回にわたって死生学を学ぶ講座。

そんな講座を開いてくれた市には感謝しかない。

前回最終回の6回目の講座後のレポート記事をブログから転記したのですが、今回は最初に戻って輝かしき第1回目の講座のレポートをnoteに引っ越しさせます。

講師は日本のグリーフ・ケアや死生学の第一人者、アルフォンス・デーケン上智大学名誉教授(当時)。今調べたところ、昨年お亡くなりなっているようです。涙。

2007年に受けた講義だけど、普遍的かつ不変的テーマなので、今十数年ぶりに読み返しても新鮮。

↓↓↓以下、私の古いブログからの転載(加筆修正あり)です↓↓↓

今日は上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン先生の講義を聞きに行った。日本での暮らしも何十年にもなっていらっしゃるので、訛りはあるものの、流暢な日本語でたくさん笑わせてくださった。ドイツ人ときいていたから、いかめしい顔の大柄の男性を思い描いていたけど、小柄で優しそうな方だった。1932年生まれだそうだ。

タダでこんな講座受けていいの?って思うほどよかった。市の広報誌、ちゃんと目を通しておいてよかった〜。

デーケン先生は菊池寛賞を受賞しているのだけど、その理由は、「死生学」という言葉を普及させたから。もともと欧米には「死学」にあたる単語(英語はthanatology)があるらしいのだけど、日本にそれを輸入するのに「死」がタブー視されている日本では「死学」では受け入れられないと考え、死を学ぶことは生を学ぶことでもあるということで「死生学」と訳してこの学問を日本に広げたのだそうだ。

1時間半の講座、かなり中身が濃いものだった。

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