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つくる会社員(24)
2021年8月2日 19:19
前回はコチラ私は怖くなった。この人を心の頼りにしてしまったら、私はもう生きてはゆけない。その想いを掻き消すよう、ワイングラスをグッと傾け、澄んだ赤色のアルコール飲料をツツと心の奥の方まで流し込む。───────数時間前何が必要か、どんな服装で行けばいいか、全くわからなかった。そもそも、本当に彼が来てくれるのかすらも、俄かに信じ難い話だ。それでも、刺激がない日々に突然舞い込んだ一枚
2021年5月13日 21:08
封筒を開けると、そこにはホテルのカードキーのみ入っている。装飾は何一つ施されていないけど、絶妙なクリーム色が上品さを出している封筒だった。カードキーに刻まれたそのホテルの名前は、誰でも知っているようなホテルだった。勿論大学生の私は宿泊は愚か、ラウンジにだって足を踏み入れたことはない。この封筒はご褒美、と言いながら年配の男性が私にくれたものだった。守るべき自身とプライドが無い私は、後腐れ
2021年5月12日 10:19
水曜、平日ど真ん中の午前十時。ワンルームに無理やり押し込んだ、お気に入りのソファに寝転んで、天井を仰ぐ。青山の大通りを入ってすぐにあった、今はもうシャッターを下ろしている家具屋さんで一目惚れをしたソファ。ダークグリーンに染められた合皮が、レースカーテンを通した太陽光を僅かに浴びて艶やかな表情を見せる。本当ならば今日は出勤予定だったが、数日前有給を取った。有給をいつでも好きなタイミングで