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ことばと価値観ー「平等」って結局なんなのかという話。

いきなりですが、皆さんは「平等」の言葉の意味を説明できますか?

「ケーキをみんなで平等に分けてね。」

これなら何となくわかりますが「ジェンダー平等推進!」なんて言われても何をどうしたら平等になるのか…イマイチはっきりしない気がします。

今回、そんな「平等」という言葉について、この記事で掘り下げて考えていきたいと思います。

1.ケーキの平等と人間の平等

先程「ケーキをみんなで平等に分ける」という話がありました。

ケーキでなくても、ほとんどの人が「何かを、誰かと、分け合う」という経験をしたことがあると思います。こういう時、しれっと意識されるものが「平等」ではないでしょうか。この「平等」の意味、小さい子どもたちでもよくわかっています。分けられたおやつの大きさが違うと文句が出て喧嘩になる、なんてよく聞く話ですよね。

このように、私たちは結構幼いころから「平等」という言葉とイメージを叩き込まれているような気がします。ケーキを平等に分けることなら、単純明快で納得して、幼い頃から、普段から、多くの人がやっていることです。

一方で、同じ「平等」という言葉でも、「人間の平等」はどうでしょうか。わかりそうで、わからない。なんだか難しい。そう思いませんか?

2.優遇はズルなのか

私が小学生だったの時のことです。下校で靴箱が混みあう夕方、男性の先生が「よ~し、今日はレディーファーストだ!」と、女の子たちを優先的に靴箱に誘導する日がありました。

このような、性別による優遇は、社会に数多く存在しています。「レディーファースト」という言葉があるほど、特に、女性への優遇は私たちの身近に存在します。例えば、女性専用車両、映画館等のレディースデイ。女性たちにとっては、ありがたかったり嬉しかったりするものですが、ズルいという人もいます。

では、このような仕組みは「平等」と言えるのでしょうか。おそらく「平等」「優遇」と捉える人は、文字通りの優しさ、または厚意からの仕組みと捉えているのでしょう。

女性は体力などの面で、根本的にどうしても男性に勝てない部分があります。社会の中でも、未だ弱い立場にいる女性は多いです。女性を弱者と捉え、弱者に対する配慮をする。そういう感覚で優遇の仕組みがつくられ、ありがたく受け入れられていると言えるでしょう。


一方、「不平等」「ズルい」と考える人はどうでしょうか。「女性」という自分では選択が難しいこと、つまり性別だけで待遇が変わることに違和感や嫌悪感を覚えているのかもしれません。自分に与えられたもの、選べなかったことで他が特別扱いされる。確かに、しっくりこない気もしますよね。

弱い立場にいる人を助けて「平等」を実現させるか、相手を弱者と見なさず、皆に同じように接することこそが「平等」なのか。優遇の例ひとつとっても、「平等」という言葉の難しさがわかってくると思います。

3.おおきな木の絵

改めて考えると、曖昧な「平等」という言葉。私も、この曖昧さに長い間モヤモヤしてきました。ある日、そんな私の頭を、少しだけすっきりさせてくれたものがあります。それは、twitterに流れてきた「おおきな木」の絵です。みなさんも読んだことがあるかもしれない、絵本「おおきな木」をモチーフにした4つの絵。Inequality(不平等)、Equality(平等)、Equity(公平)、Justice(正義)という4つの言葉に言及しています。

Inequality: Unequal access to opportunities
不平等:機会への同等でないアクセス


Equality?: Evenly distributed tools and assistance
平等?:均等に分配された道具と支援


Equity: Custom tools that identify and address inequality
公平:不平等を識別して対処するカスタムツール


Justice: Fixing the system to offer equal access to both tools and opportunities
正義:ツールと機会、双方への平等なアクセスを提供するためにシステムを修正すること

Equality, Equity…あなたの「平等」の価値観に近いのはどちらでしょうか?全員を同じように助けることこそ「平等」なのか、不平等な格差を縮めるために必要な人に援助を届けることが「平等」なのか。この絵では前者を「平等」、後者を「公平」と説明しています。しかし現在の世の中では、この二者間の価値観が明確に線引きされることなく、一括りに「平等」として混在しているように感じませんか?

ジェンダーの問題や人種の問題で、世界中で「平等性」が大きく叫ばれている一方、意味が曖昧になって人によってとらえ方がばらばらな「平等」という言葉。ここで価値観が合わなければ、結局の「平等」のゴールがわからないままになってしまいます。

4. 「平等」を目標に掲げるうえで何が必要か


「○○平等」。口だけ、目標だけ。
そんな平等のスローガンが、今のこの世の中には溢れていると思います。それでは、「平等」という言葉を目標に掲げ、その言葉に責任と現実味を持たせるにはどのようにすればいいのでしょうか。

まずは、先程のような「平等」という言葉をしっかり理解すること、言葉に紐づく皆の価値観を共有すること。私はそう考えています。

「平等」に限ったことではなく、世界全体の目標として、国の目標として掲げられている言葉には、意外と定義や理解があやふやなものがあるかもしれません。皆にわかるようにと、平易な言葉で紡がれている目標やスローガンこそ、誤解が生まれやすいのかもしれません。

確実に、そして皆が納得する形でSDGsを達成するためにも、「言葉」とそれに伴う「価値観」への注目は重要なポイントとなってくるでしょう。身近に溢れている言葉ほど、その言葉に対する、自分や周りの価値観を振り返る必要がありそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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この記事を書いた人は
haru

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