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人と比べても、自分を責めたりしないで

「おごらず、人と比べず、面白がって平気に生きればいい」

『一切成り行き』より

樹木希林さんの名言。読書をかじり始めたころ、入院患者さんが、カバンからオーバーテーブルに数冊の本を積み上げました。その中の一冊に著書があり、興味津々の私に、貸してくださいました。まだ、本を読んだら感想を書こう、アウトプット前提で読もうといったことも知らないとき。ただ、この言葉を目にしたとき、自然と手が止まりました。こんな風に生きたい、と。

私も人と比べて落ち込みます。「え、もう起業しちゃったの?」とか「この人、ものすごく『いいね』ついてる!」とか「文章うまくなってる…焦るな…」とか、よくよく思います。

でも、そんなときは「また人と比べちゃったよ~。疲れてるのかな。どんまいどんまい」と面白がるようにしています。比べてしまうことは悪いことではありませんし、こんな自分はダメなヤツと思う必要もありません。「人と比べる」その事実に気づいたら、笑い飛ばしてしまいましょう。

うらやましいという気持ちも。もしかしたら、あの人より優れているかもと少し得意げになることも。自分が感じた想いには正直であっていいと思っています。それで自分や人を傷つけなければ、何を考えてもいいと思うのです。ただ、平常心を忘れずに。そして最後は笑いに変えて。

そんな風に考えられると、肩の力が抜けて、喧噪の中をひょうひょうと歩けるようになります。「起業も生きているうちにできたら楽しいかも~」「見たら落ち込むから今は他人の投稿見るのやめとこ」「そもそも上手な文章ってなんだろう。自分が書きたいように書けばいいじゃない?」とふわりふわりと生きています。

母親には「あんたは何も考えていない」と言われます(笑)それは褒め言葉だと受け取っています。だって、口には出さないけど、本当はいろーんなことを考えているから。考えるとは、落ち込んだり頭を抱えたり愚痴を言うことだけではありません。考えた結果、笑顔になれる方法を選んだ、それだって十分考えていることになります。つまり、人からは健康そうに見えるってことでしょう。それは、私が求めている姿なので、万々歳。

冒頭の話には続きがあります。後日患者さんに本を返却しに行くと「どうでした?」と感想を聞かれました。お恥ずかしいくらい語彙力も読解力もなかった私は「樹木希林になりたいなと思いました」とわけのわからないことを伝え、がっかりさせてしまいました。

でも、今ならこう伝えようと思っています。
「自分の心に正直に、まわりの目なんて気にせずに、ちょっと変わっていても、面白い自分でいたいです。そんな私を面白がってくれる人が一人でもいれば、それは幸せな人生だと思います」と。


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