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【分かりやすい資料の作り方】16_[表]表を分かりやすくする工夫

『分かりやすい資料の作り方 ~構造化のススメ~(基本編)』全19話の記事で構成しています。
最初の記事に全体概要とこれまでに掲載した記事のインデックスを記載していますので、ご興味を持って頂けましたら、こちらからご覧ください。


今回は表をより分かりやすくするための、色や線の太さに関する工夫についてお伝えしていきます。

ひとつひとつはちょとした工夫ですが、そのちょっとした工夫で随分分かりやすくなるものです。

正しい構造化が出来た際には、是非、仕上げとして実践してほしいと思います。

1. 罫線の太さ

まず、こちらの表をご覧頂いて、どうお感じになるでしょうか。

罫線の太さ(1)

前回の解説の通り、正しく軸が設定され構造化された表です。
しかし、行や列が多いためかゴチャゴチャしていて読み取りづらいですね。

この表は分かりやすくするために改善すべきポイントが幾つかあります。

まず、罫線の太さです。
パワーポイント等のドキュメント作成ソフトで表を作成する際に、
デフォルトの設定のままだと罫線が太すぎて見辛いケースがあります。

特に表のマス目が細かくなればなるほど、罫線自体が邪魔をしてしまいます。

罫線はあくまで構造化された内容の区分けを表す"補助的な役割"を果たす線です。
本来見せたい内容がを見やすくするためには、この罫線の主張を抑える必要があります。

パワーポイントでいうと表の罫線の太さはデフォルトで0.75ptになっています。この0.75ptの太さはちょっときつすぎる場合があります。

少し見辛いなと思ったら、罫線の太さを0.25ptに変更してみてください。
そうすると表全体がスッキリして、中身が見やすくなると思います。

また、罫線の主張を抑えるために、線を細くするのではなく"薄い色にする"ことも有効です。

線の太さはそのままに、線の色をグレー等、黒よりも少し薄い色に変更してみてください。
こうするだけでも、線の主張が抑えられて随分見やすくなるはずです。

罫線の太さ(2)

2.軸と行の色分け

次に有効な色分けについて説明します。

まず、表の一番外側の行(横軸)・列(縦軸)は「値のラベル」ですので、表の中身の値とは別物であることが視覚的に分かるよう、濃い色で色分けしておきましょう。

この時に、横軸縦軸に記載されている文字を太字にする等して視認性を上げることも有効だと思います。

更に、行数・列数が多い数表の場合は行を薄い色で交互に色分けすると、1つの行を横に目線で追いやすくなります。

軸と行の色分け

ここでの注意点は、行の色分けはあまりカラフルで濃い色を使わないことです。
薄いグレーなど目立たない色で十分です。

また、行数・列数があまり多くない場合はこういった工夫はかえって見辛くなるので気をつけてください。

色は使いすぎると情報過多により見辛くなりますし、本来目立たせたい箇所のハイライトが目立たなくなってしまうなど弊害が発生します。

あくまで行数や列数が多いケースにのみ使ってください


3.五秒で伝えるための「数値化・記号化」

表を分かりやすく伝えるための工夫として「数値化・記号化」も忘れてはいけません。

表の中身のセルひとつひとつに文字がぎっしり入っていると、読み手は中身を読みこむだけで一苦労です。
これは構造化の精度が悪いと陥りがちなポイントです。

表のセルに記載される値は、出来る限り「定量的な値」或いは「Yer 、No」「〇、×」など、数値や記号により一目で意味が分かるものにしていきましょう。

[原則1]情報の構造化③でも詳しく解説していますので、是非見てみてください。

数値化記号化

相手の時間を1秒でも無駄にしないための細かい工夫の積み重ねが、分かりやすい資料に繋がります。

正しい構造化を行ったうえで、是非こういったポイントも意識していきましょう。

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