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わかりにくい恋


まだ恋というものを知らなかった頃
わかりやすい恋 という詩集を読んで
恋について考えたりしていた

初めて本当の恋らしきものに出逢って
あっという間にわたしは
わかりにくい恋 に落ちてしまった

それはどうしようもなく面倒で
どうしようもなく我儘で
どうしようもなく孤独だった

幸せでもなく 不幸でもなく
ただ相手のために生きることが
恋だというなら

わたしは恋なんていらないと思った


だって

わたしはもっと

自分を愛してあげたかったから


まだ恋というものを知らなかった頃
わかりやすい恋 という詩集を読んで
恋について考えたりしていた


きっとあの頃が
一番幸せだったのかもしれない



わかりにくい恋 / 月乃


今日もあなたが幸せでありますように。

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