秀才ピラミッドからの脱出口
こんにちは!Hamaru StrategyのChief OTAKU Officerつっきーです。
2020年もそろそろ終わりということで、今年中に言い残したことをどんどん消化していこう!というシリーズでお送りしております。
今日は、起業して実は一番大きかった心境の変化についてお話しようと思います。
今しんどい思いをしている「秀才」の人に、特に読んでいただきたいなと思います。
秀才の定義
昨年話題になった本で、「天才を殺す凡人」(北野唯我著)というものがありました。
www.amazon.co.jp/dp/4532322537
ざっくり言うと、この世には天才、秀才、凡人の3種類のタイプがいる。
その中でどうやったら働きやすくなるのか?
…みたいな話です。
(※どのタイプが一番優れている、という話ではありません)
私もその「3種類の人間」がいる、という感覚は小学生くらいから持っていました。
種類といってもパキっと分けられるものではなく、各人の中に少しずつ違う割合で存在している、という感じです。
私の中での3者の定義は、だいたいこんなものです。↓↓
【天才】
ある分野において努力をしなくてもできる、もしくは努力を努力と感じず続けられる強さがある人。
【秀才】
努力が一定レベル以上に至った凡人。
【凡人】
天才・秀才以外の人。努力する必要がまだないだけの、秀才予備軍も含む。
つまり、この3者を分けるのは「努力」に関する事項だと私は考えています。
自分自身はと言うと、おそらく
天才:秀才:凡人=1:7:2
くらいの比率です。
つまりは、インターフェースとしては「秀才」なんですね。
元々の性格に加えて、中学受験・大学受験と、自ら選んで秀才が勝負する世界に身を置いていたからこそ、この性格が出来上がったんだと思います。
秀才ピラミッド
きょうは秀才のお話をメインにするので、秀才についてもう少し深掘りしてみましょう。
ここでいう、秀才の主な特徴は
・周囲の期待に応えようとする
・勉強を頑張ってきて、高学歴であることが多い
・同世代などライバルを作ってたびたび比較する
といったものです。
典型的なイメージとしては「学級委員長」「東大生」「官僚」「銀行員」あたりでしょうか。
日本式エリート、という言葉も近いかもしれません。
この人たちの世界に絶対的に存在するのが、「秀才ピラミッド」です。
秀才ピラミッドとは
「頑張って何かを達成した時、また次のストレッチゴールが現れ、それをどんどん上っていく人生の歩き方」
…のようなものと考えていただければと思います。
官僚や銀行員の人事制度もよくピラミッドに例えられますが、それと同じようなものです。
ピラミッドに残る意思があるならば、選択肢は「頑張って上る」一択。
でも1回のミスで容易に転がり落ちることもある…
そういう類の、秀才にとっての戦場です。
秀才ピラミッドは不滅
このピラミッドが厄介なのは、
どれだけ世の中が変わろうと、秀才が自らピラミッドを自分の心の中につくり出してしまう…というところです。
秀才の世界には幼少期からピラミッドが存在し、受験でもスポーツでも、そこを上ってきた成功体験しか持ちません。
それを捨てろと言われれば、逆に不安になってしまいます。
高度経済成長期に比べて、企業内の人事制度や入試制度は画一的なピラミッドを嫌う傾向に進んでもいます。
多様なキャリアパスも、生き方も、徐々に認められるようになってきました。
しかしながら、仕組みの部分で何度ピラミッドを破壊したとしても
秀才という心の性質が、新たなピラミッドを個人で、勝手に、作ってしまうのです。
そして、「比較する」性質もまた厄介です。
大きな人生のピラミッド。
自分がどの位置にいるのか分からなければ、不安にもなります。
現在の高度を知りたくなるのは当たり前です。
でも、あまりに大きなピラミッドでは頂上も裾野も見えません。
景色から相対的な高度を計れないならば
目に見える、一緒に上り始めた人々しか高度を知る手掛かりはありません。
だからこそ、自ずと周囲(同年代、同職種など)と常に比較する習慣がつきます。
自らの心の中にピラミッドをつくり出し、勝手に周囲と比較する。
秀才のピラミッドは、なかなかに厄介なものなのです。
秀才ピラミッドの弊害
そんな秀才ピラミッドの弊害は、何といっても
生きるのに疲れる!!!!!!!!!!!!!!!!!!
というところにあります。
実際に身の周りにいませんか?
真面目に頑張り続けて、身体や心を壊してしまう人。
これは、私自身が身をもって実感したことです。
その人たちは、別に頑張り続けたいわけではないのだと思います。
頑張り続ける以外に、生き方を知らないのです。
そして何より、その生き方から逃れることは、自力ではなかなか難しいのです。
ベンチャーでも逃れられない
私自身も、ここからどうにか逃れられないか?いろいろと考えて生きてきました。
その中でも分かりやすい決断が、「新卒でベンチャー企業に行く」ということでした。
ベンチャー企業は大企業よりもピラミッドが固まっていないので
輝かしい大企業に就職していく周囲と比較せずに済み、今まで身を置いていた秀才ピラミッドと一線を引ける気がしていたからです。
結果、これは大きな勘違いでした。笑
ベンチャー界隈には、それはそれで秀才ピラミッドが存在し、比較対象が存在するのです。
例えば「全社MVP」「創業以来最高の営業成績」「最年少役員」「子会社社長」などの輝かしい単語群が分かりやすいですね。
他にも「すごい活躍してる風」な投稿がFBに溢れるところも、キツい部分です。
起業したら、なんか解決した
そんなこんなで新卒2年目までにベンチャーを2社経験。
でもやっぱりピラミッドのしんどさからは抜けられず
「もう一生このまま生きていくしかないのかなぁ…」と思っていました。
そんな私が秀才ピラミッドから脱出できたのは
「起業したから」
です。
これは本当に結果論でしかないのですが、起業して一番良かったと思えることと言っても過言ではありません。
それも、起業してすぐに感じたわけではなく、1年くらい経った最近、心底感じるようになったことです。
私は「エンタメ系の新規事業企画」という、よく分からん笑 分野で起業しました。
他人も自分もよく分かってない。
でも、起業すること自体はなんかすごい。
結果、「ようわからんけど頑張ってるね、すごいね」と言われることが増えました。
しかも、他にないタイプの事業展開をしているので、特にマイルストーンも競合もなく、本当に比較する対象がいないこともラッキーでした。
ようわからん起業のススメ
私は基本的に、誰でもかれでも起業をおすすめすることはありません。
ですが、ピラミッドに疲れた…憑かれた秀才。
あなたには、脱出口としての「起業」という選択肢を用意しておくことをおすすめします。
ここで大切なのが、「ようわからん起業」をすることです。
事業としてのオリジナリティというよりも、「自分が誰とも比べなくて済む」起業。
例えば、コンサル会社に疲れて、コンサルとして独立する…
そんなのは、似たピラミッドを登りなおすだけです。
もちろん特定分野のスキルは活かすとしても、そこに何かを掛け合わせて「ようわからん」ものにするだけで、道は拓けます。
(例えば私は、「企画」というスキルに「オタク」「健康」「女性のキャリア」みたいなところを掛け合わせて、今に至ります。)
先日とあるメディアに取材していただいたのですが、ライターさんに「肩の力が抜けた感じがして、とてもいいですね」と言っていただけました。
外から見ても、明確に分かるものなんですね。
この「身体が軽い」感覚は、秀才にとって何にも代えがたいものだと思います。
もし今しんどさを感じているなら、ピラミッドから抜け出すのに、あなたにとって「最後の頑張り」を使ってみませんか。
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