【TSUKINAMI project】とは デザイナーとしての挑戦
『TSUKINAMI project (ツキナミプロジェクト)』
芸能プロダクションで広報デザイナーをしている赤月瀾が作った、オリジナルキャラクター・世界観プロジェクト。
全て繋がった世界観で
現在4つの物語を展開中
“あかつきなみ”の“月並”なプロジェクトです。
(全て笑うところ)
大学で学んだデザインの真髄
「デザイン」と聞いて何を想像するだろう。
“カッコイイ”ロゴ
“かわいい”パッケージ
“キレイな”プロダクト
すぐに思い浮かぶのは
そんなイメージかもしれない。
もちろん、これらも素敵な「デザイン」の一部だ。
けれど、私が大学で学んだ「デザイン」の本質は、そういった[加える]デザインではなかった。
「デザインの本質は[補う]こと」
私が大学でデザインを学んでいた時、私の恩師ほか多くの先生が口にした言葉が、この「デザインの本質は足りないを[補う]こと」だった。
多くの人がそう思っているが、
それはデザインの全てではない。
クライアントの提起する問題の本質を見抜き、それを解決する。
これこそ、デザイナーの真髄であり、いま、デザイナーに求められている能力だと私は思うのだ。
しかし、問題がある。
欠けたピースを埋めるのは、目立たない
デザインだけの話ではないけれど、
世間に取り沙汰されるものといえば
“新しい”もの
“目立つ”もの
“強烈な”もの
そんなものばかりだ。
しかし。
“新しい” “目立つ” “強烈な”
“派手” なものだけが、
この世の中全てではないのである。
“YouTuber” や “アイドル” だけでは世界は回らない。そして、“営業” “企画”だけでも会社は回らない。
世界には“エッセンシャルワーカー”が必要であるし、“総務” “経理”がいないと会社が立ち行かないのだ。
けれど、みんなその存在を意識することはあるだろうか。
この「当たり前」がどんなに大切であると、生活の中で意識する人はどれくらいいるのだろうか。
意識していないものほど
生活に馴染んでいるものほど
大切なんじゃないだろうか
人にとって「当たり前」が本当に大切なことだと、おそらく多くの人がこのコロナ禍で気付かされたと思う。
「当たり前」は足りないときだけ注目される。「当たり前」は目立たないくせに大切な存在なのだ。
デザイナーは「当たり前」を作る仕事だ。
欠けていたことで生まれていた“違和感”。
それを“デザイン”で“新しい無意識”に変える。
「当たり前」を生み出す。
これこそ、デザインの真髄だと、私は大学で学んだ。
ある商品を売るために、その商品の“かっこいい”パッケージデザインを作るより、その商品の良さついてクライアントよりも理解し、販売ターゲット・有効な広報戦略などを考え、それに沿った、その商品が“ずっと愛される”ための“ピースにハマる”デザインを提供すべきなんじゃないだろうか。
きっかけ
最近の“ヲタク”コンテンツに感じた違和感。
話は変わるが、私は「物語」が好きだ。
幼い頃は父が語り聞かせてくれる「泣いた赤鬼」が好きだったし、ジブリの「風の谷のナウシカ」に出てくるナウシカになりたくて、アイロン台をひっくり返してメーヴェの真似をしていた。
更にいえば、Disneyの「アラジン」「メリーポピンズ」なんかのビデオを1日に4回、それも毎日見るほど好きだった。(両親がセリフを丸覚えしてしまうほど見ていた 笑)
小学生になってからは「ローワンと魔法の地図」、青い鳥文庫の「パスワード」シリーズなど、たくさんの本を読み漁った。映画もたくさん見た。
そんな風にして育ったので、私の頭の中は、昔も今もたくさんの世界観で埋め尽くされている。
そして、その「物語」たちが今の“私”の血肉になり、“私”を形成していると言っても過言ではない。
そんな私が「クールジャパン戦略」として掲げられている「アニメ」「萌え文化」にハマらないはずがなかったのだ。
が。
ハマっても、すぐ飽きた。
ハマっても、いつの間にか、すぐに私の人生から疎外されてしまう、という経験を何度も繰り返した。最近見た多くのものが、自分の中の「当たり前」にならず、いつの間にか廃れていってしまうのだ。
幼い頃に見ていたものの方が面白かった、と思わせる一種の“思い出補正”は大いにあるのかもしれないが。
自分の血肉になるものと、過ぎ去っていくもの。
少なからずそういった違いがあったのは確かで、殊最近は、過ぎ去っていくものばかりになった。
その違和感に答えが見つかったのは、大学を卒業して、社会人となってからであった。
「文化」と「流行」の違い
そう。昔見ていた「アラジン」や「風の谷のナウシカ」は私自身の「文化」となり、一瞬ハマって私の人生からすり抜けていったものは「流行」だったのだ。
自身の「文化」となったものは、教訓や人生観など、自分の血肉になると感じる部分が少なからずあった。そして自分の心の隙間に“ピースをはめてくれる作品だった”ように思う。
一方、私の人生から「流行」として過ぎ去っていったものには、一貫して特徴があった。
これは“ファンタジー”だから
最近見たキャラクターコンテンツで、韓国語を話す韓国出身という設定の男の子のキャラクターがいた。年上を呼び捨てにするし、敬語も使っていなかった。
これは“ファンタジー”だから、現実にある儒教の教えと相違があっても問題ない。
そうだろうか。私は少なからず違和感があった。
韓国では年上の人に対しては、たとえ身内であっても敬語を使う習慣がある。年上の人を呼ぶときだって、いくら親しくても、大抵「ヌナ(姉さん:男性から年上の女性を呼ぶ時)」「ヒョン(兄さん:男性から年上の男性を呼ぶ時)」と呼ぶものだし、韓国における “儒教の教え” はとても大切な価値観で、韓国では小さい頃から厳しく敬語の使い方を習うものだ。
またあるライトノベルでは、“賛美歌” として歌われる歌詞に「俺」という一人称が使われていた。違和感があった。
これは“ラノベ”だし、“ファンタジー”なんだから、いちいちツッコむ方が馬鹿。
馬鹿なのは認めよう。しかし、違和感があるのだからしょうがない。
確かに、その世界観の言葉を日本語に翻訳したら「俺」という言葉になった、という解釈なんだろうと思う。
しかし。
意地悪な思考ではあるけれど、“視聴者に解釈させる手間”のある描写ってあんまり良くないんじゃないか? と疑問を呈してしまう自分がいるのも本当である。
けれど、きっとこれが大衆の需要に合った内容なのかもしれない。そう思う自分もいる。
たとえ、それが現実社会に勘違いや在らぬ倫理観を植え付け、“違和感のあるピースを人の心にはめる”内容だとしても。
消費者・クライアントは神様
デザイナーとして仕事をしている人ならだれでも思うであろう。
「それ、本当に大丈夫?」
クライアントの言葉に従うことこそ、デザイナーの仕事。でもそれってちょっと「ん?」って思うとき、正直あると思う。
トンマナが守られていない
文字が小さくて読めない
フォントが入り乱れている
画像の解像度が足りない
内容を詰め込みすぎている
本当は、デザイナーの意見の方が真っ当なことだってたくさんあるかもしれない。でも、クライアントは神様なのだ。
現実社会で、デザイナーが、クライアントの提起する問題に対してその根本的な解決につながる提案をしても、それが採用されることはほぼないと言っても過言ではない。
観光地の看板は景観を無視して目立った方がいいし、菓子のパッケージはキャラクターがメインに居座っていた方がいいのだ。
それが「物語」の世界も同じになっているのが、とても悲しかった。
消費者は神様なのだ。
消費者が見たいものを作り、
提供を集め、展開する。
じゃあ、もし。
消費者の見たいものが、倫理規範から外れた嘘まみれの“流行”だったら。
そればっかりでいいのだろうか。
『TSUKINAMI project』で
目指すこと
“なろう系” “乙女向け”の皮を被った
“デザインの大実験”
消費者のニーズを満たす
×
大幅な展開を視野に入れる
×
誰かの心の隙間に“ピースをはめる”
「物語」を作りたい
理想論だけじゃ何にもならない。
消費者のニーズが最優先。
経済も大事。
じゃあ、
全部叶えたら?
どうなるんだろう?
それをデザインしてみたい。
それが
『TSUKINAMI project』
そう。
独りよがりな企画である
挑戦した“ニーズ”
下記、物語に織り込むことを挑戦している消費者の“ニーズ”である。
最近のライトノベルやいわゆるヲタクコンテンツで人気があると思しき“なろう系” “乙女向け”に焦点を当てた。
!注意!
作品を純粋に楽しみたい方は
以下を読み進めないことをオススメする
・転生(生まれ変わり)
『TSUKINAMI project』は物語に登場するキャラクターのほとんどが異世界(過去の世界とも考えられる世界)から転生した存在である。
そう。異世界“から”転生した存在である。
あんまりにも異世界“へ”転生ばかりするものだから、世界の均衡が崩れて『TSUKINAMI project』では異世界“から”転生する人間が大量に発生したのだ。
作中で本人達が“転生”に気付くか、気付かないかはお楽しみ。
・乙女向け
男の子ばっかり出てくる。しかもみんな過去にいろんなもの背負ってる。
だからとってもセンチメンタルだし繊細である。そして女の子にも興味があるけど仲間が大好き。ブロマンス風味。
だって、外界と接触を断たれた国家機密組織員だから仲間しか信用できないし、アイドルとして“交際禁止令”が出てるから仲間と遊ぶしかないんだもん。
・チーレム (チート・ハーレム)
「貘 —平凡な俺が、実は聖女アイドルを守る神官様だった話—」にてハーレム生成を予定している。作中の主人公「寿佐丞(ことぶき さじょう)」はひょんなことから幼なじみのマネージャーとして働くこととなり、その幼なじみは転生前では神を守る巫女(聖女)であったことがのちに判明する。
そして主人公は彼女達を最強な力でとりまとめる神官であったことも判明してしまう。神を守る巫女(聖女)がたくさん出てきてハーレムになる。みんな可愛い。アイドルだから。
・アイドル
日本のオタクコンテンツのキャラクターは、みんなアイドルになりたがる。なのでこの企画も便乗する。しかし、なぜアイドルなのか。それには『TSUKINAMI project』の場合、きちんと理由がある。突然歌い出したりしない。彼らは転生前は“生贄”と“巫女”であったのだ。現代のアイドル像のメタファーを込めている。
・ゾンビ
この『TSUKINAMI project』における肝、人を襲う赤い怪奇。「猩々(しょうじょう)」「丹(たん)」と呼ばれる謎の物質に人間が近寄ると、自らの思考を失い“生きた屍” “歩く死体”となってしまう。
これと戦うのが『鴉 —人類の脅威は、恍惚な聲で人を喰らう—』に登場する機密組織「丹電子障害警衛委員会(たんでんししょうがいけいえいいいんかい)」である。
無駄に大きな展開を視野に入れる
様々な商業展開に発展した際に、物語の世界観とグッズ各種のイメージに矛盾が生じるのは多くのコンテンツにおいて、よくあることのように思う。
その“違和感”をなくしたい。
正直、このプロジェクトがそんなに大きくなると思えない。けれど、夢は大きく持とうと思うし、駄目元でも本気で頑張っていこうと思う。
元来デザイナーなので、こういった“穴埋め”が好きなのだ。
・C.V.大事
C.V.(キャラクターボイス)は大変重要である。そして、キャラソンは超重要項目である。
したがって、プロジェクトにかかる音楽(キャラソン)の制作が着手された場合、かなり重要な項目になるはずである。
そのため、“アイドル”を登場人物とし、音楽(キャラソン)が発売されても世界観と矛盾がないように企画した。
また、主要キャラクターが機密組織である『鴉 —人類の脅威は、恍惚な聲で人を喰らう—』では、人造言語による宗教団体の賛美歌を歌わせる予定である。
敵対していると思われた宗教団体と機密組織員達の間にある、意外な関係性。それが彼らの歌声に——、おっと、ここまでのようだ。
・デザインにこだわる
最弱であるが私もデザイナーの端くれなので、汎用性のあるロゴやデザインを用意した。
また、キャラクターの衣装も“現実で着けてても違和感がない”ものを多く取り入れている。テキスタイルもこだわった。
ぜひキャラクターの身につけているものと同じものを身につけて楽しんでほしい。
また、キャラクターの身につけている様々なものに意味を込めている。
「かっこいいから」ではなく「この模様に意味がある」というデザインに仕上げているつもりなのでぜひチェックしてほしい。
・占いカフェ
『鴉 —人類の脅威は、恍惚な聲で人を喰らう—』の機密組織員達は『Dawn』という占いカフェを営んでいる。食べ物のコンセプトは、開運。占いの効能を調べたメニューは、既にリストアップ済みである。
コラボカフェできたら嬉しいな。そんな淡い期待を込めた設定だ。
もちろん、機密組織員なのになぜカフェなんて営んでいるのか。理由もきちんと存在する。詳しくは本編を読んでほしい。
誰かの心の隙間に“ピースをはめる”
これはもはや、自分で決められることではなく、この一連のプロジェクトを見た人が決めることだ。
なので、意気込みだけ下記に記述したい。
意気込み
人の気持ちに寄り添う物語を作ること。
私が「物語」を愛している理由。それは「物語」は人の心の隙間に“ピースをはめる”ものであるからだ。
悲しいこと、大変なこと、辛いことがあったとき、たくさんの物語が私を叱咤し励ましてくれた。まるで、心の隙間に“ピースをはめる”ように。
目に見えない大切なものを思い出させ、新しい価値観を発見するチャンスを与えてくれ、何かをする勇気をくれた。
誰かの背中を押す一助になる「物語」を、私も作りたい。
そんなに大それたものを作れるのか。努力半ば、どころかもしかしたら半歩も踏み出していない私は不安に潰されそうではあるが。
それでも、私が作った物語が誰かの心の隙間に“ピースをはまって”人の気持ちに寄り添えるものとなったら、とても嬉しい。
以下、その気持ちを体現するために考えた仕掛けを一部紹介したい。
・独自の世界観
大きな特徴は【特殊な宗教観】【人造言語】。ほか、世界観全体・地理・国家組織に大きくスポットを当て作成した。
詳しくは『【鵺】イラスト付設定集 from TSUKINAMI_PJT』をご覧いただきたい。
なお、この世界観設定は『二次創作歓迎』としている。(著作権は赤月瀾に帰属)。この設定でいっぱい遊んで「文化」にしてもらえたらとっても嬉しい。
原作も明記してもらえると、とっても嬉しくて涙が出る。
・特殊能力
「振響(しんきょう)」「同調・共鳴」という能力がある。
遺伝子で引き合わされた相棒と行う「猩々(しょうじょう)」「丹(たん)」を倒すための特殊能力である。
実はこの能力、人の心に深く関連付けられた仕掛けがあるのだが——
詳しくは下記のページから。
・考察しがいのある設定
たくさん用意した。
全てをここで言ってしまうとネタバラシが過ぎるので割愛させていただく。
「物語の各話の数字・一文字目」「人物の名前」「語源」「色」とだけ述べておこう。
そして、物語は全て繋がっている。
・人造言語
全て手作りである。
文法など法則を守り、矛盾のないように制作している。
製造方法は内緒。しかし「ハングル」というヒントだけお伝えしておこう。
『Jl Soi ngwa Be-kboGwill haog l』
(私は、あなたを見ています)
さいごに
はじめに。
ここまで読んでいただき、
誠に感謝申し上げる。
当プロジェクトは独りよがりのプロジェクトだ。
しかも、まだまだ作りかけ。実力も足りない。それでも、自分で始めた大実験である。最後までやり抜きたい。
現在は主に世界観の軸となる関連小説の投稿を行なっている。
もし、面白いと思っていただけたなら、近くの人や、ツイッターなどのSNSで宣伝してくれたらとても嬉しい。
誰かの心に寄り添える「物語」を目指し、一生懸命、学びながら、制作を続けたいと思う。
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