斜陽とチョコレート
2月20日の夕暮れは
風が冷たく静かです
机の左はじの方
まだそこにあるチョコレート
悩ましく居座る西の部屋
丁寧に結んだリボンを
するすると引っ張ると
あっけなくほどけて
西陽にぽそっと落ちていく
いつの間にか暮れた日の
名残の優しいオレンジが
世界を等しく包んでく
嫌な気持ちの大半は
向こうの方からやってくる
好きな気持ちの大半は
探してやらなきゃ見つからない
私はチョコの蓋を開け
綺麗に並んだ一粒を
乱暴に
思い切り口に投げ入れた
ゆっくり歯の熱で溶けるチョコ
なかなか美味しいのにな
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