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ペルーレイル最前列の車窓から


昨今、無性に旅へ出たくなる。
というほど根っからの旅好きなわけではないけれど、なかなか出られない状況がつづくと途端に旅がなつかしくなる。

旅の写真を見返していたら、私史上、最大級の幸運にめぐまれたできごとをふと思い出した。清水寺で2回連続で凶を引いた翌日、三千院でさらに凶を引いたという、アンラッキーな人間に舞いおりた奇跡。


それは、マチュピチュへ行くために乗った電車、ペルーレイルでのことだった。

自分で直接予約をしたので、指定席が取れているのかも半信半疑のまま電車に乗り込み、チケットに記された席番号をうろうろと探した。

すると、なんと。
先頭車両の最前列だったのだ! 

普通の電車なら、客席の前に運転席がある。でもペルーレイルは観光列車だからか、2席だけ、運転席の隣に客席がもうけられていた。

運転手と同じ景色。

前も横も、ガラス張りの大スクリーン。
迫りくるパノラマ。

あの日の興奮を胸に、ペルーレイル最前列の車窓からもう一度、旅へ出発してみようと思います。


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といいながら、前日のクスコより。

標高3400mのクスコ。
町の中でも特に標高が高いところなんだと、タクシーの運転手さんが連れて行ってくれた、クスコ郊外のどこかの山。
空気が格段にうすい。
野犬のたくましい姿にしばし見惚れる。

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その後、ペルーレイルの発着駅であるオリャンタイタンボ駅へ移動し、駅にほど近いホテルで夕食。

アルパカに会いに来たはずなのに、その前にアルパカを食べることになってしまった、胸のもわもわ。

それにしても、付け合わせのミントライスを、自分の体があまりにも喜んで食べているのに驚いた。ミントは消化の働きを助けてくれるので、標高の高いこの地ではよく食べられるのだそう。おいしいと感じるのは、体が求めているからなんだと、あらためて実感した。

アルパカステーキ



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いよいよ当日の朝です。
宿泊した部屋の窓から駅までの、この距離感。

ホテルより


いよいよ、乗り込みます。
冒頭のように、まさかの先頭車両、最前列という奇跡。
興奮のあまり、出発前に写真を撮りすぎて、いきなりカメラのメモリーの危機(整理してなんとかしました)。

出発前


もらった軽食と、線路と、山々の図。

弁当


早朝の牛たち。

うし


通学時間かな。

日常


逆行きとすれ違う。ここだけ複線。

ペルーレイル


シンプルなトンネル。

トンネル


川に沿ってすすむ。絶景です。

川



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あっという間に、マチュピチュ村に到着。

ここからマチュピチュの遺跡までは、バスで山を登っていくのだけど、このマチュピチュ村の空気があまりにも心地よく、数泊することにした。

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村の温泉でひと息。

マチュピチュ温泉


村の市場を守る人びと。

お店のひと


守る犬。

くろいぬ


性格は違うけど、仲よしふたり。

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街角の案内人。

マチュピチュ村 ねこ



旅は、途中が楽しい。何でもそうかもしれないけれど。

車窓から見える暮らし、知らない町での人びとの暮らし。
いろんなところで、いろんな人が、いろんな工夫をしながら暮らしている。
そこで生活する人びとが、それぞれの場所を守りながら、守られている。

そんな空気を感じさせてもらえるから、私は旅が好きなのかもしれない。








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