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natsuki羆便り

野生動物との共生について、どのように考えますか?

先日、富良野市から三笠市方面の道(60km)を車で走っているときに、4回もキタキツネと遭遇した。
この道は普段からよく使うのだが、こんなにも動物と遭遇したことが無かった。しかもガリガリに痩せていた。

原因は、観光客等が車から食べ物をキツネに与えているからであろう。

一度でも食べ物を与えられた動物は
「車に乗った人間」=「エサをくれる生き物」と認識し、車を見つけると近づくようになる。キツネに限らず野生動物全般に言えることだ。

人間の食べ物というのは、自然界のモノよりもカロリーが高く、何より狩りや探索をせずに食べ物を得られるので効率がいい。人間も動物。効率が良く、楽な方法や行動をとると考えられる。この野生動物の学習によって人間にとって都合の悪い問題がいくつか発生してくる。
例えば、車による轢き殺し(ロードキル)や、人に慣れてエサを求めて平気で街に出てくるだろう。感染症(エキノコックス症等々)も心配だ。
だが、ここまで考えて生活している人は殆どいないのではないだろうか。「知らなかった」「かわいそう」「食べ物を欲しそうにしていた」といった私たち人間主観の視点だけでは、野生動物の命を奪ってしまうことに繋がる。更には、人間にとって害のない動物だったのが、私たちの行動によって、害獣として扱われようになっているかもしれない。

北海道ではこういった問題が顕著に出ている。世界自然遺産である知床では、ヒグマと人間の共生の在り方が大きな問題となっている。人間と野生動物の距離感というのが地域によっては非常に難しい。
お互いの生活環境がどこまでの範囲なのかを人間側が意識しながら生活することが重要なのではないだろうか。

知床の鮭を食らうヒグマ

北海道旅行に来た際には自然を全力で楽しんで頂きたいのと同時に、自然についてもよく考えてもらいたい。同じ生き物として、同じ地球に生きる仲間として。

雨の日に出会ったキタキツネ

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