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詩日記

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日記のようなもの。
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#詩

美しさに対する憧憬とそれを嘲笑う心象風景

都会に蔓延する人工の光が何かの犠牲の上に成り立っているのなら
それは人間の感情なのかもしれない
田舎に光が足りないのはそれははっきりと希望だと言えるのだけれど
都会には欺瞞の希望しか残っていない
だからコンピュータの中で人々は希望とか感情とかを吐き出すようになった
本当の希望に吐き気を催してしまう薄暗い殺意にウンザリするけれど
それをやめてしまえば自死を選択するのと同様でせめて
人それぞれの希望を

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思いの肥大と思われの要求

 蛙化現象という言葉を最近よく聞くが内容を読むとそれは違うんじゃないかって思う。
 恋人のパートナーのダメな部分を見ると冷めてしまい別れてしまったりする。単純に書くとこういうことなのだろうが、それは昔からよくある話ではある。今更そんな言葉が流行るのはまさに歴史を繰り返す。そういえばその昔その言葉本当に流行った気がする。違う世界線の記憶かもしれないけれど。とにかくそう、実際付き合ってみて二週間くらい

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めまいをはなて

人は平均睡眠時間が4時間くらいになると目眩を起こすようになるのか。初めて知ったかもしれない。
それからあまり食事も摂らないのもきっとよくないのだろう。
きちんと食事を摂る。睡眠もちゃんと取る。清く正しく美しく。清らかな肉体と清らかな精神と。体調が良くないと人と喋る気にすらない。うまくいかないものだ。相変わらず。

そんな7月の始まり。とは言ったもののすでに6日経っているが。何も考えたくないのに何か

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終わるということ

街の本屋が潰れ長いこと景観としてそこにあったものが一瞬で更地になった
季節の移ろいのように人々は通り過ぎていくけれど僕は手を合わせて祈った

昭和の名残だなんて言葉に多少のイラつきと侘び寂びを複雑な感情を持ったまま更地になったその空白に何が生まれるのだろう

全てがうつろい続ける世界で古臭いものを古臭いと嘲笑することも重要な生の証明と尊厳を思う必要もある

機械化にうまく対応できない老人を笑う前に

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