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「大丈夫だよ。」は禁句 | 子育てからコミュニケーションを学ぶ

「大丈夫だよ。」あまりに普遍的で使い勝手も良く、特に深い意味も考えず、日常的に使っている言葉ではないだろうか。しかし、それは時に人を傷つけてしまったり、ネガティブな印象で伝わってしまうこともある。

これはデザインや建築とは直接関係のない話かもしれない。しかし、人とのコミュニケーションを円滑に取っていくこと、誤解を生まず思いを正確に伝えるということは、他人と協働でプロジェクトを進めていく上でも、プライベートにおいてもすごく重要なことだ。だから今回は、自分のプライベートでの体験を踏まえて、自分への戒めも含めて、書きたいと思う。

多動気味の娘

僕ら夫婦にとって初めての子供が生まれて1年半か2年が経った頃、妻は少し不安定になっていた。成長が早かった娘は、体も大きく、元気よく動き回る活発な子だった。色んなことに興味を持ち、じっとすることが出来ずにあっちへ行き、こっちへ行き、あらゆものに手を出し触り、口に入れる。誰彼構わず積極的にアプローチしていく、ある意味制御不能だった。

しかし、今となっては、そんな時期もあるよねー。くらいに流せる話ではあるのだが、一人目の子。全てが初めての経験で、少しずつ余裕がなくなっていた妻にとってはそうではなかった。同じ月齢の子と比べると、あきらかに落ち着きがない。周りの母親からは、この子はちょっと多動気味かな?とかも言われたりもした。そんなことが重なり、妻は、うちの子は本当に大丈夫だろうか?と心配したり、自分の子育てが悪いのかな?と自分を追い詰め、不安になっていた。

一方僕は、子育てにも積極的に参加し、落ち着きのない娘の状況も理解していた。しかし僕自身は、まったく心配していなかった。このくらいの年齢ならこんなものだろう。特別おかしな事ではない。なんだったら好奇心旺盛でいいじゃないか。多動?これからの社会を生き抜くにはそのくらいがちょうどいい。くらいに思っていた。

心配する妻。なんとも思わない夫。
(子育てに限らずよくある構図だ。笑)

反転する意味

そんな状況の中で妻は、今日はこういうことがあった。娘があんなだった。こんなっだった。あんなことをした、こんなことをした。などなど、その日の出来事を少し不安気に、僕に話してくれていた。でも僕から出てくる返事は、

「まあ大丈夫だよ!」

もちろん僕は適当に返事をしているわけではなく、この状況をポジティブに考えよう、この子は全然問題ないよ!このままで大丈夫。心配ない。という意味合いを込めているつもりだったが、妻はそう捉えていなかった。

否定さている。

なんで大丈夫なのか説明もなく、ただ「大丈夫だよ。」の一言。

なんでこの不安の気持ちをわかってくれないの?
何が大丈夫なの?
大丈夫ってどういうこと?じゃあなんで私は不安なの?
不安に思う私がおかしいの?

まるで自分の気持ち、自分自身を否定されているように感じていたらしい。だから悲しく、辛さや不安が増してしまっていた。僕にとっては、ポジティブな意味を込めていた「大丈夫だよ。」が、思いも寄らない形で捉えられ、変換され、妻に伝わっていた。

妻が欲しかったのは、安心やその根拠や理屈でもなく、共感だった。「そうだよね。」「大変だよね。」の言葉が足りなかったようだ。

数年後の答え合わせ

そしてその事を、娘が成長して少し落ち着いてきた数年が経った時、二人で晩酌を楽しんでいる時に教えてくれた。

妻『今はしっかりした子に育ってくれて安心したけど、あの時は心配だったなー。』

僕『だからあの時から「大丈夫だよ。」って言ってたじゃん。』

妻『いやいや。あの当時、その「大丈夫だよ。」が腹立ったんだよ。』

僕『え!?そうなの!? なんで!?』

妻『なんで大丈夫なのか説明もないし、適当な相槌されているように感じたし、心配している自分を否定されてるように感じた。』

僕『ええ!?そんな感じに変換されちゃってたの!? こっちとしては色々考えて、この子は問題ない。そういう時期なだけだから心配しなくても大丈夫だよ!って、励ましてるつもりだったけど。。」

妻『あの時はそうは受け取れなかった。。』

僕『そうなんだ。。じゃあどうしたらよかったんだろうね?』

妻『まずは私が心配してることに対して、共感して欲しかったかな。あとは“なんで”大丈夫なのか、“なにが”大丈夫なのか。の説明が足りなかったんじゃない?』

僕『なるほど。たしかに。。』

妻『あなたはいつも説明が足りないから。』

僕『はい。。ただの「大丈夫だよ。」は禁句にします。』

と言った具合に。

これはあくまで岡田家のケースだが、内容は違えで同じようなことが、おそらくどの家庭でも、または職場でも生まれているミスミュニケーションではないだろうか。長年一緒にいる夫婦だとしても、行間に誤解が生まれること。きちんと理由や目的を丁寧に伝えないと、勝手に意味まで反転させられてしまう可能性があること。そんなコミュニケーションの大切さと難しさを子育てから学べた気がする。

みなさんも「大丈夫だよ。」には気をつけましょう。笑


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