二拠点生活までの道のり。その3_ 独立準備

暮らしと仕事は密接に繋がっている。働かなければ生活が成り立たない。けれど、働いてばかりの暮らしもつまらない。二拠点生活と聞くと、都市と地方の両方の暮らしを楽しめそうだけど、仕事はどうしているのだろう？と疑問を抱く人が多いのではないだろうか。

「二拠点生活までの道のり。その1、その2」では、二拠点生活を目指すきっかけや、実現に向けて出来るだけ身軽にしておく重要性について書いた。今回はそこから一歩踏み込んで具体的にどういった準備をしてきたのかに触れていきたいと思う。

独立 or リモート

今回は仕事についてだ。二拠点生活を始めようとした時に、まず気になるのが仕事だと思う。都市と地方を移動しながら、今の仕事は続けられるのだろうか？会社は理解してくるだろうか？転職しなければ無理なんじゃないかな？？色々な不安や疑問が生まれてくる。

今では職種や会社によっては、リモートワークなどが導入されているので、少しイメージは湧きやすくなったとは思う。しかし、僕が準備を始めた2010年頃にはそういった働き方は想像もできなかった。そして実のところ、現在でも大半の人や企業はコロナ以前のまま、リモートとは程遠い働き方に戻っているのではないだろうか。

では、そういった状況で二拠点生活を実現するために、働き方をどうしたらよいのか。

当時の僕の選択肢はひとつしかなかった。それが独立することだった。そこには当然リスクも付いてくるが、その代わりに自由が手に入ると信じていた。どこで仕事をするのか、いつ仕事をするのか、はたまた仕事をしないのか。自分の意思で決定できる。

僕は建築家として独立した。建築家という職業は基本的にはクライアントワークである。だから、すべてが自由になるわけではない。お客さんの都合やスケジュールに合わせたり、すこし無茶な要望に付き合うことも珍しくない。しかし、それでも独立すれば、働き方のスタンスは自分で決められる。やり方次第で、自分の時間を生きることができるのだ。

建築家・デザイナーとして独立する場合の多くは、独自の作品性を追求したり、自分なりのアプローチで建築やデザインと向き合いたいと思って、独立する人が多いと思う。しかし語弊を恐れずに言えば、僕は少し違う。もちろんそういった思いもある。しかし、半分は二拠点生活のためと言っても過言ではない。僕は理想の暮らしを実現するために、建築家として独立したのだ。

仕事のために暮らしを合わせるのか、暮らしのために仕事を合わせるのか。の違いなのかもしれない。

とはいえ正直なところ、建築家として独立することは、建築の道を志した時からイメージしていたことだったから、僕にとっては自然の流れでもあった。でもそういった姿を想定していたからこそ、二拠点生活も容易にイメージできて、目指すことができたのかもしれない。

少し時間を戻すと、2010年にイタリア留学から帰国し、二拠点生活を思い描き始めた時、僕は浜松の実家で就職活動をしていた。将来的には独立することを想定した就職先を探していた。具体的にはアトリエ系の事務所を目指した。組織系の事務所と違って、給料も少なく、労働時間もおかしなことになっているのは知っていた。

それでも僕はアトリエ系の事務所を選択した。それは独立に必要なスキルを得るためであり、二拠点生活実現のための修行期間と捉えていた。もちろん安定した企業にいることがリスクだ。みたいな考え方もあったけれど、それは前回に思う存分書いたので、よければこちらも。

今は働き方も多様化している。だから二拠点生活を目指すにあたって、必ずしも独立を目指す必要はないかもしれない。けれど、少なくとも精神的には独立する必要はあるだろう。

二拠点生活を継続していくには、時間と居場所を自分で上手くコントロールしなければならない。そのためには、周りの目や常識と戦う瞬間も多々訪れる。それでも周りに流されず、自立して、理想の暮らしを目指す姿勢や行動が求められる。

二拠点生活の条件を整えるのは、それほど難しくない。あとは気持ちだ。強い信念を持って、二拠点生活が暮らしを豊かにすると信じて行動する。そのためにも僕は、仕事的にも精神的にも独立することを強くお勧めする。

まあ僕程度の人間でも出来ていることだから、勇気とちょっとした鈍感さを一時にでも捻出すれば、だれでも出来るということだけは間違いないだろう。

次回は、家族を持ちながら、二拠点生活を実現するためにどんな準備をしたかについて書いてみたいと思う。テーマは妻探し。

今後もnoteを1週間に1回くらいのペースで、書き続けていきたいと思いますので、良ければハートマークをクリックして「スキ」を、そして「フォロー」もお願いします！すっごく励みになります！！

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