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株価暴落時の狼狽売りは危険

株価が暴落した時、この世の終わりが来るような気がして狼狽売りをする投資初心者は多いようだ。初心者が売り終わると株価が急に戻る、という場合も少なくないので、慎重に判断したい。

まず、「株価が1割下がったら老後資産が足りなくなる」といった運用をしていると株価下落に際して狼狽しやすいので、そうした運用は慎しみ、株価が3割下がっても耐えられる程度の金額の投資に止める事である。

その上で、株価が大幅に下落している場合には原因を考えよう。バブルの崩壊が始まった場合や、戦争などが始まった場合には、株価がどこまで下がるかわからないので、急いで売却する方が安心だが、単に市場の雰囲気が楽観から悲観に変化した事で株価が下落しているなら、落ち着いて相場の戻りを待てば良い。

市場が楽観から悲観に変化しただけで株価が大きく下落するのは、株価の下落が更なる下落をもたらすメカニズムが働くからである。「銀行からの借金で株を買っている投資家が、不安になった銀行から返済を迫られて泣く泣く株を売却する場合」、「機関投資家が担当者に損切りルールを課しているため、一定以上の損を出した担当者が持っている株を全部売る場合」、「上記のような不本意な売り注文を予想して、先回りして投機家が売る場合」、「株価の大幅下落に耐えられなくなった投資初心者が狼狽売りをする場合」、などである。

こうした売りが終わると、相場はスルスルと戻る場合も多い。売りたい人が売り終わり、空売りしていた投機家が買い戻す際に売り注文と出会わないからである。

狼狽売りをしたら急に相場が大きく戻した、といった目に遭わないように、気をつけたいものである。


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