潜在成長率は一定ではなく、景気回復で上昇するメカニズムあり

潜在成長率とは、完全雇用で設備稼働率も100%の時に、技術進歩や人口増加などによって、どれだけ経済成長できるのか、という推計値です。

景気が悪い時は、省力化投資が行われませんから、労働生産性が向上しません。したがって、潜在成長率の推計者は「日本は労働生産性が向上しない国なのだ。そうであれば、人口も増えそうもないし、潜在成長率は低いはずだ」と判断します。

しかし、景気が回復して労働力不足が深刻化すると、企業が省力化投資を始めますから、日本経済の労働生産性が上がり始めます。そうなると、潜在成長率の推計者は「日本は労働生産性が向上している。この調子なら、失業者がいなくなっても成長を続けることは可能だろう」と考えます。

そうです。潜在成長率は、景気が回復すると上昇するのです。「潜在成長率は、景気に関係なく一定だ」と思っている人が多い(というか、それが定義であるはず)のですが、そうでは無いのです。バブル崩壊後の長期停滞期、日本は潜在成長率が低いから・・・と言っていた人々は、驚いているかも知れませんが(笑)。

所詮はバックミラーを見て今後を占っているようなものですから、その程度のものだと思って扱うことが必要ですね。

https://comemo.io/entries/2092

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