ひとまず「湿度が高い」せいにしておく
そして再び、例の時間が訪れてくるのであった。
PCの画面を前に、一通り記事にするための単語を羅列している。だが、なかなか文章へと形成していくまでには、どういうわけか先が見えないと感じていた。
あーでもない、こーでもないと自問自答してみるも、そこからまったく先に進めない。一旦適当に並べた言葉を抹消し、思考を変えて別のお題を考えてみようと試みるも、やはり…というかどうしても言葉が降りてこない。
嗚呼…今回も今回とて、己自身と対立する時間が訪れてしまったらしい。そう思えば、今日こそは言語化するどころか、一つも単語を揃えるのは難しいと諦めがつく。ならば潔く投了して、また明日になってから考えればいい。
…と、冷静に分析する余裕が、この時はほとんどなかったのである。そんなことより今日は無性に、自分の身体に「何か」がまとわりついているような感覚を覚えていた。
ちなみにこの日、私は昼間から用事があって外出していた。先日までしばらく曇り空が続いていたのに、こんな時に限って朝から汗ばむ陽気であった。そんな中、身体いっぱいに熱波を浴びたおかげで、地味に汗をかいてしまったのである。
家に戻ってきたのは、夕方にさしかかる前の時間帯だった。普段なら日没の時間になってシャワーを浴びるが、汗でベタついて鬱陶しくなっている身体をなんとかしようと、すぐさま風呂場に駆け込んでいた。
ここ直近では、外気温は30度を行ったり来たりしている。それに伴い、ここのところエアコンを付ける機会も時間も、徐々に増えてきている。連日、外も外で蒸し暑い日が続いており、室内も屋外とほぼ同じ温度に差し迫ってきている。
このまま7、8月と夏本番を迎えたら、さらに暑くなるのは間違いない。この程度でたまったものではないと嘆いていたら、今年の夏も無事には越せないことだろう。
そうしてスッキリしていたにも関わらず、言葉を落とし込む気力が湧いてこない。ほぼお手上げ状態のまま、部屋の中に設置している温度計に目をやる。エアコンは正常に稼働しており、気温は30度を超えてはいなかった。
だがしかし、そのうえに表している湿度は、70%を示していた。成程、道理で部屋中に冷房をかけていても、その「何か」が身体中に纏わりついている感覚に陥っているわけだ。
ここでなぜか我に返るようにして、冷静さを保てるようになったと同時に、一つの結論に辿り着いたのである。仮に辿り着けなかったにしろ、たぶん此処で記事が書けない理由を、無理矢理託けていたかもしれない。
それは部屋の湿度が異様に高いから、集中力が鈍って言葉や文章に出せなかったのだ、と。
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