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アカとクロで染まったRとB

私がはじめてTM NETWORKを聴いた楽曲は「Get Wild」ではなく「RHYTHM RED BEAT BLACK」であった。

小学生の頃に、両親が昔流行っていた曲を録り溜めていたカセットテープを漁っては、ダブルラジカセを用いて聴き流していた憶えが今でも残っている。

『46』という数字が記されたその一枚には、KANの「愛は勝つ」や小田和正の「ラブストーリーは突然に」といった90年代を象徴する楽曲を中心に収められていた。

しかし、それと一緒にケースに入っていたインデックスには曲名しか書かれていなかったために、タイトルだけは知っているけど誰が歌っているのかさえわからずにいた。

しかもこの当時は「Get Wild」を耳にしたことが一度もなければ、TM NETWORKというグループすらまったく知らないままであった。

テレビやラジオでふとした時に取り上げられるのを待つ以外に、自ら動いて調べる手段がまずない。

仮にあったとしても、偏った情報をあてにしてCDレンタルショップに足を運んでは長い時間をかけて、片っ端から探し当てるといった方法ぐらいしか思いつかない。

もちろんそこまでの気力や熱量などは、小学生の時点で持ち合わせていない。ただその年ぐらいで既に大滝詠一浜田省吾などの邦楽アーティストにとどまらず、一方でビリー・ジョエルカーペンターズなどの洋楽アーティストを知っていた。

我ながら相当な情報量は持っていたと思うが、それよりもいかに両親が無類の音楽好きであったかをハッキリすることができたかもしれない。

それを象徴するものとして、私の実家の一角には未だ目にしたことや耳にしたことがない大量のレコードやCD、それにカセットテープが今も残されている。

 

現在まで昔はこんな曲やあんな曲を聴いていたが、それらがどんな歌詞だったかどんな曲調だったかを思い出しながら、サブスク上で一つ一つプレイリストを作成している最中だ。

改めて、私が物心ついた時から今まで聴いてきた数多の曲のうち、深い印象が残っている一つにTM NETWORKの「RHYTHM RED BEAT BLACK」が含まれていたという話である。

先日十数年ぶりにその曲を聴き直し、かつYouTubeで初めてMVを見ていたところ「木根さん見つけてホッとした」とか「木根さんの登場が一番の見せ場」などのコメントを見かけて疑問を持っていたが、一通り見終わったところでなんとなく納得してしまった。

たしかに宇都宮さんのダンスや小室さんの演奏ももちろん素晴らしいだが、木根さんのあの演出によっていろんな意味で全部を持っていった気がする。


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