人生最大の悲しみが教えてくれたこと。
去年の10月にバイロンベイにて姉と再会した。
私は今住んでいるNZから、姉は日本からの現地集合。私がワーホリでNZに行ってから半年くらいぶりの再会だったかな。
そのバイロントリップ中に、姉がなんか体調おかしいなって思っていて、私からみても、普段よ~く食べる姉とは違くって、なんだかシュンっと大人しい感じ。
実はその時に姉が妊娠していることが判明した
。
二人で公衆便所で2本線が浮かぶ妊娠検査キットを振り回し、泣き笑いながらも、喜び、驚き、抱き合い。
『じゃあ次会うときはベイビーも一緒だね!頑張ってね♡またね。』
ってお腹に手を当てて、お別れした。
それから定期的にテレビ電話したり、どんどん大きくなるお腹の写真が送られてきたり、ベイビーは順調に育っていて、この世に産まれてくる準備は出来ていた。
陣痛がついに始まったって姉から連絡きて。
”次の日起きたら、元気なベイビーの写真が届いているだろう!ベイビーを抱える姉と旦那の姿を見れる!”
って思っていた。
夜中の3時にパッと目が覚め、産まれた報告入っているかな、って思ってケータイ開いたら、
姉からではなく、お母さんからのメッセージが1件。
『赤ちゃん、お空にいっちゃった』
うそだ、夢だ、こんなの現実なんかじゃない。
あと少しで産まれてきて、わぁ〜んって泣いて、これからどんどん育って、いろんなこと学んでいくんじゃなかったの?
あともう少しだったのに、なんで。。。?
頭の中が真っ白になり、どうしていいのかわからず、ただただ泣くことしかできなかった。
泣いても泣いてもその答えは見つけられなくって。
”全ての出来事には理由がある。”
って今まで言い続けながら生きてきた自分を本当に恥かしく思った。申し訳なく思った。
特に赤ちゃんのこと、姉のこと、旦那のことを想うと、胸が苦しすぎて、呼吸ができなかった。
すると姉から電話がかかってきて。
『うまく産めなかった。うまく産んであげられなかった。。。』
その夜中も当然全然寝付けなくて、涙と震えが止まらなくて。
ただ抱きしめてくれて、背中をさすってくれて、お水を飲ませてくれて、ブランケットで温めてくれて、ただそばにいてくれた彼の存在がとても大きかった。
次の日に仕事に行ったんだけど、一緒になって涙を流して、抱きしめてくれる同僚たちがいること、泣きじゃくる私を一生懸命ヘルプしてくれるその仲間たちの有り難みもとっても感じた。
近くにも、遠くにも、励まそうとしてくれる友達も居た。
それでみんなのサポートを受けながらも、わたしには何ができるだろうかって考えた時に、日本に帰ることしか頭になかった。
ただただ姉のそばにいたいと思ったし、この同じ悲しみを抱く、お母さん、お父さんにも会いたい、会って抱きしめたい、って思った。
普段感情を表さないお父さんも、電話越しで、わんわん泣いて、
『つかさぁ、お姉ちゃんのために帰ってきてあげて』ってさ言うもんだから、
次の日には職場のみんなにも話して、
もちろん!家族のそばにいてあげな!この仕事のことは気にしないで行っておいで!って背中を押してもらって。
姉のそばに、家族のもとへ帰ることにしました。
もちろん、愛する彼はNZに残っているし、今の私の生活はNZにあるから、少しの間ではあったんだけどね。
それでね、今回この出来事と急遽帰国を通じて、一番感じたことがありました。
この人生最大の悲しみが教えてくれたことは、
愛でした。
こんなにも辛い出来事があったのにも関わらず、姉と旦那は手作りの名札まで作って、空港までお迎えに来てくれたり、
一番辛いはずなのに、泣きじゃくるわたしを抱きしめながら、
『大丈夫、大丈夫だよ』って伝えてくれる姉。
日本食が恋しくて仕方なかった私に、愛情いっぱいの手料理をお腹いっぱい食べさせてくれたりね。
たくさん食べなって。
愛を感じたのは、姉と旦那からだけではなくて、もちろん私の両親も、お帰りってただただ迎えてくれたことにも愛を感じた。
今まで恥ずかしくってハグなんてしたことなかったけど、お母さんに会った瞬間に抱きつきたくって仕方なかった。
改めて、産んでくれて、育ててくれてありがとうって愛と感謝が止まらなかった。
すっかり痩せてしまって、更に歳を重ねたお父さんを見ただけでも愛が溢れた。
おじいちゃんおばあちゃんにも会えて、
『つかさが帰ってきたぞ〜!』って、ほぼ寝たきりのおばあちゃんに何度も言うおじいちゃんの姿にも愛を感じた。
なかなか言葉も発せない、体も動かせないおばちゃんが、一生懸命手を握ろうとしてくれて、しっかりと目を見つめ、ただ涙を流す姿にも愛を感じた。
もうね全てが愛で溢れてたんだよね。
家族からだけじゃない、
大親友もわざわざ私に会うために沖縄から飛んできてくれたり、
誕生日をお祝いしてくれて、
彼女らの支えや、言葉、行動、存在全てに、愛を感じた。
10年経ってもありがとうがお互いに止まらない関係ってすごいよね。
そして離れていても気にかけてくれる彼、今回会えなかった友達からもたくさんの愛をもらって、
今ここにいれること、全てに感謝して、愛がどんどん増えた。
私は独りじゃない、こんなにも愛をくれる人たちが周りにたくさんいる。
悲しみや、喜びを共にできる人たちがたくさんいることに改めて気付いて、その奇跡を心から改めて感じた、そんな出来事でした。
最後に。
この命のありがたさ、
今ここにいれることの大事さ、
健康で毎日生きていけることの素晴らしさ、
人々の愛の強さ、
全てを全力で私たちみんなに伝えにきてくれたイトくん。
本当にありがとう。
イトくんが教えてくれたこの愛の素晴らしさは絶対に忘れません。
どうか、お空でゆっくり過ごせていますように。
どうか、お空からいつまでも見守ってくれていますように。
どうか、あなたのお母さん、お父さんにまたミラクルが起きた時に、彼らのサポートをしてくれますように。
そして、あなたの存在も強く感じられますように。
太くて、強い、イトのような絆を心に感じ続けながら、今日も、これからも全力で生きたいと想います。
2023年6月29日 本当にありがとうイトくん。
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