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やさしい物理講座ⅴ112「ビックバンは無かった」

 矛盾がある仮説(ビックバン理論)の呪縛に未だ縛られている。今こそ知識の見直しで矛盾を解消するべきであろう。
やさしい物理講座ⅴ60「ビックバン理論に疵瑕がある。相対性理論の否定と光のエネルギー減衰理論」|tsukasa_tamura (note.com)

 理論に矛盾があるときは、その理論の前提条件に立ち戻り、検討しなければならない。
しかるに、ビックバン理論の矛盾が生じてそれを解消するために屋上屋の理論が構築されて、インフレーション理論というものが出てきた。今の現代物理学が隘路に堕ちいているのは、その基本を懐疑的に見直す(立ち戻る)勇気がないためであろう。
 138億光年の先から届く光は光子(光素粒子)エネルギーが減衰していくという「光の特性・光の現象」の新たな新発見と思えるのである。光電子効果のように宇宙空間を漂うアクシオン(未発見素粒子)に光のエネルギーが奪われて、電磁波としての振動数が減少して、プリズムによる分光では波長が伸びる赤方偏移として観測されると考えることができる。

この様な赤方偏移現象を観測した銀河が高速度で遠ざかっていると結論づけた。遠方の銀河団の赤方偏移現象はドップラー現象ではなく、光の特性「光エネルギーの減衰」という物理現象であると考えることができる。「エネルギー保存則」から考えると失われた(減衰したエネルギー)はどこに行ったのか。アクシオンに奪われた減衰した光エネルギーは、宇宙背景放射として全宇宙に分散されて存在しているのである。このように宇宙背景放射は138億年ごのビックバンの残り物ではないのである。ビックバン理論自体が錯誤であり誘導された理論である。過去にも同じような「天動説と地動説」があったが、それに照らし合わせても、常識的に分かりそうなものである。「光の特性」と捉えるか、宇宙が一点から大爆発した「ビックバン理論」が正しいかは、「天動説と地動説」と対比すると直感的に判断できるのである。

今回は矛盾を秘めた報道記事をそのまま紹介するので、ご自分の頭脳で判断いただきたい。なお、以前掲載したブログを参考文献・参考資料の手前に掲載してある。

     皇紀2684年8月3日
     さいたま市桜区
     理論物理研究者 田村 司

報道記事を掲載

おかしい、「ビッグバン」の大爆発から始まったにしてはあまりにも…素朴な問いから生まれた「宇宙最大の難問」

佐藤 勝彦 の意見

• 1 時間 • 読み終わるまで 4 分

宇宙はどのように始まったのか――

これまで多くの物理学者たちが挑んできた難問だ。火の玉から始まったとするビッグバン理論が有名だが、未だよくわかっていない点も多い。

そこで提唱されたのが「インフレーション理論」である。本連載では、インフレーション理論の世界的権威が、そのエッセンスをわかりやすく解説。宇宙創生の秘密に迫る、物理学の叡智をご紹介する。

*本記事は、佐藤勝彦著『インフレーション宇宙論 ビッグバンの前に何が起こったのか』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。

ビッグバン理論が解けない難問

――なぜなのかはわからないけれども、宇宙は火の玉として生まれた。そして、膨張していくなかで次第に温度が下がり、ガスが固まって星が生まれ、銀河や銀河団が形成され、現在のような多様で美しい宇宙がつくられた――

これが、ビッグバン理論の概要です。ビッグバン理論は、現実の観測によって傍証が示されました。そのことは確かなのですが、実はこの理論には、原理的に困難な問題がいくつかあるのです。本記事ではまず、そのことを見ていきます。

photo by iStock© 現代ビジネス

まず一つには、宇宙が「特異点」から始まったと考えざるをえないことです。特異点とは、物理学の法則が破綻する「密度が無限大」「温度が無限大」の点のことです。宇宙が膨張しているということは、その時間を逆にたどっていくと、宇宙はどんどん小さくなって、エネルギー密度はどんどん高くなっていきます。そして宇宙のはじまりが点であったならば、ついにエネルギー密度は無限大になってしまうのです。

つまり、宇宙のはじまりは物理学が破綻した点だったと考えざるをえないのです。キリスト教世界では「神の一撃」といわれますが、そういう物理学を超越した概念を持ってこなければ、宇宙が始まらないということです。思い上がりだと言われるかもしれませんが、物理学者は神の力を借りずに物理法則だけで宇宙の創造を語りたいと考えるものです。しかし、ビッグバン理論だけでは、それはできないのです。

二つめは、ビッグバン理論は、宇宙はなぜ火の玉になったのかについては、何も答えていないことです。初期の宇宙が火の玉になる理由は何も説明していないのです。これでは、宇宙のはじまりについて説明していることにはならないともいえます。

また、ビッグバン理論では現在の宇宙構造の起源を説明できないという問題もあります。宇宙の大きさが非常に小さかったときに、その中に「密度ゆらぎ」といわれる小さな濃淡のムラがあったことで、のちに濃度の濃いところを中心にガスが固まり、星や銀河、銀河団といった構造ができたと考えられています。しかし、ビッグバン理論では非常に小さな「ゆらぎ」しかつくれず、宇宙の初期に、銀河や銀河団のタネになるような濃淡をつくることが理論的に難しいのです。

なぜ宇宙は「なめらか」に見えるのか

それから、「ゆらぎ」の問題と裏表の話になりますが、宇宙の構造は遠いところまですべて一様なのはなぜかという問題があります。たとえば私たちの住む銀河から100億光年離れたところにある銀河と、その銀河とは反対方向に100億光年離れたところにある銀河とは、宇宙のはじまりから現在まで一度も因果関係を持ったことはありません。因果関係を持たない領域どうしが、言い換えれば、これまでまったく関わりを持たず相談もできないような遠方の領域どうしが、同じような構造をしているのはなぜなのかという問題です。これを「一様性問題」といいますが、この問題に対して、ビッグバン理論は答えることができません。

さらに、宇宙は膨張を続けているわけですが、観測によるかぎり、われわれの宇宙はほとんど曲がっていません(曲率がゼロに近い)。ユークリッド幾何学が成り立つような平坦な宇宙です。しかし、平坦なまま大きく膨張させることは、数学的には非常に困難なのです。これはプリンストン大学のロバート・ディッケが指摘した問題で、「平坦性問題」といわれています。これにもビッグバン理論は答えることができません。


photo by iStock© 現代ビジネス

このことを簡単に説明しましょう。

最初に、神様が「宇宙」という名のロケットを打ち上げると考えてみます。このロケットは、曲率が正か負かによって飛翔(=膨張)のしかたが変わってきます。神様が宇宙を打ち上げる力が少しでも弱い(曲率が正)と、加速度が足りず、宇宙は十分に飛翔せずに重力で落下してつぶれてしまいます。宇宙は短命となるため、私たちのような生命は誕生できません。逆に神様の力が少しでも強すぎる(曲率が負)と、非常に速い飛翔をしてしまい、ガスは一様に希薄になってしまうので、ガスが固まって天体を構成することができません。もちろん、生命は存在できません(図2―1)。

図2―1 平坦性問題


おかしい、「ビッグバン」の大爆発から始まったにしてはあまりにも…素朴な問いから生まれた「宇宙最大の難問」© 現代ビジネス

私たちが宇宙に存在するためには、神様が打ち上げの速度をきわめて精密に調整して、打ち上げから140億年近くたった現在でも曲率がほぼゼロという平坦な宇宙になるように設定しなければなりません。ほんの少しでも力が強かったり、弱かったりすると、現在の私たちは存在できないのです。そのためには打ち上げの速度(=膨張速度)を、なんと100桁という精度で微調整しなければなりません。

しかも、物理学には量子的な「ゆらぎ」、いわゆる「量子ゆらぎ」というものがあってつねに微小な振動をしているため、このような精度を確保することはきわめて難しいのです。「神様の手」さえも量子的にゆらいでいるため、曲率がほぼゼロになるよう(宇宙が平坦になるよう)、膨張速度を微調整することは至難の業なのです。これが「平坦性問題」です。

これらが、ビッグバン理論の原理的な困難です(図2―2)。

図2―2 ビッグバン理論の原理的困難


おかしい、「ビッグバン」の大爆発から始まったにしてはあまりにも…素朴な問いから生まれた「宇宙最大の難問」© 現代ビジネス

そして、こうした問題に物理学の言葉で答えるのが、1981年に私やアラン・グースらが提唱したインフレーション理論なのです。次回から、ご説明していきましょう。

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「何も無いところから宇宙が生まれた」って言うけど、一体どういうこと…第一級の物理学者がわかりやすく解説

佐藤 勝彦 によるストーリー

*本記事は、佐藤勝彦著『インフレーション宇宙論 ビッグバンの前に何が起こったのか』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。

「無」からどうやってエネルギーが生まれるのか

インフレーション理論は、素粒子のような小さな宇宙を巨大な「火の玉宇宙」にすることができるという理論です。きわめて小さかった初期の宇宙は、エネルギー的にも真空のエネルギーはあったものの、ほとんどゼロでした。ところが、インフレーションが終わった直後の宇宙は、相転移によって真空のエネルギーが熱エネルギーに変わり、火の玉になっている状態です。熱エネルギーがあるということは、膨大な量の素粒子が生まれて、ものすごく高速で動いているということでもあります。

こう言うと、疑問を持たれる方も少なくないでしょう。まるでインフレーションは見かけ上は何もないところから、「ただ」で宇宙の物質やエネルギーをつくっているように見えるからです。「エネルギー保存の法則はどうなっているのか」と思われるのは当然でしょう。

しかし実際、インフレーションは「ただ」で物質やエネルギーをつくったといえるのです。

もちろん、ここまでの議論に使っているアインシュタインの相対性理論は、エネルギー保存則を満たす方程式です。アインシュタインの方程式とあわせて使った力の統一理論の方程式も同様なのは言うまでもありません。にもかかわらず、これらの方程式から「ただ」でものがつくれるというのは確かにおかしなことで、これはまさにマジックといえそうです。はたしてその理由とは何でしょうか?


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そのからくりは、真空のエネルギーの特殊性で説明することができます。実は、真空のエネルギーは不思議なことに、宇宙がどんなに大きく膨張しても、密度が小さくなることがないのです。

普通の物質を考えてみましょう。箱の中に物質を入れておいて、箱の大きさを2倍、3倍にしていくと、物質の密度は、2分の1、3分の1になっていきます。当たり前のことです。しかし、真空のエネルギーは、密度が決して小さくなりません。宇宙の大きさ(体積)が100桁大きくなっても、宇宙の中にある真空のエネルギーの密度は変わらず同じなので、真空のエネルギー量は体積が100桁増えた分だけ、大きくなるのです。このようにして大きくなった真空のエネルギーが、相転移で熱エネルギーに変わることによって、宇宙は火の玉になるのです。

Travlerz渡る前に考えさせられる世界の橋

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こう言うと違和感があるかもしれませんが、真空のエネルギーは空間そのものに対しては押し広げる力を持っています。しかし、空間内の物質に対してはマイナスの圧力を持っていて、収縮しようとする力が働きます。ほかにちょっと例のない特殊なエネルギーなのです。

真空のエネルギーはまるで「ゴム」?

このことは、真空のエネルギーがある宇宙を、ゴムのようなものと考えるとわかりやすいでしょう。ゴムが引き伸ばされると、ゴムの中の縮もうとするエネルギーが増加しますね。これと同じように、宇宙が引き伸ばされる(膨張する)と、宇宙の中の真空のエネルギーも収縮しようとして増加するのです。つまり、宇宙が膨張すること自体が真空のエネルギーを増加させるのです(図「引き伸ばされると真空のエネルギーは増加する」)。

「何も無いところから宇宙が生まれた」って言うけど、一体どういうこと…第一級の物理学者がわかりやすく解説© 現代ビジネス

真空のエネルギーがどこから生まれるのかは、重力の「ポテンシャルエネルギー」という言葉でも説明できます。

たとえば、太陽の近くに小さな粒子を置いたと想像してみてください。最初、止まっていた粒子は、やがて重力によってどんどん加速しながら太陽に向かって落ちていくはずですね。

これを「ポテンシャルエネルギー」という言葉を使って説明しますと、最初の状態の粒子は、止まっているだけなので何もしていないように見えますが、実はポテンシャルエネルギーの量はこのときが最大です。ところが、落下して太陽との距離が縮まるにつれて、どんどん粒子のポテンシャルエネルギーは小さくなっていき、かわりに、もともとの状態ではゼロだった粒子の運動エネルギーが、太陽に向かって落下するうちに加速して、どんどん増加していくわけです。

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これは一見、何もないところから運動エネルギーが生まれたようにも思えますが、実は粒子が太陽に引っ張られるエネルギー、つまり粒子のポテンシャルエネルギーが、運動エネルギーに転換されたのです。

インフレーションによって宇宙空間が急激な膨張をしているときも、これと同様です。膨張とは、ポテンシャルエネルギーで見れば落下しているのと同じ状態なのです。最初に生まれたときは、宇宙空間のポテンシャルエネルギーは最大です。ところが、落下するように膨張することでポテンシャルエネルギーは小さくなり、かわりに、まるで「無」から生まれたように真空のエネルギーがどんどん大きくなります。その真空のエネルギーが、相転移のときに潜熱となって熱エネルギーに変わり、宇宙は火の玉になるわけです。これが、エネルギーの動きから見たインフレーション理論です。

ですから本当に、ほとんど無のような状態からエネルギーをつくっているというメカニズムになっているわけです。

ここまで見てきたようにインフレーション理論は、従来あったビッグバンモデルの問題点をいくつも解決しました。そのため現在では、宇宙初期を考えるときの標準的なパラダイムになっています。「パラダイム」とは、完全に証明されたわけではないけれども、ひとつの学問分野として研究者たちがそれを信じて、研究を進めているものと理解していただければよいと思います。

ほんとうに宇宙は「無」から始まったのか

これまで、私たちの住む宇宙が、どのようにして現在のように巨大になったのかということを、インフレーション理論を用いて説明してきました。しかし、こうした話は少なくとも、もともと時空(=宇宙)というものがあったことが前提になっています。たとえどんなに小さくても、最初に時空がなければ、宇宙の膨張という話もできないわけです。

では、「その時空はどのようにしてできたのだ」と問われたら、どう答えればよいのでしょうか。「私たちの宇宙はお母さんの宇宙から生まれ、お母さんの宇宙はおばあさんの宇宙から生まれて…」と答えても、無限に続いていくだけで、質問に答えたことにはなりません。時空の、宇宙のそもそもの起源について、われわれは物理学者として語らなければならないのです。

この問いについて私は、インフレーション理論を創って2年目くらいの時期に、友人であるアレキサンダー・ビレンケンと議論をしたことがあります。彼が語ったのは、「無からの宇宙創生」という考えでした。のちに彼は、“Creation of universes from nothing” と題した論文を書きました。つまり、「宇宙は無(nothing)からできた」というわけです。

ただし、彼の言う「無」とは、われわれが考えがちな、宇宙空間に物質が何もない状態という意味の無ではありません。「時間も空間もエネルギーもない状態」のことです。その、宇宙創生前のまったくの無の状態から、量子重力理論という考え方を使えば、ある有限の大きさを持った宇宙がポッと生まれるというのです。

ドゴン族に伝わる民話

無から宇宙ができたという考え方は、世界の民話の中にも見られます。サハラ砂漠に住んでいるドゴン族という民族の持つ民話も、そのひとつです。


photo by iStock© 現代ビジネス

以前、NHKが『アインシュタインロマン』という番組を制作し、ドゴン族にインタビューに行ったときのことですが、インタビュアーが長老に「宇宙はどうやってできたのですか」と聞くと、長老は滔々と「宇宙は無から始まった。ポコンと生まれたのだ。その宇宙は急激にふくれていまのような宇宙になった」といった話をしていました。それに対してインタビュアーが、「そういう話は、アインシュタインさんという人の理論にあるのですが」と返すと、長老は「では、われわれの話を聞いたのだろう」と答えていました。

たしかに神話や民話では、宇宙創生は無限の連鎖になることが多いですから、無からできるというのも至極当然のことなのかもしれません。

しかし、われわれ物理学者が「宇宙は無からできる」と言うと、当然、「おまえはエネルギー保存則を知っているのか」と問われることになります。もちろんビレンケンも、きちんと物理法則にもとづいたかたちで「無からの宇宙創生」が可能だという理論を展開しているのです。

彼は、この「無からの宇宙創生」を、ミクロの世界を支配している量子論の法則にもとづいて考えました。

ここで「トンネル効果」が登場!

読者のみなさんの多くは、江崎玲於奈先生が1973年にノーベル賞を受賞したことを知っていると思います。受賞の理由は、「トンネル効果」の発見でした。トンネル効果とは、電子が本来は通過することができないはずのところを、ある確率で通過することができるという現象です。

図:トンネル効果による無からの宇宙創生


「何も無いところから宇宙が生まれた」って言うけど、一体どういうこと…第一級の物理学者がわかりやすく解説© 現代ビジネス

この図で原点(“無”の状態)の場所にボールがあり、その隣に小さな山があるとすると、通常、ボールは山に阻まれて右側に行くことはできないため、永遠に原点でじっとしていると考えられます。ところが、量子論に従うと、ボールは同じ場所でじっと静止していることはありません。必ずこの場でゆらいでいます。振動をしているのです。原点は“無”の状態ですからボールはエネルギーも持たない点のはずですが、量子論では点にもゆらぎがあるのです。とは言っても、それは小さな振動であり、右側の山を乗り越えるようなことはありません。

しかし、量子論には「トンネル効果」という現象があって、ボールがあたかも自分で山の中にトンネルを掘ったかのように、山の向こう側(点L)にポッと現れることがあるのです。それはとても小さな確率ではありますが、そういうことが起こりえるのです。そして、もしトンネル効果によっていったん山の右側に現れれば、ボールはそこから斜面を急激に転げ落ちていきます。

ビレンケンは、これと同じことを宇宙に当てはめて考えたのです。

図「トンネル効果による無からの宇宙創生」で、縦軸はボールの大きさを決めるポテンシャルエネルギーとします。横軸は宇宙の大きさです。つまり、原点は宇宙の大きさもエネルギーもゼロ、“無”の状態です。それがトンネル効果によって、非常に小さいながらもある確率で、ポッと山を越すようにして、限りなくゼロに近いものの有限の大きさを持ってLに現れるのです。現れてしまえば、あとは斜面を転げ落ちるように、宇宙はどんどん大きくなっていくというのです。

なお、ここではあまり詳しく説明できませんが、トンネル効果によって宇宙が現れるまでは数学的には「虚数」の時間で表されます。非常に小さいながらも宇宙が有限の大きさを持って現れてからは、私たちが現在使っているのと同様の実時間で表されます。

少し荒っぽい説明ですが、これがビレンケンの理論の概要です。

このように、量子論で考えるならば宇宙は「無から創る」ことが可能であり、実は宇宙が急激に膨張することが、トンネル効果の説明で示した坂道を転げ落ちることに対応しているのです。さきほどインフレーションとはポテンシャルエネルギーが落下していくようなものだと話しましたが、まさに坂道を転げ落ちているわけです。「宇宙は膨張しているのに落下しているとはどういうことだ?」と思われるかもしれませんが、アインシュタイン方程式から見ると、膨張とは、まさにポテンシャルの坂を落下するような状態と思っていただいてよいのです。

*      *      *

以前掲載したブログの紹介

やさしい物理講座v31「ブラックホールが宇宙空間ガス物質で作り出す現象の光の屈折」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v26「いよいよ特殊相対性理論と一般相対性理論の終焉である。」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v23「運動している物質中の光の振る舞い」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v21「未発見の重力子、そしてKAGRA計画の重力波測定の研究成果の出ない理由」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v17「量子力学から考察した素粒子の光子(フォトン)と重力子(グラビトン)とヒッグス粒子の考察」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v16「光粒子(素粒子:電磁波)と物質の相互作用」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v14「E=mc²の検証・・・まだ仮説のまま実証されていない、呵々。」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v13「光の真空中の減衰理論」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v7「狂った時計で時間を測定する愚行、"Time Dilation”の詐術にご用心」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v5「光子(素粒子)には慣性力が働かないから『光時計』は理論的に機能しない。それは『時間の遅れ』の証明にはならない」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v4「光子(素粒子)は質量0で重力の影響を受けない。」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座V3「素粒子を粒子と見ないで『場の考え方』が必要」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v36「宇宙膨張説・ビックバン理論・宇宙インフレーション論の矛盾解消のため、『光の真空中の減衰理論』に道を譲るべき時期であろう」|tsukasa_tamura|note

私がビックバン理論(宇宙膨張説)を信じない理由 副題 光の減衰理論(仮説)|tsukasa_tamura|note

「時間の遅れ(time dilation)」の錯誤|tsukasa_tamura|note

参考文献・参考資料

おかしい、「ビッグバン」の大爆発から始まったにしてはあまりにも…素朴な問いから生まれた「宇宙最大の難問」 (msn.com)

「光のエネルギー減衰理論」の人気の記事一覧|note ――つくる、つながる、とどける。

やさしい物理講座ⅴ60「ビックバン理論に疵瑕がある。相対性理論の否定と光のエネルギー減衰理論」|tsukasa_tamura (note.com)

「何も無いところから宇宙が生まれた」って言うけど、一体どういうこと…第一級の物理学者がわかりやすく解説 (msn.com)

光電効果 - Wikipedia

アクシオン - Wikipedia

エネルギー保存の法則 - Wikipedia

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