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やさしい物理講座v13「光の真空中の減衰理論」
遠い恒星・遠い銀河からの光を観察してそのスペクトルを調べた人(ハッブル氏)が遠い星ほど、ある物質の出すスペクトルが赤方偏移していることに気付いたのである。「光の真空中の減衰現象」と捉えず、「宇宙が膨張している、その原因がビックバンだ」と結論付けたのである。そこで、今回、再度検証してみるのである。
2021.11.16
さいたま市桜区
理論物理研究者 田村 司
はじめに
先入観無しで、自分の頭でお考え下さい。
天動説・地動説からの教訓
昔、地球の周りを太陽や他の天体が回っていると信じられていた。
それは、地上から天体を観測すると、常に太陽は東から出て西へ沈む。
無理からぬことで、当たり前のように信じられていた。
神が作った世界と信じられていた。しかしこれを覆す事実が観測から明らかになったが宗教の権威者が認めない時代であった(ガリレオ・ガリレイ氏が宗教裁判で有罪になった)。
しかし、紀元前310~230年 古代ギリシャの天文学者「アリスタルコス」が地動説を提唱していた。それがコペルニクスに強い暗示を与えた。
これは、私見であるが、2000年前までは太陽神を神として崇めていたことに起因し、自由な発想研究が可能であったと推測される。
日本神話にも天照大御神が存在している。多神教の時代には、宗教的にも太陽が中心であった。
しかし、一神教の頃から、地球を中心に宇宙は回るようになった。
神の信仰もあり、ここで、思考停止(原因の探求中断)していたのです。
そして、現在は、地球は太陽の周りを回る太陽系の惑星の一つであり、太陽系も銀河系の渦の端に存在することが分っている。我々の属する銀河系以外にも幾多の銀河が発見されて研究されている。
さて、現代の天文において、ビックバン理論や宇宙膨張説について、感覚的に信じられますか? そして、そして、最近、膨張エネルギーは、ダークエネルギーの存在が原因と言う説で論じられている。まさに、屋上屋の理論を空想を膨らませて、理論構築を繰り返している。実生活に何の影響もない空想みたいな理論です。論語読みの論語知らずの域に科学者が入り込んでいることを危惧している。
ビックバン理論(宇宙膨張説)の概略
宇宙は大きさの変化しない定常宇宙という考え方が主流であった。
しかし、1925、アメリカの天文学者スライファーは銀河の『スペクトル撮影』に成功。原理は光をプリズム(分光器)に通すと赤や緑、青などの色に分かれる。これを「スペクトル」と言う。太陽や星、銀河のスペクトルを撮影するとその中にたくさんの黒い線(吸収線)や明るい線(輝線)が見える。これらの線は物質によって決まった位置に見れる特徴がある。
ハッブルと助手フマーソン、天文学者メーヨールによって、スペクトル線が本来現れる箇所より赤い方へ、波長の長い方へずれている事に気づいた。これを「赤方偏移」という。カルシウムによる吸収線(暗線)と地上の実験室で測定された本来のカルシュウムの吸収線の波長がどの程度ずれているかを調べた。最近では、電離カルシウムの H、K 線(輝線)など金属線が強くなることを利用している。
この現象「赤方偏移」を音波と同様な「ドップラー効果」と考え、光も同じ現象と考えた。
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出典:ニュートンプレス 2007.6 p40
距離が測定された22個の銀河と比べて、遠くの銀河になればなるほど、大きなスピードで観測者(地球)から遠ざかっていく、と結論付けたが、光速度を超えて遠ざかる現象は相対性理論に反することから宇宙全体が膨張しているから、遠い銀河ほど、速い速度で離れていく観測結果となると結論付けされ「ビックバン理論」の後に補完するように「宇宙膨張説」が唱えられた。
現在の宇宙に関する考え方は「宇宙は膨張している、時間を遡ると大爆発の時点(ビックバン:特異点)から宇宙は生成され紆余曲折を経て138億光年ごの現在に至る。」というのが、世界の天文学会の定説となっている。
当初は120億光年から始まり、数年前の文献には137億光年、数十年前は136億光年と文献の変遷を繰り返している。
ビックバン理論では時間を遡ると138億年前を特異点(マクロな世界の物理法則のみで語られるビックバン理論では解決不可能な大問題)は量子力学では語れない問題が発生した。その解決に提唱されたのが、インフレーション理論である。
理論の矛盾の一つに、世界の天文学は宇宙の膨張は「空間の広がり」であり、「中身の銀河や恒星、星、惑星、は大きくならない」と論じている。
我々が属する「天の川銀河」(銀河円盤直径10万光年、地球の属する太陽系は銀河中心から26000年光年離れている)「天の川」銀河の70%は水素原子でできている(波長21㎝波の観測 周波数1420Mヘルツラジオ電波もしくはマイクロウェブ波で飛散する。)
これも膨張の兆候は観測されていない。
宇宙が膨張するのに、内包する空間の銀河系は膨張しない?
果たして、それが正しいのか?素朴な疑問が生まれる。
もっと根本的なことを見落としてはいないか?
理論の矛盾の二つ目、インフレーション理論によれば、膨張エネルギーはダークエネルギーと論じる。
理論に矛盾が生じると、突然、新理論の提唱をしてくる。
本来なら、「宇宙にはこのようなエネルギーの存在があり、インフレーションを起こす要因となり、理論の正当性の証明すべきもの」と考える。
要するに証明されない理論に他ならない。
理論の矛盾の三つ目、ハッブル宇宙望遠鏡からの観測研究から宇宙は100億年以前の過去には一端膨張を減速させたのにかかわらず、50億年前から再び加速膨張を始めたことが明らかになった。この観測結果は物質の重力に打ち消す斥力がないと説明ができず、ダークエネルギーの存在を裏付けるものと論じられている。エネルギー保存の法則無視の論理展開、仮説で仮説を証明している。
理論の矛盾の四つ目、赤方偏移を最初からドップラ効果の後退速度と決めつけて、後退速度を天体までの距離で割ったものを「ハッブル定数」と定義付けている。
1999年に「ハッブル定数」を70km/sとした。そこから宇宙の年齢を120億歳としたが、実際問題、色々な観測結果から138億光年に変遷をしてきている。フリードマンが率いるPJは約800個のセファイド型変光星を観測して「ハッブル定数」を求めた。これが、理論的矛盾をきたしていると推測可能である。
光の真空中の減衰理論
そもそも遠方の天体の示す赤方偏移は本当に宇宙の膨張の根拠と考えてよいのだろうか?
現在でもなお、「これらの赤方偏移は単に天体の運動によってばかりではなく、遠方からやってくる光子が、途中で未知の粒子との相互作用により、エネルギーを失うことによっても起こる、」という説を唱える人々や学者もいる。
私もこの説を支持し、表題「光の真空中の減衰理論」と命名した。
「疲れた光線」(Tired light)と称する論説者もいる。
近年、もっとも遠い天体と見られるクエーサーには「ハッブルの法則」が当てはまらないことが分ってきている。
つまり、宇宙は138億年前に誕生した。そうすると、100億光年前のクエーサーは、宇宙の初期に出現したことになる。しかし、数十億光年以内にクエーサーが観測されないことから、クエーサーは宇宙の初期に限って存在したと判断できる。100億光年以上の距離でありながら、光が届くのは元々クエーサーが明るいからだ。銀河系1000個分の明るさを持っている。強い可視光を放っているだけでなく、強いX線や赤外線も放射している。
20年~30年前は文献によると、宇宙の初期は136億光年だったものが現在138億光年に変わってきた。
11年前の新聞のスナップを保管していましたので、お知らせいたします。
「謎の巨大天体『ヒミコ』が「すばる望遠鏡」で観測」
地球から129億光年離れた場所に発見」。2009.4.23読売新聞(夕)掲載
記事内容「宇宙誕生の初期となるビックバン後の8億年後に、この時代に現代の銀河に匹敵するほどの大きさの天体があることを観察したのは初めてで空間的な広がりは55000光年あり、同時代の天体より10倍以上も大きい。宇宙のごく初期にすでに巨大天体が存在していたことは新たな謎を生む。・・・」
これ以降の文献は「138億光年」に文献は修正され現在に至る。
宇宙背景放射
光子のスペクトルは絶対温度で3k(正確には2.726k)の黒体輻射スペクトルに非常に近い。銀河団を通り抜けてきた3k宇宙背景放射はスペクトルが変化する。高温ガス中の電子によって逆コンプトン散乱を受け、長波長領域の光子がエネルギーをもらって短波長領域に移る。その結果銀河団方向での3k宇宙背景放射のスペクトルは長波長領域(波長1mm以上)において、銀河団の周囲よりも強度が減少する(スニアエフ=ゼルドビッチ効果)。
「宇宙形成でノーベル賞受賞。 米プリストン大のジェムズ・ピーブルズ名誉教授(84) 1960年代半ばから宇宙の構造に関する新たな理論を提唱。ビックバンと呼ばれる宇宙誕生から約40万年以降に宇宙に広がった放射線に着目し、どれだけ物質ができたかを計算した。その結果、星や私たちの体などを構成する物質は宇宙全体のわずか5%にすぎないことが明らかになり、人工衛星の観測でも裏付けられた。」2019.10.9 読売記事参照
宇宙背景放射観測衛星COBEやWMAPに「マイクロ波」で観測されている。
この結果を次のように論じている。
宇宙誕生から38万年後の姿は、宇宙の温度3000Kと推測され、赤外線の波長(1μm)の波長が宇宙膨張によって引き延ばされ約1000倍のマイクロ波(1㎚程度として観測される。この辺から「宇宙の晴れ上がり」と称しているようである。
ここでも矛盾発生。
先ほど、「世界の天文学は宇宙の膨張は『空間の広がり』であり、『中身の銀河や恒星、星、惑星、は大きくならない』と論じている。」
「宇宙誕生から38万年後の姿は、宇宙の温度3000Kと推測され、赤外線の波長(1μm)の波長が宇宙膨張によって引き延ばされ約1000倍のマイクロ波(1㎚程度として観測される。」
光源の移動もなくどのような力が働くと波長が伸びるのかが論じられていない。証明されない仮説であることが明らかである。
空間自体を膨張させる物理現象はあり得ない。
熱力学で物理現象としての物質間の空間が空く膨張現象があるが、伝播する光が「空間の膨張」の一言で「光の波長が伸びる」と言う論評は短絡的である。
「空間が膨張するから波長が伸びる」という物理現象は聞いたことがない。
宇宙背景放射の現象は別な要因
それは、これから、吾輩が主張する「光の減衰理論」で解説するが、減衰したエネルギーが分散・拡散され(伝播された光が減衰された部分が投影され)、その残りかすの光の集積により、黒体放射としての宇宙背景放射(3k)である。これで、エネルギー保存の法則が成り立つ。
まさに、ビックバン理論、インフレーション理論の「宇宙の晴れ上がり」ではない。
ビックバン理論、インフレーション理論に異議を持つ者のその1人にフランスの天文学者ペケールによれば,宇宙背景放射は非常に等方的であるにも関わらず、ハッブルの法則が天体の種類や方向によってかなりのばらつきを示すのは3k放射が実際には全宇宙的な現象ではなくわれわれの周辺の空間だけに起こる特殊な局所的現象だからと述べ、ビックバン宇宙への疑念を表明している(とりわけ近年、もっとも遠い天体と見られるクエーサーにはハッブルの法則が当てはまらないことが分ってきている。
つまり、宇宙は138億年前に誕生した。そうすると、100億光年前のクエーサーは、宇宙の初期に出現したことになる。しかし、数十億光年以内にクエーサーが観測されないことから、クエーサーは宇宙の初期に限って存在したと判断できる。100億光年以上の距離でありながら、光が届くのは元々クエーサーが明るいからだ。銀河系1000個分の明るさを持っている。強い可視光を放っているだけでなく、強いX線や赤外線も放射している。
音波のドップラ効果以外の波長の変化要因
音の音源の移動による「ドップラー効果」の以外に「波長に変化」をもたらす条件として 媒体温度によって波長が変わる。
温度15℃の空気を伝わる音速はおよそ340m/sである。
温度t°Cのとき、音速vm/sはv=331.5+0.6t となる。
蛇足:ヘリュームガスを吸い込んで声を出すと高音の声に変わるのは面白い。
これをヒントに光について考える。
光(電磁波)が光源の移動以外に波長に変化を起こす要因は何であろうか。光を波長でなく、光をエネルギー粒子すなわちE=ℎνと考えると
ν(振動数)の減衰で起こり得る。コンプトン散乱で光粒子のエネルギーの減衰が起こり得るのである。
光粒子のエネルギー減衰の分析
アインシュタインの光電効果より次の式で分析する。
E=ℎν E=ℎ(ν₀-ν₁) λ=c/ν(波長は分析には不使用)
ℎ=6.62607015×10⁻³⁴Js(プランク定数)
1光年=3.1536×10⁷ s
THz:テラヘルツ=10¹² Hz (光の振動数)
c=3×10⁸m/s (1秒間の光の速度)
我々は、目の中の網膜で光を検出して脳に伝えてる。
高い振動数を直接振動として感じるわけではなく、振動数に応じた刺激を脳が学習して、振動数の違いを色の違いとして認識する。たとえば、赤という色は450兆回くらい、緑という色は550兆回くらい、青という色は700兆回くらいの振動をする。虹の七色と呼ばれている色を振動数の低い順に並べると、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫となる。
色と振動数の大体の対応を示しているが、色は人間の感覚の問題なので、どの振動数の範囲が何色という決まったものではない。
「色は何種類か」は愚質問である。
光の振動数は、光粒子が物質に吸収されて感じる物理的な実体ですが、色というものは振動数の違いを脳が学習して作り上げたものです。Aさんの感じている緑と、Bさんが感じる緑は全然違う可能性もある。
極端な例が色弱の者もいる。
振動数の単位はHz(ヘルツ)で表す。
1秒間に1回振動する場合を1 Hz、100回振動する場合を100 Hzと表す。
可視光はどれくらいの振動数かというと、驚くほど高い振動数です。1秒間に大体430兆~750兆回くらい振動する。
つまり、何百兆Hz(何百THz:テラヘルツ ×10¹² Hz )という振動数である。
可視光は次の範囲の電磁波の光である。
それぞれの銀河団の減衰エネルギー E=ℎ(ν₀-ν₁)を計算した。
紫色:700–790 (×10¹² Hz)・・・中間値 745×10¹² Hz ν₀
藍色:667–700 (×10¹² Hz)・・・中間値 684×10¹² Hz ν₁
おとめ座銀河団 0.78億光年 ν₀-ν₁≒61×10¹² Hz
E=ℎ(ν₀-ν₁)
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×61×10¹² Hz
≒404.19027×10⁻²²Js/Hz
青色:580–667 (×10¹² Hz)・・・中間値 624×10¹² Hz ν₂
おおくま座銀河団 10億光年 ν₀-ν₂≒121×10¹² Hz
E=ℎ(ν₀-ν₂)
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×121×10¹² Hz
≒801.75448×10⁻²²Js/Hz
緑色:530–580 (×10¹² Hz)・・・中間値 555×10¹² Hz ν₃
かんむり座銀河団 14億光年 ν₀-ν₃≒190×10¹² Hz
E=ℎ(ν₀-ν₃)
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×190×10¹² Hz
≒1258.9533×10⁻²²Js/Hz
黄色:510–530 (×10¹² Hz)・・・中間値 520×10¹² Hz ν₄
うしかい座銀河団 25億光年 ν₀-ν₄≒225×10¹² Hz
E=ℎ(ν₀-ν₄)
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×225×10¹² Hz
≒1490.8657×10⁻²²Js/Hz
橙色:480–510 (×10¹² Hz)・・・中間値 495×10¹² Hz ν₅
うみへび座銀河団 40億光年 ν₀-ν₅≒250×10¹² Hz
E=ℎ(ν₀-ν₅)
E= 6.62607015×10⁻³⁴Js×250×10¹² Hz
≒1656.5175×10⁻²²Js/Hz
赤色:405–480 (×10¹² Hz)
我々は光の本体をみることができないが、プリズムによる分光により波長による分類で色として識別する方法が可能となり、今回の赤方偏移の原因追及手段としている。しかし、光をエネルギーE=ℎνとして分析したのは本論文が初めてである。
光の減衰グラフと減衰理論の根拠
宇宙は大きな実験室である。ここでの実験結果、「光が波長が伸びて赤方偏移するのは、光のドップラ効果であり、ビックバン理論(宇宙膨張説)の根拠とするものである。」と定説として論じられているが、組み立てられた宇宙理論の結果信じがたい論説と確信する。単純な「減衰理論」で、夢みたいな理論が終焉を迎えることを期待したい。
減衰とは振動の振幅やエネルギーを減少させる作用であり、 光の赤方偏移、青方偏移は運動する光源以外に光のエネルギの減衰に原因があると仮定。
真空中を伝播する光のエネルギーはE=ℎνで表される。
このエネルギーの減衰をグラフにしたのが次の図である。
それそれの銀河団までの距離(億光年)を横(右)、
E=ℎνの振動数差 をE=ℎ{ν₀-ν(₁,₂,₃,₄,₅)縦(下方)
光の減衰グラフ E=ℎ{ν₀-ν(₁,₂,₃,₄,₅)}
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光の真空中の減衰の想定要因について
⑴、粘性減衰(比例粘性減衰)
(例)空気や水など流体中を振動する物体に、それらの流体が抵抗となって生じる減衰。
真空中の因子ℊを仮定したとき、真空中の素粒子ℊがその原因かもしれない。通常、物質を通過するなら、光粒子は吸収され消滅する。物質ではない素粒子(アクシオン)も要因かもしれない。
「電磁力が無限大まで到達するためには、光子(ゲージ粒子)の質量はゼロでなければならない」とされている。
⑵、真空の電場・磁場からの影響
電場、磁場の相互作用で電磁波(光)が伝播するが、それが真空を伝播する過程で、粘性減衰作用として働くのではないのか。真空には何もないのではなく、真空から陽電子、負電子が対発生と対消滅の現象がおこる。
つまり、真空から反物質(陽電子、反粒子)が生まれる。
それは、真空のある一点に大きなエネルギー(ガンマー線を衝突させる)と、電子と陽電子のペアが対生成され、またガンマー線となって対消滅する。量子論的な真空は電子と陽電子の生成・消滅の間を揺らいでいる状態である。このような可能性もあり得るのである。
⑶、コンプトン散乱等の影響
宇宙背景放射の空間を通り、粘性減衰作用を起こしていることも否めない。コンプトン散乱も要因の一つである。
ほとんど静止した電子に光子が衝突する普通のコンプトン散乱では、電子はエネルギーを失って波長の長いエネルギーの光子になる。
逆のケースではスニアエフ=ゼルドビッチ効果がある。3k宇宙背景放射の光子は銀河団の中の高温ガスの電子によって逆コンプトン散乱を受け、長波長領域の光子がエネルギーをもらって短波長領域に移る現象もある。
参考文献
伊達宗之著『新しい物性物理ー物質の起源からナノ:極限物性まで』講談社2005.6.20 1刷発行
p20 エネルギが低いときは主として波動的に見え、エネルギーが高いと粒子的に見えやすい。ガンマー線は常に粒子的に見え、これを波として捉える観測機はまだない。
広瀬立成著『ヒッグス粒子』ナツメ社 2012.8.30 初版発行
p134~135 光子の質量はなぜゼロか
鈴木浩平著『振動する世界』ナツメ社 2009.2.3 初版発行
p79 粘性減衰、摩擦減衰、履歴減衰
G・フレーザー著 佐藤勝彦監訳 沢田哲生訳 『反物質』シュプリンガー・フェアラーク 2003.1.14初版2刷
小向正司 編集人『最新 宇宙論』学研 1989.6.1 第4刷発行
p174~178 「ハッブルの法則」は破綻する?
矢沢 潔 構成『最新アインシュタイン論』学研 1989.12.1発行
水谷 仁 編集人 『天文学11の革命』ニュートンプレス2007.6.7発行
竹内均 編集人『銀河大紀行』ニュートンプレス 2003.5.1発行
渡部潤一監修『宇宙のしくみ』新星出版 2005.12.5初版発行
『最新 天体論 全域スペクトルがとらえた変貌する宇宙』 学研 1989.4.1
p42.赤方偏移の原因論争
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