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政治(金融)講座ⅴ927「含み損の顕在化と風評被害と取付騒ぎ、欧州への波及」

吾輩は、50年間金融機関に勤務したが、激動な経験をした。母方の実家は裕福な家庭だったようであるが、昭和の金融恐慌の時に銀行の取付騒ぎで預金を払出できず、銀行から預金(銀行券)の一部を戻してもらったのが次の兌換紙幣である。その苦い経験と銀行券が語り継がれててきている。それが次の日銀券(兌換)である。その後紆余曲折を経て、不兌換紙幣に変わるのである。

兌換紙幣と不兌換紙幣

物価高騰というインフレ(狂乱物価)も経験していて、貨幣価値は永遠ではないことも身をもって味わった。人生はまだ終わっていないが、波瀾万丈な銀行生活であった。 翻って、現在の世界の金融経済を俯瞰すると、もっと、変革が始まる予感がするのである。ロシアのウクライナ侵攻、中国の台湾侵攻が最大の懸念材料であろうが、今後起こる事は大体予想がつく。古きを訪ねて新しきを知る。温故知新。歴史は繰り返されているのが分かる。ふと、アメリカ合衆国のヘッジファンドを主とした、機関投資家による通貨の空売りに惹起されアジア通貨危機を招いて、韓国経済をも破綻へ誘導したことを思い出したのでその関連記事も紹介する。
今回は、欧州への影響の報道記事を紹介する。

     皇紀2683年3月15日
     さいたま市桜区
     政治(経済)研究者 田村 司

まだある「債券巨額含み損」米銀破綻の次に注意 欧州に危機のマグマ、クレディ・スイス株価に黄信号

田渕 直也 によるストーリー • 2 時間前

3月10日、全米16位のシリコンバレー銀行(以下SVB)が破綻、市場にはショックが走った。SVBは、その名の通り、ハイテクのメッカであるカリフォルニア州シリコンバレーにある中堅銀行で、預金の受け入れについても、貸し出しについても、ハイテクやヘルスケア関連のスタートアップ企業が非常に多いというやや特殊な銀行である。

破綻したシリコンバレー銀行(写真:The New York Times)© 東洋経済オンライン

【グラフ】足元で急騰する米国の長期金利

米銀の破綻としては史上2番目の規模とされているが、その資産総額は2090億ドル(およそ28兆円)、最大手のJPモルガンと比べると17~18分の1、業態は違うが2008年に破綻したリーマン・ブラザーズの3割程度である。

リーマンのように金融市場で大きな存在感を示す存在だったわけでもなく、そうした意味ではSVBの破綻そのもののインパクトはそれほど大きいわけではない。だが、これは氷山の一角と捉えるべきものであり、水面下で何が起きているのかが重要な点である。

SVBはなぜ破綻したのか

まず、簡単にSVB破綻の構図を見ておこう。SVBはコロナ後の金融緩和の中、2020年から2022年初までのわずか2年で、預金残高を3倍超と急激に伸ばした。そして、その急増する預金の大半を国債や住宅ローン担保証券(RMBS)などの債券投資に充てていたのだ。

これらの債券は、債務不履行(デフォルト)に陥るリスクが極めて低い安全資産とされるが、金利の上昇によって価格が下がるリスクはある。とくに満期までの期間が長い債券はそのリスクが大きい(ちなみにRMBSは通常、満期までの期間が長く、さらに金利上昇時には普通の債券よりも価格が下がりやすくなるという性質をもっている)。

2022年以降、FRB(連邦準備制度理事会)による急激な利上げが始まると、これらの債券の価格は大きく下がり、SVBは大きな含み損を抱えるようになった。債券の含み損というのは、今売却するといくら損するかを示すものである。売らなければ損は表面化しないが、表面化しない場合でも、債券の収益性が今の金利に比べて低くなっていることを表すものとなる。

一方で、急激な金利上昇は、2つのルートで預金の流出を招く。1つ目は、国債などの利回りが上昇するにしたがって、低利の預金に魅力がなくなり、債券に資金がシフトすることによるものだ。2つ目は、SVB特有の要因であるが、金利上昇でベンチャーキャピタル(VC)やプライベートエクイティ(PE)ファンドの資金力が落ち、スタートアップ企業の資金繰りが厳しくなって、預金引き出しが増えることによるものである。

債券投資の原資である預金残高が減少すれば、債券を満期まで保有し続けることができず、損失覚悟での売却を余儀なくされる。預金残高の減少を抑えようと預金金利を大幅に引き上げれば、今度は低利の債券利回りよりも資金調達コストが上回って逆ザヤとなってしまう。

結局SVBは、

①預金の減少を食い止めることができずに債券売却を迫られ

②巨額損失の発生と資金繰り難によって信用不安が高まり

③頼みの綱の緊急増資計画も失敗に終わった

といういう一連の流れにより、破綻を余儀なくされたのである。

システミックリスクに発展する可能性は低い

先述の通り、SVBの破綻そのものは、その規模や金融市場でのプレゼンスからして、ただちに金融システム全体を揺るがすシステミックリスクにつながるようなものではない。ただし、この手のショックは、ある程度、他に波及することが避けられない

たとえば、早速3月12日に、シグネチャーバンクという暗号資産関連の取引が多い銀行が破綻している。シグネチャーバンクは規模でいうとSVBの半分程度なので、やはり単独のインパクトはそれほど大きくないが、預金者の不安心理が広がれば、次に何が起きるかわからなくなる。

その点では、SVBについても、シグネチャーについても、アメリカ当局は預金を全額保護する方針を固めており、いわゆる“取り付け騒ぎ”の広がりはある程度抑えられるだろう。

いずれにしても、最も肝心な点は、こうしたショックが大手行にまで波及するかどうかである。今のところ、大手を巻き込む形で危機が拡大すると見る向きは少なく、その通りであれば、株式市場の動揺も早晩落ち着くはずである。

そのように見られている背景としては、なんといっても2008年のリーマンショック以来、様々に規制が強化され、総じて大手行の資本基盤は以前よりもはるかに頑健になっていることが挙げられるだろう。

このようなことから、今回のSVBショックが金融危機のような事態に発展する可能性は今のところそれほど高くはない。「SVBという特殊な銀行による特殊な事例」と見る向きすらある。

だが、この手のショックは必ず何らかの波及効果を持つ。まず、ある程度見えている波及効果としては、SVBやシグネチャーの顧客であるテック系スタートアップ企業や暗号資産業界への悪影響である。こうしたセクターは金利上昇ですでに強い逆風を受けているが、取引銀行の破綻でさらに資金繰りが厳しくなることが予想される。

水面下には債券巨額含み損の存在

それ以上に大きな懸念は、SVBやシグネチャーの顧客構造が特殊ということはあるにしても、金利上昇に伴う債券含み損の拡大という問題は、多くの金融機関に共通するものだということである。

下のグラフは、10年物アメリカ国債利回りの推移である。昨年来の債券利回りの上昇(債券価格の下落と同義)が近年の金利変動の中でも、いかに強烈なものであるかがわかる(外部配信先では図表・グラフや画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

シリコンバレー銀行© 東洋経済オンライン

たとえば1994年の債券利回り上昇は、多くのファンドや金融機関に損失を発生させ、“1994年の大虐殺”と呼ばれる事態を招いた。昨年来の利回り上昇幅とスピードは、そのときをはるかに凌ぐ。しかも、アメリカ国債の残高(時価ベース)は近年急激に増加しており、その一部はFRBが保有するとはいえ、民間部門の保有額は1994年当時とは比べものにならないだろう。つまり、市場のどこかには、それだけ巨額の債券含み損が発生しているということである。

それが全く表面化することなく、何ごともなく過ぎ去ることの方が考えにくいことなのだ。つまり、SVBショックがそのうち落ち着いたとしても、別のショックが表面化するリスクは消えない

その点で、気にすべきは欧州であるかもしれない。欧州も同じように金利上昇に伴う債券の含み損が多く発生しているはずである。それに加えて欧州には、もともと経営基盤が脆弱な大手銀行がいくつか存在する。

たとえばクレディ・スイスは、大手取引先であったヘッジファンドの破綻や数々のスキャンダルで経営危機が囁かれ、株価は大きく下がっている(下チャート)。SVBショックと直接の関係はないが、あらためてその経営の持続性について市場での疑心暗鬼が膨らみ始めている。


クレディ・スイス 株価© 東洋経済オンライン

金融システムは、結局のところ信頼で成り立っているのである。何かをきっかけに信頼が崩れてしまえば、市場はただ恐怖が支配する場となり、そうなれば合理的な予想は意味をなさなくなる。2008年のリーマンショックのとき、経営基盤が比較的しっかりしていたモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスでさえ、不安心理の高まりによる資金流出で危機にさらされた。そのことを忘れるべきではないだろう。

最後に、このような潜在的リスクがある以上、FRBによるこれからの利上げは困難を伴うものとなろう。金利が上がり続ければ、同じようなショックがまたどこかに発生する可能性が高まるからだ。

そうした意味でも、SVBの破綻は相場局面を大きく変える分水嶺となるかもしれない。

米SVBに続きまた危機説…ファーストリパブリック銀行に破綻の懸念

3/14(火) 11:09配信

 スタートアップとIT企業の資金源の役割を担ってきた米シリコンバレー銀行(SVB)に続きニューヨーク州のシグネチャー銀行も破綻したことが伝えられ、次の銀行はどこになるのかに世界の金融業界の関心が集まっている。ニューヨーク州は12日、代表的暗号資産銀行であるシグネチャー銀行を閉鎖し資産没収手続きに入ったと明らかにした。これに先立ち先週閉鎖したシルバーゲートのようにシグネチャー銀行も最近の暗号資産市場不況で資金難に陥っていた。 こうした中、投資家は次に破綻する可能性が高い銀行としてSVBと似た動きを見せたファーストリパブリック銀行を懸念しているとウォール・ストリート・ジャーナルが12日に報道した。サンフランシスコに本社を置く中小銀行のファーストリパブリック銀行は昨年末基準で総資産2126億ドル。総預金残高1764億ドルで、総資産2090億ドル、総預金残高1754億ドルのSVBよりやや大きい規模だ。このためファーストリパブリック銀行が破綻する場合、SVBよりも大きな衝撃が訪れるかもしれないとの観測も出ている。 ファーストリパブリック銀行の危機説が出ると米政府は資金緊急注入に出て鎮火を試みた。同紙によるとファーストリパブリック銀行はこの日米連邦準備制度理事会(FRB)とJPモルガン・チェースなどから資金を調達し、使用可能流動性を700億ドルに増やした。ファーストリパブリック銀行はこの日声明を通じ「当局が認める流動性と資本状態は十分だ」とした。この銀行は今回確保した流動性のほかにもFRBが作ることにした新たな基金(BTFP)の支援も受けられる状態とした。 それでも投資家はファーストリパブリック銀行がSVBと同様の流れを見せたという点を懸念している。この銀行は10日に株価が15%急落するなど先週だけで約30%下落した。裕福な顧客に大規模モーゲージ(住宅担保貸し出し)を提供するなど積極的営業をしてきたがFRBの利上げの動きでモーゲージ金利が交渉し営業が苦しくなっていた。同紙によるとファーストリパブリック銀行の預金のうち保護対象にならない25万ドルを超える預金金額は1400億ドル以上だ。 米政府は早期鎮火に総力を上げている。米財務省とFRB、連邦預金保険公社(FDIC)は12日、SVBに預けていた顧客の預金を保険限度と関係なく全額保証することにした。 ◇バイデン政権、SVB問題火消しに乗り出す…「3月の0.5%利上げ」見通し0%に また、流動性が不足した金融機関に資金を貸し付けることにした。 バイデン米大統領は事態の早期鎮火に直接立ち上がった。バイデン大統領は13日の国民向け演説を通じ「みなさんは銀行システムが安全だという自信を持っても構わない。みなさんの預金は必要な時そこにあるだろう」と明らかにした。 米CNNによるとバイデン大統領はこの日、AUKUS3カ国会談のためサンディエゴに発つ前にSVB破綻と関連した演説をした。バイデン大統領はまた「(問題になった)銀行に口座を持っている全米の中小企業は社員に給与を払い請求書の支払いができるという事実に安心することになるだろう」と話した。バイデン大統領はこれとともに「納税者のお金は救済金融に使われないだろう」と強調した。 今回の決定によりSVB預金者は13日から預金全額にアクセスできる。金融機関への資金貸付の具体的規模は公開されていないが、FRBは「数兆ドルの潜在的需要を満たすのに十分な規模」とした。米財務省はSVB破綻の余波で12日に閉鎖されたシグネチャー銀行に対してもすべての預金者を対象に同様の対策を用意した。ニューヨーク州規制当局金融サービス部(DFS)はこの日、置金885億9000万ドル規模のシグネチャー銀行を管理下に置き、FDICを破産管財人に任命した。 今回の事態が2008年の金融危機当時と似た状況で広がっているという懸念が出てきたが、13日に世界市場で心配された「ブラック・マンデー」は広まらなかった。この日KOSPIは前営業日より0.67%、KOSDAQは0.04%上がって取引を終えた。ソウル外国為替市場でウォン相場は前営業日より22.40ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1301.80ウォンで引けた。米当局の素早い措置が不安心理を和らげた、20~21日の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが緊縮の速度調節に出るかもしれないとの期待感が反映されたためだ。だが欧州の証券市場は13日の取引開始直後に一斉に急落傾向を見せた。英FTSE指数はこの日午前11時30分基準で前営業日終値より2.10%下落の7586.01を記録した。同じ時間フランスCAC40指数は2.51%、ドイツDAX指数は2.57%値を下げた。 実際に米シカゴ商品取引所のFRBウォッチによると、3月の0.5%の利上げを予想した専門家の割合は11日に40.2%だったが、13日19時基準では0%に急落した。これに対し以前は0%だった金利据え置きの予想は41.7%まで増えた。 だが韓国政府は緊張を緩めずにいる。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はこの日首席秘書官会議で「金融市場の不確実性が広がっている。国内金融市場と実体経済に対する影響を綿密に点検せよ」と指示した。

「SVB破綻」で恐怖伝染…KOSPI今年最大の下げ幅

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.15 07:11

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韓国証券市場

アジアの金融市場が「黒い火曜日」を迎えた。米シリコンバレー銀行(SVB)破産の影響で米国の緊縮方向が五里霧中となり恐怖が市場を襲ったためだ。

14日の韓国総合株価指数(KOSPI)は前日より2.56%下落した2348.97、KOSDAQ指数は3.91%下落した758.05で取引を終えた。

今年に入り最大の下げ幅を記録した。外国人投資家の売り攻勢が指数を引き下げた。この日外国人投資家はKOSPIで6397億ウォン、KOSDAQで2457億ウォンを売り越した。外国人投資家は先物市場でも1兆6154億ウォンを売り越した。ウォン相場も急落した。この日ソウル外国為替市場でウォン相場は前日より9.30ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1311.10ウォンで取引を終えた。アジア市場もSVB発の影響を避けることができなかった。日経平均が2.19%安、香港ハンセン指数が2.27%安、台湾加権指数が1.29%安、中国上海総合指数が0.72%安など、主要指数が一斉に下落した。

「ブラックマンデー」を回避した市場の雰囲気が1日で変わったのは、SVB発の不確実性に市場が一歩遅れて反応した結果だ。SVBに続きニューヨーク州のシグネチャー銀行が破綻し、サンフランシスコのファーストリパブリック銀行に対する懸念まで台頭し不安が拡大している。

急激な金利引き上げの費用請求書が遅れて配達され、これまで米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の口だけ見ていた投資家の視線が景気低迷の可能性にシフトしたのだ。物価と金融安定の間でFRBの悩みも深まることになった。「FRBの非公式報道官」と呼ばれるウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス記者は13日、「SVBとシグネチャー銀行の崩壊による地方銀行の株価急落は高いインフレ(物価上昇)と戦ってきたFRBが1年間避けたかった状況」と指摘した。クレディスイスのアジア・太平洋地域最高投資責任者ジョン・ウッズ氏はブルームバーグテレビとのインタビューで、「流動性リスクに関連するだけにFRBが利上げを止めると思う」と話した。これまで投資家はFRBのピボット(立場旋回)だけを待ってきた。パウエル議長がハト派(通貨緩和)の立場だけ示しても株式市場が歓迎した理由だ。だが今回は違う。物価との戦いが終わっていない状況でFRBの後退が米国経済の急速な沈滞のシグナルとみなされるからだ。

教保(キョボ)証券リサーチセンター長のキム・ヒョンリョル氏は「FRBピボットが物価安定目標を達成した後ならば市場が歓呼したが現状況での態勢転換は米国の金融システムリスクがそれだけ高いという意味。SVB破綻が民間経済に及ぼす影響がわからないだけに当分変動性が大きくなるほかない」と話した。

◇世界の金融関連株時価総額2日で4650億ドル蒸発

米国債2年物利回りは7日に2007年6月以降で初めて5%を超えたが13日には4.03%で取引を終えた。1週間もたたずに1%急落したのだ。短期物利回りの急落は急激な金利引き下げの可能性が高くなったという意味でもある。

中央銀行が急激な利下げで通貨政策のキーを回すのは経済に問題が生じた時だけだ。KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「FRBの緊縮の動きを脱線させかねないひとつは金融危機。われわれが危機を避けられるかはまだ確実でない」と話した。

米国政府がSVB破綻の早期鎮火に出たが市場は米国地方銀行のリスクに対し懸念している。ともすればSVBと同規模の米国中小地方銀行が連鎖倒産しかねないという懸念が出ている。ニューヨーク証券市場では中小銀行株の急落傾向が続いた。「第2のSVB」の可能性が出てきたファーストリパブリック銀行の株価は1日で61.8%下落し、ウェスタン・アライアンス・バンコープが47%、パックウェスト・バンコープが21%、ザイオンズ・バンコーポレーションが25.7%など地方銀行の株価が一斉に下落した。

ロイター通信によると、ムーディーズはファーストリパブリックをはじめウェスタン・アライアンス・バンコープ、コメリカ、UMBファイナンシャルなど地銀6社に対し格付け引き下げを検討中だと明らかにした。余波は大手銀行にも広がっている。ブルームバーグはこの日、SVBに対する懸念から世界の金融関連株の時価総額が2日で4650億ドル(約62兆円)減少したと報道した。

米国が予想より早く景気低迷や金融危機に陥るのは世界の金融市場が懸念するシナリオだ。ソシエテ・ジェネラルのアジア株戦略責任者フランク・ベンジムラ氏は「米国の景気低迷が予想より早く発生するリスクが大きくなりアジア証券市場も反応している。韓日のように景気サイクルに多くの影響を受ける国や小型株などがさらに大きな影響を受ける恐れがある」と話した。

SVBの経営破綻、政府や韓銀も懸念...「銀行閉鎖につながり、市場の変動性が高まる可能性も」=韓国


SVBの経営破綻、政府や韓銀も懸念...「銀行閉鎖につながり、
市場の変動性が高まる可能性も」=韓国(画像提供:wowkorea)

韓国政府と韓国銀行は、米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻が銀行閉鎖につながり、市場の変動性を高める可能性があると懸念した。

 チュ・ギョンホ(秋慶鎬)経済副首相兼企画財政相、キム・ジュヒョン(金周顯)金融委員長、イ・ボクヒョン(李卜鉉)金融監督院長、イ・スンホン韓国銀行副総裁、チェ・サンモク(崔相穆)大統領室経済首席など経済・金融のトップらは12日、ソウル中区の銀行会館でマクロ経済・金融懸案関連定例懇談会を開催し、SVBの経営破綻が国内に及ぼす影響を話し合った。

 出席者らは懇談会後、「今回、SVBの流動性危機が銀行閉鎖につながることで、金融市場の変動性と不確実性が拡大する可能性を排除できない」と明らかにした。

 また「まだ今回の件が、米国銀行など金融圏全般のシステムリスクとして拡散しないだろうという専門家らの見方が優勢だ」と伝えた。

 その一方で「グローバル金融の緊縮によって、市場の変動性が高まっている。この状況では国内外の金融市場、実物経済などに対する影響を排除できない」と強調した。

 そして、「政府と関係機関は関連状況を24時間綿密にモニタリングし、必要に応じ迅速に対応することで、韓国経済の副作用として拡散しないよう厳格に管理していくことにした」と述べた。

 韓国の金融当局は、国内の金融市場に及ぼす影響を注視しているという。しかし、国内銀行の場合、今回の事態と関連したものがなく、資本の健全性も強化されているため、韓国金融市場への影響は限定的だとみている。

 一方、韓国の金融当局は、SVBの閉鎖が国内外の金融市場に与える影響について、分析・点検している。

 金融当局の関係者は、「リスク回避の強化や外国人資金の流出の影響があるかもしれないが、総合的に判断すれば国内金融市場への影響は限定的だ」と述べた。

 この関係者は、「国内金融市場は、米国のSVBとは事業モデルが異なる」とし、「逆にこの件がアメリカ連邦準備制度(Fed・FRB)に利上げを制限する圧力として作用する可能性もあるため、この点では肯定的な側面もある」と語った。

 金融監督院はSVBの経営破綻が国内銀行とは関連ないものの、金融市場に影響を与える可能性があるため、国内の対応状況を再確認する予定だ。

 金融当局の関係者は、「国内銀行の預金構造は預金保険限度額が高い卸売り額が大きくなく、債権比重が大きいところもない」と述べた。

 また「国内銀行の中に、SVBやシリコンバレーにエクスポージャー(リスクにさらされている金額)があるところもなく、市場全体への影響はない」としつつ、「しかし各国も今回の事態と関連して点検すると見られるため、私たちも注視する必要がある」と付け加えた。2023/03/13 06:11配信 Copyright(C) herald wowkorea.jp 104


参考文献・参考資料

まだある「債券巨額含み損」米銀破綻の次に注意 欧州に危機のマグマ、クレディ・スイス株価に黄信号 (msn.com)

取り付け騒ぎ - Wikipedia

米SVBに続きまた危機説…ファーストリパブリック銀行に破綻の懸念(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース

「SVB破綻」で恐怖伝染…KOSPI今年最大の下げ幅 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)

SVBの経営破綻、政府や韓銀も懸念...「銀行閉鎖につながり、市場の変動性が高まる可能性も」=韓国│韓国経済│wowKorea(ワウコリア)

アジア通貨危機 - Wikipedia

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