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政治(歴史)講座ⅴ1496「兵法三十六計(走為上)の中華民国」

中国の歴史を少し前まで振り返る。
清王朝の第12代にして最後の皇帝愛新覚羅 溥儀(在位:1908年12月2日 - 1912年2月12日)は中国大陸では孫文などの辛亥革命(民主化運動)で発足して建国された中華民国から逃げ出して出身地の満州に日本国の庇護のもとに満州国の皇帝になるのである。
その当時、社会主義・共産主義の暴力革命が勃発する。財産の略奪・権利侵害は暴力革命で正当化したのが共産主義の本質である。それが疫病の如く心を蝕み社会秩序を崩壊へといざなったのである。ロシア革命で始まったこのような熱病が中国へと伝播するのは早かった。ソビエト連邦ができて、世界政府の野望はアジアまで魔の手を広げたのである。そして中国大陸には中華民国以外に中国共産党が台頭してくるのである。日本が第二次世界大戦の敗戦(1945年)により中国大陸から引き揚げた後に、中華民国と中国共産党の戦いが始まるのである。中国共産党は日本兵の兵器を摂取して、中華民国に優位に戦いを進めて、中華民国を台湾に追い詰めたのである。台湾の権利は日本が放棄したが台湾の帰属は国際法上定められていないのである。中華民国は台湾を連合国に代わって代理占有している位置づけである。1949年10月1日に中華人民共和国が北京で建国宣言をした。
中華民国は逃げた
のであるが、まだ、国家として存在している。「一つの中国」と言うのは、中国大陸の統治者であるとの中華民国の主張でもあるのである。兵法三十六計では最終的に逃げることは負けを意味しないので、力を蓄えて形勢逆転の機会を狙うための計略であると説くのである。
つまり今の中華民国と中国共産党の勝敗はまだついていないのである。故に、武力侵略をも辞さないとの習近平の主張する根拠である。今回はそのような報道記事を紹介する。
蛇足:中華人民共和国は中国共産党の失政で不動産バブル崩壊で経済危機を迎えている。そうすると中国共産党の統治の正統性が失われて中華民国が中国大陸に返り咲き支配することになる可能性が出てきたのである。
兵法三十六計の「逃げるが勝ち」の通りになりそうな趨勢である。中華民国、挺住!、加油!

     皇紀2683年11月16日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

はじめに

 アメリカは1972年のニクソン訪中から‘79年には台湾(中華民国)との国交を断絶し、中華人民共和国と国交樹立して以来、一度として「台湾独立」を支持したことはありません。

 また、中華民国政府も「独立」と言ったことは一度もないのです。

 これは「匪賊(ゲリラ)が“中華人民共和国”を名乗っているだけで、われわれ中華民国が正統な政権なのだ」、つまり独立どころかわれわれこそが中国の主だ、という従来からのたてまえ的主張をまったく変えていないのと同じです。

 アメリカの国務長官が、昔からのたてまえを口にした。それだけなのに、なぜ日本には「アメリカが中国に屈した。これで危機は去った」と思う人たちが出てくるのでしょうか。

【解説】 中国と台湾の関係、すごく分かりやすく説明

2022年8月4日

デイヴィッド・ブラウン、BBCニュース

画像説明,台湾兵のイメージ画像

アジアを歴訪中のアメリカのナンシー・ペロシ下院議長が2日深夜、台湾を訪問した。中国は、「極めて危険」な行動だと非難している。

ペロシ氏の今回の訪台は、過去25年間で、最も高位の米政治家によるものだ。

中国は台湾を、自国から分離した省で、いずれは再び中央政府の支配下に置かれるべきだと考えている。

一方で台湾は、独自の憲法と民主的に選出された指導陣を持つ独立国家を自認している。

中国の習近平国家主席は台湾「統一」は「必ず果たさなくてはならない」とし、そのための武力行使の可能性を排除していない。

台湾はどこにあるのか

台湾島は中国南東部沿岸からおよそ160キロ離れた場所にある。

いわゆる「第一列島線」に位置し、アメリカの外交政策にとって重要な、同国に友好的な地域が含まれる。

中国が台湾を統一すれば、西太平洋地域でより自由に力を誇示できるようになり、グアムやハワイなどの遠隔地にある米軍基地さえも脅かす可能性がある――。そう指摘する西側の専門家もいる

しかし中国は、純粋に平和的な意図しかもっていないと主張している。

台湾は常に中国から切り離されていたのか

複数の史料は、清が中国を支配し始めた17世紀に初めて、台湾が完全な支配下に置かれたことを示唆している。中国は1895年に日清戦争に敗れると、台湾島を日本に明け渡した

1945年に日本が第2次世界大戦に敗れると、台湾島は再び中国のものとなった。

しかし中国大陸では、蒋介石率いる国民政府勢力と毛沢東率いる共産党との間で内戦が勃発した。

1949年に共産党が勝利し、北京を支配下に置いた。

蒋介石と中国国民党の残党は台湾に逃れ、その後数十年にわたり台湾を統治した。

中国は台湾について、もともと中国の省だった歴史があるとしている。しかし、台湾人は同じ歴史を根拠に、自分たちは1911年の辛亥革命後に初めて建国された中華民国、あるいは1949年に毛沢東政権下で建国された中華人民共和国の一部だったことは、一度もないと主張している。

画像提供,GETTY IMAGES

画像説明,蒋介石は台湾に逃れた後、国民党を率いた

国民党は以来、台湾で最も重要な政党の1つであり、その統治は台湾史の大部分にわたり続いた。

現在、台湾を主権国家として承認しているのは13カ国とローマ教皇庁(ヴァチカン)のみ。

中国は他国に対し、台湾を主権国家として承認しないよう、あるいは承認を示唆することがないよう、相当の外交圧力をかけている。

台湾の国防部(国防省)は中国との関係はこの40年間で最悪だとしている。

台湾は自衛できるのか

中国は、経済関係の強化といった非軍事的な手段で台湾「再統一」を実現しようとすることもできる。

しかし、なんらかの軍事的対立が起きた場合には、中国軍は台湾軍を凌駕(りょうが)するだろう。

中国はアメリカを除く他のどの国よりも多額の国防費をつぎ込んでいる。海軍力からミサイル技術、航空機、サイバー攻撃に至るまで、膨大な範囲の能力を活用できる状態にある。

中国の軍事力の大半は別の場所に注がれているものの、例えば現役部隊の全体像を見ると、中国と台湾の規模には大きな差があることがわかる。

西側の専門家の中には、台湾はせいぜい中国の攻撃を遅らせて、中国の上陸作戦部隊が沿岸部から上陸するのを阻止し、ゲリラ攻撃を行いながら他国からの援助を待つことしかできないだろうと予測する人もいる。

そうした援助は、台湾に武器を販売しているアメリカから得られるかもしれない。

アメリカはこれまで、「戦略的あいまいさ」として知られる政策により、台湾が攻撃を受けた場合に台湾をどのように防衛するのか、そもそも実際に防衛するのか、意図的に不明確にしてきた。

現時点では、アメリカは外交上は「一つの中国」政策を堅持し、(北京にある)中国政府のみを承認している。正式な国交も、台湾とではなく中国と結んでいる。

しかし、ジョー・バイデン米大統領は5月、米政府の立場を硬化させるような発言をした。

台湾を軍事的に防衛するのかと記者から問われ、バイデン氏は「イエス」と答えたのだ。

ただ、ホワイトハウスは、これまでの立場を変えたわけではないと主張した。

状況は悪化しているのか

中国は2021年に台湾の防空識別圏に軍用機を送り込み、圧力を強めているようにみえた。防空識別圏とは、台湾が独自に設定した、安全保障を目的に外国機を識別、監視、制御する区域。

台湾は2020年に防空識別圏に侵入した航空機に関するデータを公開した。

報告件数は2021年にピークに達し、1日に56機が侵入することもあった。

台湾はなぜ世界にとって重要なのか

台湾経済は非常に重要だ。

携帯電話やノートパソコン、時計、ゲーム機器など日常生活で使用される電子機器の多くには、台湾製のコンピューター・チップ(半導体)が使われている

ある指標では、台湾積体電路製造(TSMC)の1社が世界市場の半数以上を占めているとされる。

TSMCはチップを製造するいわゆる「ファウンドリ」企業。ファウンドリは2021年時点で1000億ドル(約13兆円)規模の巨大産業となっている。

中国が台湾を支配すれば、世界で最も重要な産業の1つを中国政府が手中に収めることになるかもしれない。

台湾人は心配しているのか

直近の中国と台湾の緊張状態をよそに、多くの台湾人が比較的平静を保っていることを示す調査結果が出ている。

2021年10月に台湾民意基金会が、「いずれ中国と戦争が起こる」と思うか質問したところ、回答者のほぼ3分の2(64.3%)が「あまりそう思わない」、「まったくそう思わない」と答えた。

別の調査では、台湾のほとんどの人が「台湾人」を自認しており、中国大陸の人とは明確に異なるアイデンティティーを持っていることが示された。

台湾の国立政治大学が1990年代前半から行っている調査によると、中国人、あるいは中国人と台湾人の両方を自認する人の割合は減少傾向にあり、大半が自らを台湾人だと考えていることが分かっている。

画像説明,中国兵のイメージ画像

(英語記事 China and Taiwan: A really simple guide


台湾と中国の関係をわかりやすく解説!台湾問題や独立できない理由は

  • 2022年10月17日

中国とは?中華人民共和国と中華民国のどっち?

台湾問題は「ひとつの中国」を巡って、発生した問題です。

みなさんは中華人民共和国と中華民国のふたつを聞いたことがあると思います。

中華人民共和国

中華人民共和国は、我々が中国と呼んでいる大きな大陸の領土を持った国のことです。


中華民国(台湾)

一方で、中華民国とは台湾のことです。台湾は島の名前であり、国の名前を中華民国と名乗っています。

中華人民共和国と台湾の違いがわかったところで、台湾問題に戻ります。

とても簡単に言うと台湾問題はどちらも自分が中国だと思っていて、どちらが本物なのか譲らないことから発生した問題です。

ただし、厳密に言うと、この解釈は台湾の中では変容しつつあります。

台湾問題が発生した理由

台湾問題が発生した理由は、中国共産党と中国国民党のどちらが中国を統治するのかを巡って発生しました。

これについて、台湾問題発生に関して重要なできごとなのが以下の年表です。

1912年中華民国の建国1919年中国国民党、中国共産党結成1945年日本が敗戦、台湾を手放す1946年国共内戦1949年中華人民共和国建国、中華民国が台北に遷都

ひとつの中国問題が発生した背景には、歴史的な問題がありました。中国大陸では、1911年に清という王朝が辛亥革命によって倒されます。そこで1912年にできたのが、中華民国です。

そして、政治を動かす政党として中華民国を建国した孫文が中国国民党を1919年に結成します。同じように1919年に中国共産党という政党が結成されます。

しかし、中国国民党と中国共産党は一時期協力状態にありましたが、思想などの面で仲が悪かったのです。その後、日中戦争を経て、中華民国は米英側として第二次世界大戦に参加して勝利します。

ちなみにこの頃、台湾を支配していたのは日本でした。


世界大戦が終結すると、中国国民党と中国共産党の仲の悪さが明らかになり、1946年から内戦を開始します。中国国民党は日中戦争で疲弊していたのに加え、中国共産党はソ連の援助などを受けて、中国共産党は中国国民党を中国大陸から追い出します。

そして、中国にふたつの世界のパラレルワールドが生まれます。1949年10月1日に中国共産党は中華人民共和国を中国大陸で建国します。1949年12月7日に中華民国は台北に遷都して、中国国民党は台湾の実効支配を本格化させます。その時には、日本は敗戦しているので、台湾からいなくなっていました。

しかし、両方が実効支配している場所が変わっても。中国国民党と中国共産党の思想は変わりませんでした。

それから、中華民国側の中国国民党は「いつか中国大陸全土を支配したい」という野望と、中国共産党は「自分たちこそが中華民国を継承していて台湾も自分の領土だ」という思いが錯交して両方が睨み合って台湾問題に発展しているのです。

現代の台湾問題

現在の台湾問題は、中国国民党と中国共産党が台湾と中国本土をどちらが支配するのかで、争っているのではなく、中国共産党が台湾に対して圧力をかけて併合しないことにシフトしています。

冷戦の時代には、「本当の中国はどちら」という想いで中華人民共和国と中華民国は争っていました。しかしながら、徐々に問題のポイントはズレていっています。昔は台湾が中国に攻め込もうとする力がありましたが、現在では力関係が全く異なり、中華人民共和国の方が圧倒的に強いです。だから台湾では、いかにして中華人民共和国の侵攻や攻撃を防ぐのかというのが台湾問題の重要部分になっています。このあたりを台湾はアメリカと連携しながら国防を強めています。

また、中国国民党と中国共産党がバチバチに睨み合っていた時代から変わって、台湾人は、どちらが中国かという対立構造とは関係ない、純粋に台湾に生まれた台湾人しての国家を歩もうともしています。つまり、中華民国を捨てて「台湾」という国家としてスタートを切る動きがあります。

もちろん、中華人民共和国から見ると、自国の領土が独立しようとしているので非常に面白くないので押さえつけようとしています。

台湾問題は意外なところに飛び火

台湾と断交する国が増えています。最近では、太平洋の国々が中華人民共和国と国交を樹立して、台湾つまり中華民国と断交しています。この背景には「中国はどちらかひとつ」という考えがあり、国交を樹立する国にその選択を迫っているのです。ちなみに日本も中国と国交を結び、台湾と断交しています。

そして、2020年に流行した新型コロナウイルスの諸問題では、台湾のWHOの加盟も話題になりました。台湾がWHOに入れないのは、すでに中国がいるからです。中国が、中国は自分だけだと主張するため、台湾は国連にも入れないためWHOにも加盟できないのです。このあたりには中国の圧力がかかっていると言われています。

台湾に一国二制度は通用しない

92年コンセンサスとは

台湾(中華民国)と中国(中国共産党)の間には92年コンセンサス(92共識)というものがあります。これは、「中国はひとつだということは認める。しかし、ひとつの中国が何を指すかは各々の解釈に委ねる」というものです。これは1992年に中台双方の窓口機関の事務レベルでできあがったとされています。

そのため、非常にあやふやなもので、合意文書が存在しないため、台湾総統の蔡英文(さいえいぶん)は92年コンセンサスは存在しないという立場を取っています。

中国は一国二制度を提案

北京側は92年側コンセンサスにもとづいて、台湾に一国二制度を提案してきました。つまりひとつの中国(中華人民共和国)のもとで、台湾を統一しようと言ってきたのです。そももそも、一国二制度は香港が中国に返還された時に提案されたものです。香港を民主主義のまま、共産党独裁の中国が統治しようとしました。

しかし、香港では民主化の弾圧が起こり、一国二制度は崩壊したと言われています。それを台湾側から見ると受け入れることはできません。また、蔡英文総統は中国は民主主義ないこと、人権に対して不寛容であること、台湾への武力行使を放棄していないことを理由にして、一国二制度をつっぱねています。

なぜ台湾は独立できないのか

台湾が独立できないのは、もし独立すると中国との戦争になるからです。

台湾はすでに政府があって選挙も行っているので、独立国としての体裁は保っています。しかし、それでも台湾が独立を宣言すれば中国と戦争になってしまいます。

なぜならば、中国は昔から「台湾が独立するような素振りを見せると、武力で鎮圧する」と言ってきました。今の巨大な中国を見れば、武力で台湾は押し潰されてしまいます。それを避けるために実質的な独立国としての機能を保ちながら、それ以上の独立を求めていません。

ちなみに、中華人民共和国では、2005年の全国人民代表大会にて、「反分裂国家法」が制定されました。これは台湾が独立を宣言すると、武力で鎮圧するのを正当化する法律です。そのため、独立宣言は、中国との全面戦争をスタートするのと同じなのです。

台湾問題は中国大陸における、中国共産党と中国国民党の問題であることを理解していただけましたか?また、中国は一国二制度をチラつかせて台湾を統一しようとしていますが、武力行使のオプションも捨てていません。


参考文献・参考資料

中華民国 - Wikipedia

台湾 - Wikipedia

【解説】 中国と台湾の関係、すごく分かりやすく説明 - BBCニュース

台湾と中国の関係をわかりやすく解説!台湾問題や独立できない理由は│ニュース日本 (news-japan.tokyo)

愛新覚羅溥儀 - Wikipedia

中華人民共和国 - Wikipedia

辛亥革命 - Wikipedia

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