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【随時更新】ショートストーリー集

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1万字以下のショートストーリーです。
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#ショートストーリー

【小説】目に見える祝福

人の言葉が、物質となって見えるようになった。 そんなことを言うと、頭がおかしくなったと思…

辻村 いち
4か月前
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【3分エンタメ小説】おれが手に入れた自由【1000字】

背徳の時間は真夜中だけとは限らない。 狭いボロアパートの一角で、おれはケーキのフィルムも…

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【2分で胸キュン】好きな子に恋愛相談をくらって死にかける男子高校生の昼休み【小説…

「男の子が絶対にオッケーしたくなる告白の言葉って何だと思う?」 中学の頃から腐れ縁の鍋谷…

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【5分でほっこり】失恋で傷心真っ只中の女、バレンタインで愛に気づく【小説】

 カレンダーの日付を前にして、三木谷 沙織は目を見開いた。  ここのところ残業続きで、毎…

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【5分でほっこり】とある就活生のボーナスステージの過ごし方【小説】

私の身体は、最近、風船のように膨らみだしている。 最初は、小学生が顔を赤くしながら膨ら…

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【ショートショート】王女の首飾り

『あなたの首元を満月の輝きが彩ります』 『本物の月をネックレスに。ただ一つだけのジュエリ…

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【5分で恋愛もの】憧れの先輩と私の恋物語

「今日、朝まで一緒にいたい」 深夜1時。誰もいない、駅から少し離れた裏道の一角で健太先輩は確かにそう言った。 その言葉を受けて、私が視線を彷徨わせている間に、健太先輩の両手がいつの間にか自分の頬に添えられているのを感じる。 うちのダンスサークルで、一番キレがあって華のあるパフォーマンスをする健太先輩の手のひらは、少しかさついていた。 こんな手のひらだったんだ、と私は感動すら覚える。ずっと触っていて欲しいと思うぐらい。 頬から伝わる体温を辿るように、健太先輩と視線を合わ

【5分でラブ・ストーリー】教師と生徒のとある放課後【小説】【noteクリエイターフェ…

「先生、あげる」 背後からかけられた声に振り返ると、笹倉がコンビニの小さなビニール袋を俺…

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【2000字ホラー】スマホの中にいる

俺、スマホ買い換えようと思うんだ。 いや、うん、そう、3か月前に変えたばっかりなんだけど…

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【5分でホラー】悪友の部屋で遭遇したモノ

「俺、もしかしたら就活しなくて良くなるかも」 1杯290円のハイボールを片手に、順平はにや…

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【5分でホラー】脱衣所で聞こえる足音

我が家の脱衣所には、「何か」がいる。 それに気付いたのは、孝志が中学に入って、部活が忙し…

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【5分でほっこり】生意気OL、半裸で喰らうピザトーストに救われる【小説】

不愉快な朝というのは、目を開けた瞬間から無遠慮に降り注ぐものだ。 直射日光の眩しさに、真…

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【5分で読めるショートストーリー】飲めないOLが高級バーに行ってみた

持ち手が折れそうなほど細いワイングラスに、そっと口づける。 私の舌に広がるのは果実のよう…

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【10分で読めるショートストーリー】OLが最強のメンタル回復薬を手に入れた話

『絶対アヤカも気に入るから買った方がいいって』 アヤカがそんなメッセージが届いているのを見たのは、疲れた体を電車の座席に沈ませた時だった。親友のナミからだ。 またか、とアヤカはうんざりした気持ちで返信を打つ。正直、親指を動かすのも億劫なほど疲れていた。 『もう分かったってば。いいよ、私は。何だかそういうの怖いし・・・』 アヤカの返信を待っていたかのように、すぐに既読がつく。しまった、と思ったが遅い。ナミからまたメッセージが届いた。 『またそんなこと言って。乗り遅れる