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読書感想「アメリカの子どもが読んでいる お金のしくみ」 ウォルター・アンダル氏/木村満子氏(著)


この本を読もうと思った理由

アメリカというと投資による資産形成が日本に比べてとても進んでいる、という印象があります。なぜ資産形成が進んでいるのか、そこにはやはり教育の影響もあると思います。アメリカで子供たちがお金について学んでいることは、日本に100パーセント当てはまらないとはおもいますが、自分の資産形成や子どもたちの資産形成に役立つ情報があるのではないかと思い、この本を読みました。

心に残った内容・感想

お金の成り立ち

  • 何千年以上も前は、人々は自給自足の暮らしをしていた。

  • やがて、人々は専門性を身につけ、例えば狩が得意な人、農耕が得意な人、など職業のようなものができた。

  • 自分の専門以外の物資を手に入れたくなり、例えば狩ったイノシシと、他の人が育てた野菜を交換して手に入れる物々交換という制度が生まれた。

  • 物々交換では、例えばイノシシ2頭分が大根10本分の価値があると思っていても、同じ価値だと思う人が現れないと、物々交換が成立しない。

  • そこで金を用いた代々手段を考えた。金は珍しくて美しく、形も色々変えやすい。金が交換の手段として広く受け入れられた。

  • 金が交換の手段となったことで取引が盛んになったが、取引額が大きくなると、たくさんの金を持ち運ぶ必要があるため、不便になった。

  • そこで金を銀行や鍛冶屋に預け、代わりに約束手形を受け取った。約束手形は銀行や鍛冶屋にいくら金を預けてあるかの証明書であり、金の価値と同価なので、約束手形自体を使用しての取引が盛んになった。約束手形や紙のお金が取引のメイン手段となった。

  • 現在は金が紙幣や約束手形の裏付けを保証しているわけではない。その国の政府、円なら日本が、円には価値を保証している。

  • 人々が国がお金の価値を保証してくれると信じているため、お金、紙幣に価値がある。

インフレ

  • インフレとはものの価値が上がり、お金の価値が下がること。

  • 供給が一定で、需要が増えた時などに起こる。

  • インフレは通常毎年1〜2パーセント起こり、お金を貯金しているだけだど、お金の価値はどんどん減っていく。

  • 株を持つということは、その会社の一部を保有してるということ。

  • 株式市場でお金を儲ける方法は2つあり、1つは株を値上がりしたタイミングで売却すること。2つ目は会社が上げた利益を分配してもらうこと、いわゆる配当がある。

  • 株の値段も、他のものと同様に需要と供給で決まる。投資家から成長しないと思われたりすると、その会社の株価は下がる。

  • 株はお金儲けとして優れた手段ではあるが、値下がりのリスクもあり、株を買う前に企業の勉強をして、成長するのかなど、いろいろ調べる必要がある。

まとめ

 お金、インフレや株価など生活に浸透しすぎていて、成り立ちや意味を深く考えたことはありませんでした。この本ではそもそもの、ことばの成り立ち、意味合いを説明してくれていました。子供向けに作られたこともあって、丁寧に例え話を交えながら分かりやすく説明してくれていると思います。
 特にお金の成り立ちの説明では、なぜお金がこれほど人々に浸透しているのか、いかにすごい発明なのかの理解が深まりました。私は数年前から株式投資をはじめていますが、そもそもお金とはについて理解できていませんでした。この本を、読んでお金について完全に理解できたとは言い難いですが、少なくとももっとお金の成り立ちや、意味について勉強したいという想いが芽生えました。大人の方でも、私のように投資初心者の方は読んでみると意外と参考になるのではないかなと思います。

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