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Future Work-Style Design 新たなワークスタイル      「HUB&SPOKE」構想

コロナ禍での急激な経済情勢の変化、ライフスタイルの自粛モードは未だ続くが、ほんの少しずつ収束の兆しが出始めてきたゴールデンウイーク明け。
2、3ヵ月前、武漢の報道を見ていた時には、どこか他人事、遠い地域での事として受け止め、自分を取り巻く環境がこんなにも大きく変化するとは全く想像できていなかった。

今年のゴールデンウイークは、コロナ禍終焉後に、もう一度大型連休として仕切り直しで設定
したらいいのにと思う。

今回のテーマは、
「不動産マーケットにフォーカスしながら、
 今後のワークプレイス動向を予想する」

未曽有の高騰マーケットの終焉

下の図は、近年の首都圏不動産マーケットの推移である。

オフィストレンド

(三幸エステート株式会社 
 オフィスレントデータより引用)

直近は、「空室率の低下、1%を切る水準」等と
言われ、オフィスビルマーケットは高騰し続け ていた。
特に、従来からの人気エリア・丸の内/大手町、
大型開発で街がまるごと変わった渋谷、
次世代集積エリアとしての虎ノ門、さらに日本橋と大型供給があったにも関わらず、だ。
テナント企業にしてみると、借りたいのに借りれない。家賃は上がり続け、頭を悩ませた人も多いと思う。
更にこのトレンドは、「オリンピックで企業景気は加速し2021年までは続く」と言われていた。

そのような中で、起きたコロナショック。
これまでのマーケット変化は、主に大型開発に
よる供給過多、もしくは景気後退によるものだった。(2003年問題や、リーマンショック後の
空室率上昇)
今回大きく違うのが、ワークスタイルにとてつもない変化が起き、それをほぼ全ての業種・企業で体験したことだ。
空室率とは本来、貸出可能な面積/総面積で示されるのであるが、僕は現在の、”実質”空室率を知りたい。想像ではあるが、前述の人気エリア程
高く、都内平均でも50%を超えるのではなかろうか。 
(”実質”空室率=活用されていない面積/総面積、として仮定義)
もちろん現在は、自粛モード下の例外的ワークスタイルであるので、このまま継続することはないのだが、一方で、多くの企業で今後のワークスタイルを再考し、オフィスの在り方を変えようとする動きは加速するであろうし、前回のnote
ワークスタイル3.0を推進する3つの重要要素と...で書いた通り、僕自身そうあるべきだと考えている。

未曽有の空室率低下時代、それに終止符を打つ
ワークスタイル変容。この機会を「喉元過ぎて…」にせず、貴重な学習体験として
未来のワークスタイル実現に活かしたい。

今後のワークプレイス動向

これからの企業のワークプレイスに求めるニーズや、それに応える不動産供給の変化を勝手に予想してみる。
(1)小型化
   昨今1フロア500坪を超えるような大規模
   ビルの開発は著しく、都内にもフロア面積
   1,500坪を超すビルも現れた。
   しかし、このリモートワーク経験を経て、
   企業はダウンサイジングの検討を進めるで
   あろう。
(2)郊外化   
   一斉在宅ワークを通じて、多くの人が感じ
   た 「ワークとライフのスイッチ切り替え
   問題」
    「通勤地獄からの解放」
   今後もリモートワークの浸透が進むには、
   これらを解消するサービスが必要で、
   ”家ではないが通勤距離の遠くない”
   サブターミナルオフィスという形態の
   出現も予想出来る。
(3)サービス利用化
   
既にサテライトオフィスやコワーキング
   スペースも広まってきたが、ニーズは更に
   高まると思う。
      特に(2)に役立ち、利用コストの割安な
   ワークプレイス提供サービスはビジネス
   チャンスだ。

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朝、家を出て近くの駅にある(2)や(3)で
セルフワークをし、ラッシュ時刻を過ぎたあたりに(1)に到着。同僚とランチをしてからの
コワーキング。そこで得たアイデアを再度(2)で、じっくり仕上げ直す。
これまで以上に多様化するワークプレイスを
フレキシブルに活用することで、同じ時間に
同じ場所にワーカーが集中することを回避し、
ソーシャルディスタンスの形成にも役立つだろう。
こんなワークスタイルも、当たり前になってくるのではないだろうか。

今こそ立ち上がれ
総務・ファシリティマネジメントに従事
する同志たち!!

家賃に代表されるファシリティコスト(電気代や清掃代、減価償却費などオフィス維持コスト)は企業経営では、人件費に次ぎ2番目の割合を占める大きな経営資源である。景気低迷が予想される中、ファシリティコスト縮小に取り組む企業も
増加すると思う。
僕がまだ20代の頃、当時の上司に言われた言葉がある。

「不動産を、動産としてコントロールしろ」

企業を取り巻く環境・技術・ニーズの変化は、
その速度をどんどん増している。不動産の【不】は字のごとく、動かないモノ、動かしがたいモノとして捉えがちであるが、様々な変化に応じて、スピーディに適応してこそ、
ファシリティマネジメントとしての価値がある、と教わったのだった。

”働きがいを追求するワークスタイル変革”✖️
“事業活動における経営貢献”

両方を牽引し新しい社会価値を産みだしていくことこそ、僕たちの「やりがい」なのである。



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