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焼き芋屋のよもやま話1

リアカーで焼き芋を売り歩くようになって数日が経った
ようやく美味しく焼けるコツのようなものを掴むことができたように思う

その一方で〝自分が焼いた〟というにはあまりにも無力というか
こんなにも自分が介在しない料理があっていいんだろうか
と思ってしまう自分がいる…

むかし、とある有名シェフが
〝料理は理を図ること 目の前のきゅうりを折ったほうが旨い と思って差し出すのであれば、それはもう料理なんだ〟って文章がずっと頭に残っていて、
それを拠り所に
どうすればこの芋が美味しくなるだろうか?を日々考えることは忘れないようにしている.

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さつまいも
特に今お取引させてもらっている(ちょっと働かせてももらっている)
会社からやってくる野菜は大きさや形がバラバラ

〝野菜も生き物 大きさや形の違い、ブレを許容しよう〟
ということを常に発信されている

自分も相当に規格に収まれない人間で
その結果、リアカーをひいて焼き芋を売っている
そんな経緯だから
自然とそういう野菜、
そういう人たちに引き寄せられるようになったのかもしれない

🍠

この大きさの芋はどうすれば美味しく食べれるだろうか?
この細さの芋は焼くとすぐにパサパサになりそうだな…
この芋は炭焼きがいいだろうか?石焼がいいだろうか?それとも蒸し…?

芋と会話 なんて書けたらいいのだろうけれど
芋はしゃべってはくれないし、手前勝手な都合で判断していることを
会話してます なんてどうにも書けない…
だからせめて、巡り合った芋の芽を残して次の年に繋いでいきたいと思う

🍠

リアカーの焼き芋屋というのは絶滅危惧種なんだそうだ

冒頭でも書いたとおり
こんなにも自分が介在できないものを売っているのだから
せめて自分の足、身体を使って売り歩こう

そんな想いのもとでリアカーでの移動販売を選択した

自ずと移動範囲も制限される
車で運べば遠くにもいけるのだけれど、
そういうのは他の人か別の機会に譲りたい

結局自分がほしいのは人との繋がりなのかもしれないな…と思う
移動範囲を広げて、
ぼやっとしてしまうよりも自分で足を運べる範囲をまわること
顔見知りが増えていくこと
その人たちが焼き芋を頬張る顔、光景がまた自分のエネルギーになって
また頑張れる

いい循環の輪がすこしずつ生まれているような気がしています

すこしずつすこしずつ
この輪を広げていけるように

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