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未来のブランド価値を考える ~ #GWに読む一冊 #D2C 編~

今年の収穫をログに残す


気が付けば2020年のGWもカレンダー上では最終日。今年はG=我慢ウィークなんて呼ばれていますが、できないことに目を向けるのではなく、「実りある時間であった」と言い聞かせるのも大事。

ということで前回書いた  #GWに読む一冊 の続編としての読書感想文、今回はD2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略です。

こうしてログ(note)を残しておけば来年のGWに振り返ったときに「おお、それなりに学びの時間に充てられているではないか」と去年の自分を褒める機会になることでしょう。


さて今回の本に出合ったきっかけはYappliさんのオンラインセミナー「マーケターがGWに読むべき1冊!著者との対談ウェビナー」。紹介された本はコチラに網羅されているので、自粛延長となった#STAYHOME に読書タイムを検討しても良いかと思います。


未来はD2Cに近づいている?


顧客と直接つながり、より深い関係性を構築する新しいブランドのあり方D2C(Direct to Consumer)。運命のいたずらかもしれませんが、D2Cは新型ウィルスによって、より現実的になってきているように感じます(自粛のような事態になっていなければ、この本を手にとっていないかもしれません)。文中でも「D2Cはバズワードと評されている」と書かれています。

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D2Cと伝統的なブランドとの違いの表にあるチャネル、現在は食料品といった日用品を売る以外の小売店はほぼ休業状態です。お店でなんとなく買っている商品やサービスは、私たちにとって本当に価値のあるものなのか。必要とする提供価値は機能ではなく、そのブランドの世界観ではないかと気づいているひとも少なくないと思います。

例えばSNSやイベントでファンとのコミュニケーションを大事にするクラフトビール「ヤッホーブルーイング」は直営するお店の売上は減少しているが、スーパー・コンビニの売上は伸びているそうです、ちなみに大手ビールメーカーの伸び率よりも高い(本ではD2Cブランドとして紹介されていないです)。


世代によって考え方は違うとは思いますが、今後よりファンに選ばれるコミュニケーションが必要なのは明らかです。ミレニアル世代は1980年代~1990年後半生まれ、X世代は1965~1980年生まれ、私は1978年生まれのX世代ですが、D2Cのように顧客をお客様ではなく仲間として、接してもらいたい。


D2Cで紹介されているブランドの世界観


D2Cブランドの表現は、数種類のイメージ広告ではなく本何冊ものストーリー(書籍、雑誌、ポッドキャスト)、そしてブランドはユーザーとの共創によって作られます。

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文中でもこう語られています。

彼ら(D2C)は世界観を通じプロダクトをコンテンツ化し、ブランドをメディア化している。彼らの世界観を通じたブランディングは、今後メーカーやブランドが顧客と新しい関係を築いていく際の”基本動作”になっていく可能性を秘めている。


言うよりも見るが易し。海外の事例として紹介されているD2CブランドのInstagram投稿を見ればその世界観を感じることができます。


スーツケースブランド AWAY


マットレスメーカー CASPER


アイウェアメーカー Warby Parker


ED(勃起不全)薬 Hims

コスメメーカー Glossier



日本の「北欧、暮らしの道具店」も良質な映像コンテンツ例として紹介されていました。


D2CのSNS投稿を見ても分かるのは、商品やサービスが写真の中心にはないこと。あくまで中心はブランドの世界観やストーリーです。


「モノからコト」は「コト付きのモノ」へ


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モノより思い出という日本のCMもありましたが、D2Cの強みは「コト付のモノ」。リアル店舗でモノを核とした世界観を作り込むことで顧客との関係性を深める。今ではSNS広告の高騰もあり、リアル店舗の方が獲得単価も抑えられているというコスト事情は覚えておきたい。


D2Cに求められる人材


私も企画書やプレゼンでよく使用するワード「コンテキスト」。D2Cブランドが伝えているコンテキストの定義、文中では下記のように表現されています。

D2Cブランドはプロダクトそのものよりも製品周辺のコンテキスト(製品が提供するイメージ、ブランドの特徴、自分がいいと思うライフスタイル、プロダクトの届け方など)を訴求している。それは、顧客体験やストーリーテリングのイノベーションだ。


最後にD2Cのブランドを支える人材で締めます。海外の事例とともに語られているのはD2Cの職種一覧。日本では馴染みのないワードもあるが、カッコ内にあるメーカーが採用している役職は今必要とされるスキルと捉えても良いでしょう。


・データ分析型マーケティング Performance Marketing(Warby Parker)

・コンテンツ・ストーリーテリング Head of Content(Away)

・エンジニアリング Head of Data(Glosiier)

・店舗体験 Senior Retail Experience Manager(Casper)


D2Cというワード自体は廃っているかもしれないが、今後世界観やストーリーが見えない、ひとにシェアしたいとは思えないブランドは生き残っていけないでしょう。本にも書いてあるように顧客は限りなく従業員に近い仲間になっていけばライフスタイルはもっと豊かになるし、働くことも楽しくなるのではないかと思いますね。

生き残るブランド戦略を参考にしながら、自分の価値観を考え直す機会に捉えてもいいかもしれません。



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