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映画『水平線』

偶然は重なる

監督の舞台挨拶付きの上映を観るために シネマポストへ
近ごろ 下関には足繁く通っているように思う

まずは 当日で6周年を迎えた喫茶むぎまめ舎にて
特製のプリンアラモードを 珈琲とともにいただく
偶然にも食パンがあり 予約なしで購入できた

途中で 2階にあるツグさんのアンティークのお店cipollaさんに行ってみる
次の日の蚤の市の準備中 突然登場した私のために大切な時間を分けてくれた

ツグさんの映画を楽しむ感覚はとても面白い
特にケリー・ライカート監督の映画『FIRST COW』に向ける眼差しは 
私には 新しかったが ぜひその感覚を監督ご本人に伝えてほしいとさえ思えた

それとは別に ツグさんがサーファーであることも知った
「同じ波はやって来ない」
一つとして同じ波はもう二度とやってくることはない
毎回同じ条件のもと 同じ波は存在しない
新しい波だけやってくるだけだと

Time is money. (時は金なり)

ふとした時から この格言に違和感を感じるようになった
時間=金
この方程式は果たして正しいのだろうか
現在の私の結論は 全く正しくない という見解だ
そもそも お金はたとえば1000円を使えば
また仕事などをして1000円を得ることができる
一方 時間については 過ぎ去った過去の時間は
もう二度と同じようには戻ってこない
やってくるのは ただ新しい時間だけである

喫茶むぎまめ舎のプリンアラモード

散骨業という仕事を今回初めて知った
つい先日映画『おくりびと』を鑑賞したが
その映画で注目されていた納棺師という職業は公開当時話題になったが
そのような印象がある

たらい回し

行き場を失いかけた遺骨
人の感情は それに同伴するあらゆるものとともに 滞る
負の過去が 同じ場所でぐるぐると渦を巻いて 腐敗していく

Time is wave. (時は波なり)

映画『水平線』にある 変化できない過去という時の存在には
ある意味での残酷さが感じられる
時は 波のように いつも新しい時が巡ってくる
古い過去という存在は同じ場所に居座り続ける
決して巡ることはない

映画鑑賞後 監督の舞台挨拶があった
その際に見知らぬご夫妻よりお声がけをいただく
先日ゲスト出演したラジオ番組を聞いてくださっていたのだ
まさかリスナーの方に遭遇するとは思いもよらず 驚きと喜びがあった
ゆっくりとお話が出来なかったので また改めてお会いできたらとても嬉しい

本当に 偶然とは重なるものだ

映画ノート


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