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インドネシアの高校の教育現場

今週は日本語の授業を行っているインドネシアの高校や専門高校(日本の高専や工業高校に近い機関)に訪問して、
日本の授業の見学をさせてもらった。


専門高校では自動車整備であったり、プログラミング、看護、美容等、
日本の工業高校や専門学校のような内容を学ぶ高校があり、
一般の高校と同じく3年間で卒業が出来る。

高校によっては現地のスズキやホンダ等の自動車・バイク製造企業やPC関連企業と連携をし、授業の一環としてその店舗などでの実習を行う。
今回行ったところは学校は、
学年の15%程度の入社をさせる、という契約をそれらの企業と結んだりしていた。
すぐに手に職を付けることが出来るので生徒は女の子が多い様。

ちなみに国際交流基金のデータによると、インドネシアは日本語学習者世界第2位。(1位は中国。3位は韓国。あくまでも人数のランキングなので人口比率等は考慮されていない)
なので、高校によっては選択・必修で日本語の授業があったりする。
ここ数年では国際交流基金では日本語教師をインドネシアへ派遣し、
その学習のフォローをしていたりもするくらい。



その様な背景もあり、今回はインドネシアで日本語の先生をやっている方にアテンドしてもらい、
授業を見学させて頂いた。



遥か昔の自分が高校生だった頃を思い出してみたけど、
何となくインドネシアの高校生は日本の高校生より元気で擦れてない印象。
恥ずかしがらずに発言するし、みんな元気いっぱい。
今の日本の高校生を知らないけど
それでも全然違うんじゃないかなあと思う。



高1~高3までの授業を全て見させてもらったけど、
授業の進め方とか授業中の様子とか、日本とは全く違うなあという印象。
もちろん入試に関係ない日本語という科目の授業だから、
という理由もあると思うから一概には言えないんだけど。


まず遅刻が多すぎる。
開始15分後に人が集まりだす。
そもそも先生も授業開始時間に教室にいないんだけど。
授業の頭に出席を取るんだけど、その時点では全生徒の半分くらいだった。
病欠っていう子も何人もいたけど、本当なんだろうかと思ってしまうくらい。

そして授業中かなりうるさい。自由すぎる。統率は取れていない印象。
多くの生徒が授業中に先生のところに来て、
トイレ行っていい?とか食堂行っていい?と許可を求めてくる。
しかも2人一緒にとかで来る。
先生も容認している。まあ生理現象だからここまではしょうがない。
でも、その子たちはいつまでたっても帰ってこない。
授業の始めに出席を取るから、それに返事すればもうどうでもいいんだろう。

授業中も隣の子とおしゃべりしたりで話聞いてない子も多い。
スケッチブックをみんなで回して絵を書いてたり、
インスタ用の写真を撮ったりする子もいた。


もちろんちゃんと授業を受けている子もいる。
それでも真面目な子と不真面目な子(やる気のない子)の差が激しすぎる。
平然とノートも取らず、それどころかノートすら机に出さない。
悪いことをする訳じゃないし、先生を批判したり、
意図的に授業を妨害している訳でもないんだけど。

先生も頑張って静かにさせようとしていたけど、
一瞬静かになるんだけど、少し経つとすぐおしゃべりが再開。



日本の現在の高校の教育現場を知らないし、
自分の高校時代も遥か昔であんまり記憶はないんだけど、
何となくこの状況は、日本で言うと学級崩壊レベルでは?と思ってしまう。
(教育現場にいる訳ではない素人なのでご容赦を)





何が違うんだろうと考えると、
もちろん生徒の事情もあると思うんだけど、
先生の授業の進め方とかにも違いがある気がして。

全体的に教室全体を同じ方向に向かせようとか、まとめようとか、全員集中させようとか、そういう気持ちが希薄な気がする。
大事なこと伝える時は全員を集中させるけど、常にそれをしようとしない。


何人かの生徒を前に出して受け答えの練習とかをさせるんだけど、
その時先生は他の生徒には気を払わない。
そのやりとりを聞かせようという気持ちがあんまりない。
だからそれ以外の人はなんにーも聞いてない。からお喋りする。スマホ見る。

授業中にひらがなのあ~おをノート一面に書かせたりもするんだけど
やっぱり早く終わる子とそうじゃない子がいる。
そういう時もどうやっても遅い子に合わせるんだけど
早い子はやっぱり暇なわけで。
からお喋りする。トイレにも行っちゃう。

だから授業中でも謎の時間が多い。
今何する時間だっけ?という不思議な時間。
俺もそう感じたんだから、きっと彼らもそう思っているんだろう。



今回行った学校が私立で、結構先生が変わることがあるみたい。
日本語のその先生が着任したばかりだということもあるかもしれない。
生徒との信頼関係や、そこでの授業のやり方が確立していないだけかもしれない。

きっと色々な事情があるとは思うんだけど
とはいえそういう状況であることを
諦めているのか、それでいいと思っているのか。
少なくとも俺が日本で受けた教育では、先生は、それを良しとしていなかった。
一方でそれは日本人の発想で、もしかすると国によって教育現場の正解・あるべき姿は違うのかも知れない。



ちょっと自分でもまとまらず何かいてるかよく分かんなくなってきたけど、何が言いたいかというと。

教育のレベルは分からないけど
教室運営のレベルや教員の差、そんなものは国によってきっとあるんだろう。
改めて日本の先生とか学校教育って、すごくしっかりしたものだったんだなと感じた一週間でした。

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