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不登校のその後① / SP花園

ちょうど去年の今頃でした。
一ヵ月間、学校を休んだ中二息子が、再び学校へ行くと自ら決断したのは。

不登校にはその数だけ理由があると言いますが、息子が学校へ行けなくなった要因は「勉強うつ」だったんだと思います。
それまでずっと自信をもって頑張っていた「勉強」をすることが辛くなり、だんだん教科書を開けなくなって、とうとう学校のチャイムの音で気分が悪くなって早退してきた日が始まり。
その時の蒼白な顔を見て尋常じゃないと思った私は、「勉強」にかかわるものは出来るだけ彼の目の前から撤去し、通っていた塾もやめ、学校にはしばらく休む旨を伝えました。

それからの一ヵ月。
息子は好きな時間に起きて朝ごはんを食べ、ゲームしたりマンガを読んだり。昼ごはんのあとユーチューブでアニメを見て、夕ごはんを食べ、眠りにつく。とても規則正しい生活をしていました。
外へはあまり出たがらず(とくに登下校の時間)ほぼほぼ家に居ました。
そう、かたっぱしからアニメを見ていましたが、中には優れモノがあって号泣したそうで、『これ、ぜったい見た方がいい!』と私にも薦めてくれたり。
身体はずっと家の中、でも世界は外にぐわんと広がっているようでした。
そんなこんなで、表情からだんだん陰が消え、本来の元気を取り戻していきました。

学校を休み始めた当初は、(少なくとも半年ぐらいは行かないだろう)と、なんとなく思っていました。
なので一ヵ月後に復帰すると言い出したときは、思わず『え、なんで?』とリアクションしてしまったほど。
息子の場合、たぶん「勉強」を優先して我慢していたことがたくさんあって、それを思う存分やり遂げて心が満足したんだろうな。感動して涙して、さいごはよく笑ってましたもん。

思えば、息子は何のために「勉強」するのか目的もないまま、塾で出される大量の宿題をただ機械的にこなしているうちにパンクしてしまったのでしょう。

学校へ復帰してからは、ちょっとずつ教科書を開いたり、久しぶりにシャーペンを握って文字を書いたり、一歩一歩、リハビリをしているようでした。
テスト前になると、少しずつ「勉強」を始めるようになりましたが、やはりまだ目的も分からないまま、なんとかその場面だけクリアしようとしているようでした。

そして中三になり、周囲はだんだん受験モードに。
しかし息子は焦ることなく、やりたいことだけやっていました。

夏を迎えるころ。
時は満ちた(?)のか、以前通っていた塾の夏期講習へ行き始めたのです。
学校が無い夏休みなら家にずっと居るよりもいいか、と思ったのですが、息子はその後も自ら通い続けています。
中二の秋から10ヵ月も休んだ塾に再び通うのは、心理的にもハードルが高かっただろうに。

ただ、最近になって、進みたい学校のイメージが湧き、何より高校に入ってやりたい活動も山ほど出てきて、とうとう強いモチベーションが生まれたようです。

『あのとき、(一ヵ月)休んでよかったと思えるねん。いまがんばれるのはあれがあったからやと思うし。もう大丈夫やで!』

あんまり頑張りすぎるとまたパンクしてしまわないか、たまーーに心配になるのですが、あの時とは明らかに違う息子の「情熱」に、もう大丈夫だろうと信じさせてもらっています。

ちょっとだけ先の未来にワクワクできたら、そこに向かって頑張れる10代。しんどかったら思う存分休憩して、思う存分やりたいことやって(ゲームもマンガも恋も)自分の心がちゃんと動くまで、待ってていいと思います!

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