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ふじまる虫時間・第3限「トックリバチの巣の内部」

出来上がったトックリバチの巣のその後

前回の記事では、ミカドトックリバチの巣作りの様子を紹介しました。今回は、出来上がった巣をどう利用するのか、「キアシトックリバチ」を例にしてご紹介します。

キアシトックリバチの分布は九州、四国、本州で、活動期は6月~10月。体長は10~14mmです。河原などの開けた草地で見かけることが多いハチです。

巣にえさをためこむ母バチ

キアシトックリバチは、茎や細い枝などに巣を作ることが多く、夏場は、高さ1メートル前後のところに作りますが、越冬用の秋の巣はもっと低いところに巣を作るようです。

産卵後、母バチはえさ集めの仕事に移ります。えさやりの方法は一括給仕。幼虫の成長に合わせて少しずつ与えるのではなく、成長に必要な量のえさを巣のなかに詰め込んでおしまいです。

えさとなるのは主に蛾などの幼虫です。捕らえてくる虫の種類はある程度決まっているみたいですが、その時期に、その場所でいちばんよく捕れるものを選ぶようです。

キアシトックリバチ_DSC1283_015

▲ヒメジョオンの茎に作られた巣に、捕ってきた獲物を運び込んでいるところ(キアシトックリバチ・メス/6月)

母バチは、捕ってきた幼虫を巣の細い口から詰め込みます。中脚で口縁につかまり、前肢と口を使って器用に押し込んでいきます。

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