『フーガはユーガ』『SOSの猿』/伊坂幸太郎 【読書記録】
今回の投稿は
本の紹介をしていこうと思います!
というのも、本をたくさん読んでいると度々素敵な本に出会うのですが
それらをオススメしたい欲が抑えられなくて
noteに投稿しよう!となった次第です
なので、基本的には好きな本を紹介する形で以降別の作品についても投稿すると思います😌
本題に戻りまして
『フーガはユーガ/伊坂幸太郎』
こちらの本はかなり前から気になってようやく読むことのできました。
不運な状況に置かれた双子が主人公。悪人と呼ばざるを得ない、それほど酷い人が本作品には登場するのだが、そのような人と戦う時の登場人物はいつもどこか冷静沈着で、全てを怒りの感情に任せることがない。そんなところに私は一番感動した。伊坂幸太郎さんらしいフラットなものの見方がよく現れていると感じます。
喧嘩したり、他の誰かと対立する時というのは
そのことしか見えなくなり、他の人への迷惑が考えられなくなりがちなものです。
ですが、登場する双子は常に、他人を気遣うことを忘れない。本当の意味で優しいんだと思います。不運な状況なのにも関わらず、”人としてすべきだ”という謝罪や感謝を伝える行動をとる様子が小説を一貫してみられるのです。
伊坂幸太郎さんは、他の作品のあとがきで「特にためになることも書いていないですし」と書かれているのを読みました。だけど、私には十分過ぎるほど素敵な教訓を示してもらっているように感じます。
『SOSの猿/伊坂幸太郎』
題名に心惹かれて手に取ったこちらの作品。猿とは、?
この本のキーワードになっていますので、是非疑問を持ちつつ読んでいただけたらと思います。
「実は苦手なんです。ファミリーレストランが」
と言った主人公の二郎。
理由は
「さまざまな人間が集まってくる。その上、意外にテーブル同士が近く、横から、もしくは背中越しに、他人の会話が聞こえてくることが多かった。(中略)誰かが困っている声や相談している声、嘆きや悲しげな話題が聞こえてくると、気にかかって仕方がないのだ。」
と書かれていた。
これは小説の初めの場面ですが、どうしても主人公の二郎が私と似ている気がして、重ねてしまいます。
HSP気質があるといいますか、良くも悪くも感じ取る能力が普通の人よりも強いのです
そして、それ故の生きづらさも感じつつ進んでいきます
もちろんこの場面だけではなくて、読み進めていくと「一緒だ」と感じる場面に何度も出逢いました
共感する部分は人それぞれかと思いますが、HSPさんやINFJの方にぜひオススメしたい1冊です
また、この本を読んで印象深かったのは
「親は子供のことがわかっている」という”思い込み”に関すること
不登校になった子供がそうなった理由を話さない(本人もどうして行けないのか理由が分からない場合も多いようですが)
現代では特に、よく起こっていることだと思う。
そうしたときに、親として「子供は〜と考えているはずだ」「あの子はそんなことをする子じゃないのに」と思い込むのは気をつけなければいけない
子供の内面ではもっと複雑で色んな理由が交差した上で、不登校という結果に行き着いたのかもしれないのだ
親とはいえ、他人なのだ。何事も過信しすぎてはいけないとも考えさせられた。
最後に
話の途中で突っ込みたくなるような話し方、つい笑ってしまうような表現が時々出てくるところも今回紹介した2冊に共通する点です。ユーモアを交えつつ、現代社会と向き合う。そんなところが伊坂幸太郎さんの書く小説で、私が大好きなところだ。
ぜひ、多くの人に手に取ってみてほしいと思います
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?