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むかしむかしあるところに、マッチ売りの少女がいました。 少女は根っからの商売人だったの…
赤ずきんの話を聞いてから、グレーテルは大きな家の女の子と話すようになりました。 ほん…
女の子の話はこうです。彼女には一人の姉がいました。それが赤ずきんです。 姉といっても、…
オオカミはお腹が重くて目覚めました。人を二人も食べたのですから、無理もありません。 で…
ヘンゼルとグレーテルは目の前の建物を見つめました。 「どうなってるんだ……?」 それ…
赤ずきんは弾んだ足取りで四人から遠ざかりました。しばらく一人で歩いていると、後ろから声…
女の子は慌てて立ち上がり、「ごめんなさい。私ったらよそ見しちゃって」と、籠の中身を拾いました。 グレーテルと父親はサッと身をかがめ、女の子の荷物を拾いました。 ヘンゼルも荷物を拾うのを手伝います。母親だけは冷たく腕組みをしたまま立っています。 母親は見返りのない行為が嫌いです。親切心から誰かを助けるなんて損だと思っていました。 二人の子どもと父親は散らばった荷物をせっせと集めました。 ヘンゼルが顔を上げると、赤ずきんの女の子と目が合いました。 「どうもありが
第3章【おかえり】 森の奥のお菓子の家で、魔女は考えていました。 「マッチ売りの少女、…
誰かの視線を感じて、真珠作りは顔を上げました。戸口から誰かが覗いています。 それは幼い…
陸の城で過ごした最後の日、王子と初めて話したことを人魚姫は思い出しました。 銀色に光…
人魚姫は目覚めました。冷たい床に寝かされています。 そこは深海の魔女の店でした。泡にな…
魔女は骨ばった長い指を三本立てました。 「まず一つめ。好いた男を刺し殺すのがいちばん手…
次に目を覚ましたとき、人魚姫は浜辺に打ち上げられていました。 「気がついた?」 そこにいたのはあのときの青年でした。 ――ありがとう。 声が出ません。魔女と交換したことを思い出しました。 青年は心配そうに人魚姫の顔を覗き込みました。 「君、声が出ないの? 医者に診てもらおう。僕の城へおいで」 美しい青年はなんと王子でした。人魚姫は声が出るようになるまで、王子の城で暮らすことになりました。 人間の城は居心地の悪いところでした。二本の足にドレスがまとわり