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かんたんマーケ㉖ 動き出す瞬間


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ブランディングとは、モノやコトという具象に、野心や大義という抽象化を見出し、そこに売り手の「志」(こころざし)を明らかにするという作業です。製品が、活き活きとして動き出すのは、強い志のもとで牽引されたとき。

自分の「志」を語れないマーケターは、それ以上の仕事は出来ないなと思います。顧客がどう思うか、ユーザーがどう感じるか以前に、自分がどうしたいか?、自分の人生とどう重ね合わせたいか。

そんな、「気迫」を感じるマーケターが少ないので、コンペでも敵が少なくなったなあと感じます。プロダクトを動かすのはあなたの「野心」です。プロダクトは、あなたの野心以上大きくはなりません。


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サービスデザインとは、人間の体験という具象に、共感やインサイトという抽象化を見出し、そこに人間共通や固有の「性」(さが)を明らかにするという作業です。体験が、活き活きとして動き出すのは、人々の共感を呼び、アタマで考える以上の感情の揺さぶりがあったとき。

人間の「不条理」が好きになれないマーケッターは、人間を動かす仕事は出来ないなと思います。今までの顧客はこうだったから!と語る前に、今この瞬間の、顧客のいままでやっていない行動に、心を馳せることが出来るかどうか。

そんな、「不条理」をとことんまで考え抜くエスノグラファーやユーザーエクスペリエンスデザイナーが少ないので、昨今のサービスデザインは、質が悪いなあと感じます。人間を動かすのは、人間の「不条理」です。人間は、あなたの予想を裏切るからおもしろいのです。

あなたの野心と、だれかの不条理が、結びついたとき、「あ、このプロジェクト、今動き出すな」と思います。




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