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バックパッカーに憧れて

2017年の春
息子の高校卒業と就職のお祝いで
オーストラリア旅行を実現しました。

まさか子供たちとオーストラリア旅行に行けるなんて
庶民中の庶民、否、下級国民尚且つ母子家庭の我が家にとって
それは夢のまた夢でしかなかった。

これは「やりたいことリスト」みたいなものを
書き出していたことで実現したコトのうちの一つ。

あの時ケアンズ空港で
わたしの目に飛び込んできたのは
タンクトップにショートパンツ姿の日本人女性が
大きな大きなバックパック一つで
一人旅をしている姿だった。

すごく眩しかった。
外国人ではなく、日本人の華奢な女性が
とても重そうな大きな大きなバックパックを
ベルトコンベアから持ち上げて、ひょいっと背負った。

わたしは、初めて見るその光景に釘付けだった。
彼女がキラキラ輝いて見えた。

あんな風にかっこよく一人旅をしてみたい!

それまでは旅行といえば
荷物は“キャリーバッグで”という
『固定概念』から解き放たれた瞬間だった。

その後、それっぽいバックパックを物色するも
いいなと思う大容量の大きなものは、どれもとても高い。
欲しいけど、買えない。
そもそも旅の予定なんてない。
予定もないのに、買えない。

・・・!!!

そう言えば。
息子が、廃部寸前のワンダーフォーゲル部の先生から
備品処分に困っているからもらって欲しいと
立派なバックパックを譲っていただいたのを
ふと思い出した。
その時は全く興味がなくて
物置き場と化している部屋の奥に無造作に放り込んでしまっていた。
引っ張り出してみると、なんと値札付きの新品。
まさに理想の、存在感あるドでかさ。
それに加えて、色も私好みのネイビーで
ちょっとしたアクセントの刺繍が赤と黄色でとてもかわいい。

ありがとう!ワンゲル部の先生。
ありがとう!息子。

こうしてわたしは
憧れの大容量バックパックを手に入れた。
てれれれってってってー♪
つぐみは、レベル2に上がった!
スタミナが全回復した!
やる気がみなぎってきた!

形から入ってみる。
バックパッカーぽい恰好をして
とりあえず背負ってみる。
鏡に映る自分
前から横から後ろからいろんな角度から眺めては
ニヤニヤわくわくする。

さぁ、旅に出よう。

それから1年半後の2018年の秋
わたしの初バックパックの旅は
これもまた「やりたいことリスト」に書き出していた
“宮古島エコマラソンに出る”の実現へと繋がっていきました。

あのどこまでも青い海に架かる
長い長い伊良部大橋を
爽快に走って渡ったのです。

北の果てに住む私たちにとって
南の島は夢の国。

“やりたい・やってみたいコトを書き出す”
ただそれだけの事だけど
書き出すことで、また、それを見ることで
無意識に意識するようになって
そこへ向かっていけるという不思議な作用を実感。

一つ叶うと嬉しくて、また一つ。

不思議。

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