なぜ、転職エージェントをやるのか
「人を右から左へ動かすだけ」
「スカウト一斉送信してチャチャっと紹介して、決まれば年収の30%」
「人のふんどしで相撲をとる商売」
ざっと思いつく限り転職エージェントが言われているようなネガティブなことを挙げてみました。
自分が人事の頃、やっぱり有象無象のエージェントがいる中で、「ああ、そういうエージェントか」という会社にも「大手だなあ」という会社にも、同じような感情を持ってきました。
”人材ビジネス”が飽和している社会で、人事としてそういうエージェントと向き合ってきた人間が、なぜ転職エージェントをやるのか?ということをよく聞かれるので、ちゃんと言葉に残しておきたいと思います。(転職エージェント以外の事業も進めていますが、主たる事業としてエージェントをやっているので)
理由は、『働く』ということをもっと楽しくできるお手伝いができると思ったから。これに尽きます。
前職ではIT企業にいて、それはそれでルーチンワークをシステムに代替させて「働くを変える」ということをやってきました。でも、もっと手触り感を持って、それに取り組みたいと思ったし、自分たちならそれができると思いました。
傲慢な考え方ではありますが、面接をしていると「もっと早く会えてたら」と思うことがたくさんありました。その年齢でこのキャリアは申し訳ないけどアセスメンターとして不合格をつけざるを得ないというケースです。さらには、もうこれ、厳しいでしょ、というケースです。
(ちなみに転職エージェントは○×をつける必要がなく、ただただその人の強みをどこで活かせばいいかを考えるだけで、その自由に戸惑いつつも喜んでいます。)
で、思うのはもっともっとキャリアについて考える時間の「総量」を増やしたいな、ということ。
自分がどんなキャリアを歩むのか、受け身ではなく主体者として考えてみて欲しい。あとから後悔してもマジでどうにもならないから。(そうなったらそうなったで、別に生きようはいくらでもあるというのは強調しておきたいと思います。)
で、私はこういうことがやりたいです。
①「面倒」を排除してハードルを下げたい
転職活動ってめんどくさいじゃないですか。
私も普通に転職活動したことがありますが、登録したらめちゃくちゃたくさんスカウトきて、次に電話かかってきて、流されそうになる中でそこからエージェント選んで、会う約束してみたり。職務経歴書送れって言われたら書いて、エージェントに呼び出されてオフィスまで言って、なんか適当に褒められて求人票見せられて、また予定調整して会いに行ったり。行ったら行ったで受付で待たされたり。
そもそもが億劫なのに、なんか色々しんどくて疲れてすぐやめちゃいました。
このあたりのハードルをもっと下げたいと思っています。TIXA ITEXは一斉送信のスカウトは送りません。オフィス呼び出しません。職務経歴書は話聞いたら書いちゃいます。ご希望に応じてLINE@とかでやりとりします。
面倒なことを排除して、ただただ純粋に、気軽にキャリアについて考えてもらって、「楽しいな」って思ってもらいたいんです。
※誤解なきよう書きますと転職のハードルを下げるのではなく、キャリアについて考えるハードルを下げたいんです。
②気軽にキャリアについて考える機会を提供したい
そもそもが「キャリアについて考える」って大げさで、どんなことがしたいのか、どんな風にありたいのか、そういうのをちょっとずつ言葉にしていけばいいんです。3年後、5年後どうありたいかなんて、私も人事に異動して学生に聞かれるから答え用意したっていうのが本音です。
希望条件聞いて求人提示するだけなら人間は必要ないし、ましてや私はそれやりたくありません。
ランチしながらとかお茶飲みながらとか、友達どうしで一緒に来てもらってキャリアのことを話すでもいいし、なんかそういうイベントやってもいいと思っています。
とにかく楽しくやりたい。なぜなら人生のことを話すんですから。
結果、転職しなくても全然いいし、うち以外で決めていただいても全然かまいません。
それはもう、うちとして負うべきコストです。
もっと言っちゃうと、実はそんなに儲からなくてもいいとすら思っています。最低限でいいんです。最低限すらままならない、つまりこのコンセプトが世の中に受け入れられなかったら、畳んで別のことをやります。
(そうなったらごめんね、みんな)
ちなみにエージェント始めると求職者がお金に見えるんじゃないか、とかビビっていましたが、なんのことはない、ちゃーんと人間に見えます。だから、真剣に応えたいし、本気で支援したいんです。
転職エージェントというモデルは基本的に企業からお金をもらってるから企業のために動く、というのは当たり前ですが、その当たり前に逆行して候補者に寄り添いたいと切に思っています。それに共感してくれる人が集まったら、結果としてご紹介する企業さまにとってもハッピーなんじゃないかな、自分が人事だったらそんなエージェントと付き合いたいな、とも思っています。
そんな青いこと考えながら、今日一本もスカウト打ってないのでありました。
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