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とにかく完成度高し、夢いっぱい! ~ ミュージカル ゴースト&レディ ~

色々と舞台を観に出掛けるようになって、5年以上経ちましょうか。

オペラやプロレスにも足を踏み入れ、生の迫力にときめく今日この頃です。

そして舞台でハマると言いますと、パっと頭に浮かぶのは劇団四季と宝塚歌劇団ではないでしょうか。

特に避けていた訳でも無く、両方ともまだ未体験。

いつか出掛けてみたいわぁと思っていた矢先に、チケット案内メールがピコーンと届きました。

お試しに抽選へ参加したところ、運良く当選!

浜松町のJR東日本劇団四季『秋』へ出掛けました。


ここからはネタバレを含む感想となります。

観劇予定の方は後日お読み頂けましたら幸いです♪

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当日のキャスト一覧もくださる心配り。
ボヤけて見えないとか聞こえない。


時は19世紀のイギリス。

ドルーリー・レーン劇場には有名なシアターゴーストのグレイ(萩原隆匡さん)が、素晴らしい舞台が演じられた際に現れると噂です。

芝居が大好きなグレイは、赤ちゃんの時に劇場の前に捨てられてから、人に裏切られ続ける人生を歩んで、そして潰えた凄腕の元決闘代理人。

そのグレイのもとに良家の令嬢、フローレンス・ナイチンゲール:通称 フロー(谷原志音さん)が訪ねて来て、殺してくれぇ!!っとグレイに頼み込んできます。

生者にゴーストは見えないはずなのに・・・

何で見えるんだよ・・と慌てつつ、そんなに簡単に願いは受け付け無いぜぇと、つれないグレイに、それならばこれから一緒に家に来て欲しい、いまの私の状況を知ったらきっと心変わりします!!と熱くすがりつくフローに根負けして家に行くことにします。

フローは留学先で看護に目覚め、今現在、戦争の最前線で国の為に戦い傷付いた兵士を労るために家を出る決心をしているので、家族の超オススメな良家の御曹司アレックス(ペ ジェヨンさん)との結婚話には消極的・・どころか、したくありません。

両親と姉妹は(当時の偏見バリバリ)看護婦なんて貧乏人のする仕事であり、軍人に好き勝手に弄ばれ、アバズレになり、野垂れ死にするハメになるんだから、この素晴らしい結婚話を受け入れてルンルンな人生を選択すべし!!と、自分たち家族もルンルンになる気マンマンが透けて見える熱心さでフローの気持ちを完全スルーで押し付けて来ます。

この様子を見ていたグレイは、フローにちょっぴり不憫さとそれでいて他人への献身的な思いを感じ「(フローが)絶望の底まで落ちたら殺す」という条件でフローの願いを聞き入れ、ちょっぴり家族にテクを使って、戦地に行くことを了承させます。


軍部から最前線へいって看護をして欲しいと正式に依頼され、募集をかけた同じ気持ちを持つ仲間や親戚のエイミー(木村奏絵さん)たちとフローは2週間かけて戦地へ赴きます。

ところがいざ戦地へ到着すると、ジョン・ホール軍医長官(野中万寿夫さん)の命令が出ているから、全員帰れぇ!!と軍人たちに追い返されます。

ここは上手いことフローが立ち回り言いくるめて、少しの間居ても良いことになり、問題の野戦病院へ向かうことが出来ました。

野戦病院は悲惨そのもので、衛生面が地獄、食事も地獄、治療する気無し。

そこでフローを筆頭に、持参した食材で温かい食事を提供し、超絶不潔に汚れたシーツや病院の床などを総出で清掃。

少しずつ環境改善を進め、感染病を抑えることに成功し、怪我以外の致死率を下げて行きます。

これを面白く思わない、自分だけ豊かな食事や酒を嗜む軍医長官。

貧困の出自からここまで這い上がって来た出世欲の塊。

自身の怠慢とフローの懇親で地位が失墜することに行を煮やし、ひょんなことから知り合っていた、グレイと同じ元決闘代理人のゴースト:デオン・ド・ボーモン(岡村美南さん)にフローをやっちまえ!!と命令します。


自分のことは二の次であるフローの、兵隊や仲間への懇親的なふるまい、看護への純粋な思いと「裏切らない」気持ちにグレイの心が少しずつ傾いて行き、全然「絶望」しないフローに若干イライラしつつ、いつしかフローが困ることがあると、シレっと手助けをするようになり、そんなグレイにフローも心を寄せます。

片やフローの名声が母国でもうなぎ上りになるほど、軍医長官の悪意は高まります。


ある日、親戚のエイミーにとある事情から「戦線離脱」を言い出され、どんなに献身的に仕事をやっても状況が思うように改善されず、様々なやっかみなどで心が疲弊しきったフローは「絶望」し、グレイに「いま、殺して欲しい」と懇願します。

「待ってました、お仕事しまっせ!!」な、はずのグレイですが「もうちょい頑張れば良くなるはず、頑張れよ!」と励まします。

そこへ軍医長官の手先ゴーストのデオンが「あんたがやらないなら、あたいがやりまっせ!!」と現れ、そうはさせじとグレイは死力を尽くしてフローを守り、そして・・


さすが劇団四季、聞きしに勝る素晴らしさでした。

劇団の劇場なので、舞台セットは今まで観た舞台の中でピカイチと思いました。

転換、展開に無理が無く、観覧席頭上にまで工夫が凝らされ、大道具・小道具、映像、衣装なども素晴らしく完成されているように思います。

そして演者の皆さま!!!

特にメインキャストであるお二人、フローの谷原志音さんとグレイの萩原隆匡さんの歌唱の素晴らしさったら!

声が出る出る伸びる伸びるわ、耳に心地良い安定感。

あれだけ動いて踊って乱れない歌唱、叩き上げ感がビンビンに伝わって参ります。

サブキャストの皆さま、アンサンブルの方々も歌に踊りに、同じ劇団員ということもありましょうが、親和性の高いこと。

観て来た舞台で元劇団四季の方の存在感がいつも際立つと思っていましたが、なるほど納得の切磋琢磨。

メインキャストのお二人が特に素晴らしいと思いましたが、ほぼ僅差の良い意味でのどんぐりの背比べでした。


実在のナイチンゲールは下記の記事でその生き様を読んでいたので、舞台のストーリーにおける、その仕事への徹底っぷりと人間性、今でも世界中で普通に使用されているナイチンゲール発案の数式や看護方法については、なるほど納得でスっと頭に入って来ました。


シリアスな舞台設定でありつつ、お茶目なシーンあり、ラヴ♥ありで、夢や希望を感じられる素敵なストーリーでした。

ライオンキングやアナと雪の女王(両方ストーリーを全然知らない)など、女子ども(書き方)が劇団四季にどハマりすると聞いていましたが、なるほど、そりゃあそうなるわ!!と思う、素晴らしさでした。

歌唱・ダンス・セリフが歌でも会話でもきっちり聞き取れる。

洗練され具合が演者の皆さま、これまた良い意味でそつがない。


11月公演までスケジュールが出ているようです。

ぜひぜひ足をお運びになって下さい。

TSNが珍しく的を得ている!!、と思って頂けるかと(笑)

そこここにある展示物も観劇者の心をくすぐってきます。
記念撮影せずにいられません。
ああ、この日に行ったのよぉ!!!っと。


思うところありましたが、違うタイプの同じ沼と噂の宝塚も行かなければ・・・


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