Yoshitugu Tuduki (まじで)

生物学(魚類学など)、水族館、思弁進化、SF、ケモノ(ファーリー)が好きです ちょっと…

Yoshitugu Tuduki (まじで)

生物学(魚類学など)、水族館、思弁進化、SF、ケモノ(ファーリー)が好きです ちょっと文章も書きます

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最近の記事

クリスマスも近くなってきた

久々に読書をして、去年のクリスマスに出た、村山早紀先生のSFファンタジー「さやかに星はきらめき」を読了。 地球が戦乱や災害で居住不可能になり、人類が宇宙に進出した後、多くの異星の開拓を経て異星文明と交流し、という未来で、月面に建設された都市、新東京の新興出版社に務める、ネコが知性化したネコビトの編集長キャサリンが、クリスマスに向けた新刊の編集を行うお話。 といってもお仕事要素というよりは、物語を集め、収集していく要素が大きく、各章には作中作として、収録される作品の一部が語

    • アルフは死んだ

       子供の頃、家にはアンドロイドがいた。名前はミズイロと言った。名前の通りの鮮やかな水色の機体で、物心ついて間もない自分は、かくれんぼをして遊んでもらったり、親に黙って家を出て、知らない道で泣いていたところを、連れて帰ってもらったこともあった。やんちゃな子供だったが、ミズイロは文句一つ言わず、手のかかる自分のお世話をしてくれた。  自分が幼稚園を卒園する頃になって、ミズイロは我が家を去ることになった。「アンドロイドお別れセンター」というところの人たちが、ミズイロと同型の機体を連

      • 葛西臨海水族園 訪問

        というわけで行って参りました葛西臨海水族園 中学2年の時以来二度目となります 淡水生物館は閉館し、ペンギンコーナーは修繕中でしたが、概ねあの頃から展示が大きく変わった様子はなかったです とは言え、サメ水槽はサンゴ礁水槽になり(サメは大回遊水槽に隔離した上で移動) 淡水生物の小コーナーができ 小さなレクチャールーム(北水資料館と同じく小瓶に入ったスケーリーフットの標本が)や体感展示みたいなコーナー(フナムシやゴカイの生態展示!)もありました 水槽内の面子もところどころ変わってい

        • カワスイに行ってました

          出先なので簡潔に カワスイ、凄かったです 横円筒形水槽以外はレイアウトも良くて見やすかったですし 多摩川水槽はオーソドックスながら美しく オーストラリアはアロワナ2種とバラムンディと淡水シマイサキ3種というとんでもないスタート アジアはプラーブックやパービャウやカショーロバルブなどの大物そしてゴラムスネークヘッド アフリカは水槽内で繁殖してる種や托卵ナマズもいるタンガニーカ湖水槽(ちょっと過密?)、ヘテロティス、巨大なナマズの仲間やスパイニーイール 南米は巨大なパンタナール水

        クリスマスも近くなってきた

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        • 神戸・九州旅行まとめ
          15本
        • 福岡旅行
          7本

        記事

          近況

          お久しぶりです 今日は出先でアジサイが咲いてたり ホトトギスやウグイスが鳴いてたり ザトウムシやカメムシが彷徨いてたり賑やかでした 最近は積読になるリスクは承知の上で欲しい本が多くてたまりません 「地球へのSF」「最後にして最初の人類」「我らは群れ」「射手座の香る夏」「銀河風帆走」と言ったSF作品から 「行為主体性の進化」「反穀物の人類史」「Ways of Being」「ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?」「生き物の『居場所』はどう決まるか」「心身問題」シリーズなどなど

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          最近投稿できてないんで庭を

          最近投稿できてないんで庭を

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          ふと、脳裏をよぎったのだが 哺乳類の目階級は近年、食肉目→ネコ目のように(基準がよくわからないが)代表的な?具体的な動物名を持ってくることが多い それなら、霊長目はサル目ではなく、最も我々にとって馴染み深いとして「ヒト目」と言うべきではないのだろうか?

          ふと、脳裏をよぎったのだが 哺乳類の目階級は近年、食肉目→ネコ目のように(基準がよくわからないが)代表的な?具体的な動物名を持ってくることが多い それなら、霊長目はサル目ではなく、最も我々にとって馴染み深いとして「ヒト目」と言うべきではないのだろうか?

          招待制廃止により自由に登録できるようになったそうなので、Blueskyのリンクを貼っておきます https://bsky.app/profile/tsmoon56.bsky.social

          招待制廃止により自由に登録できるようになったそうなので、Blueskyのリンクを貼っておきます https://bsky.app/profile/tsmoon56.bsky.social

          闇の向こうへ

           今年は1尾も獲れなかった。  その次の年もゼロだった。  次の年も。次の年も。  彼らが食卓に並ぶことを心待ちにしていた都市の人々も、生業にしていた漁師たちも、モニタリングを続けて警鐘を鳴らし続けていた研究者たちも、この突然の消滅には焦りと危機感と、状況によっては絶望を覚えた。自分たちの立たされている場所は、もう後戻りができない場所なのだと、実感をもって気付かされた。  それでも、数年が経ち、おにぎりの具や、彼らを使った加工食品や、切り身が跡形もなく消え去って、人々の多くが

          告知が遅れましたが、今年は喪中なので新年のご挨拶は控えさせていただきます 来年もよろしくお願いします

          告知が遅れましたが、今年は喪中なので新年のご挨拶は控えさせていただきます 来年もよろしくお願いします

          風刺っぽくなっちゃうけれど

          「モケーレムベンベが発見された。世界中が湧き立つが、生成AIを用いたデマメディアによってモケーレムベンベ画像が溢れ、巷ではモケーレムベンベの画像は全て偽物と見なされるようになる。モケーレムベンベは実在せず、政府のフェイクだとも言われるように。そうこうしているうちに研究者たちにすら真偽の判断が難しくなり、モケーレムベンベは元のような、いるのかいないのかわからない存在に戻っていくのであった。さながら姿を現した後でゆっくりとジャングルの奥地へ帰っていくように…。 モケーレムベンベが

          風刺っぽくなっちゃうけれど

          溶解

          新種のクラゲがパラオの「人喰い洞」と現地で呼ばれるアンキアライン洞窟で発見される 餌も乏しい環境でありながら劇的なメデューサからポリプへの再生能を持ち、人類の希望となると目されたクラゲ しかし大量飼育していた水槽に研究員が落ち、行方不明になる 調べてみると、このクラゲは再生の栄養を賄う過程で、猛毒の遊泳性刺胞を多量に放出し、メデューサの分解過程で出る強酸で分解するという生態だった 行方不明になった研究員は既に溶かされていたのだ 人喰い洞の由来と餌の少ない環境で生きていた理由を

          第3回獣ヶ島

          今日は地元高松市沖の女木島で開催される「第3回獣ヶ島」に参加してきました! 写真撮影や女木島・男木島・高松港を結ぶフェリー「めおん」の見送り以外は特にやることもなく、まったりとした、モフモフでいっぱいの時間を過ごせました 夢のような時間でした 次の機会があるならもう少し長く、またお手伝いもできるようにしたいです スタッフ・参加者、そして島民の皆様ありがとうございました!!

          読書記録「ルカの方舟」

          iTunesで伊与原新先生作「ルカの方舟」を買って読了… いいものを読んだ…終盤の話には心打たれたし、その後訪れた穏やかな場面にはなんだか涙ぐんでしまった そしてラストのあの子の話、最後のあの文章には鳥肌が立ってしまった 地球科学や生物、研究倫理やミステリーが好きな人におすすめです ルカの方舟、というタイトルは生物が好きな人ならピンと来る人も多いかもしれないが、かなり捻りが加えてあるので面白かったし、しんどかった たぶん、研究者という職業の在り方が問われ続けている今こそ、輝く

          読書記録「ルカの方舟」

          獣人ネタまとめ2

          今から数十万年後のこと ヒトの作った文明はあるピークを境に徐々に衰退を迎えたが、生きていくのに必要なある程度の技術と知識の蓄積は残っていた ボロボロになった生態系の中で、減りつつある人々はある選択をする それは文明という要素を生態系の中に組み込むプロセスを行うこと つまり、崩壊寸前になった従来の生態系を、文明という糊でなんとか維持しようとしたということ 結果、技術や人口の衰退は加速したが、一応成功は治め、人類は生態系の維持とそのサービスの恩恵を受けられる社会構造を維持すること

          獣人ネタまとめ1

          それはありえたかもしれない近未来 ES細胞による再生医療技術の発達と、生態系サービスの積極的な利用の必要性から、人間の身体に動物のような新器官を付与し、機能を拡張する「軟人体拡張(ソフトヒューマンオーグメンテーション)」が研究され始める 臨床研究まで漕ぎつけた技術は、さながら動物の器官を生やした人間と言った形態だった。この成功を機に、一気に技術は加速。拡張した身体を用いた社会的サービスも普及し、ゲノム編集技術の進歩も相まって、先天的な遺伝子操作で動物の器官を付与される次世代も