溶解

新種のクラゲがパラオの「人喰い洞」と現地で呼ばれるアンキアライン洞窟で発見される
餌も乏しい環境でありながら劇的なメデューサからポリプへの再生能を持ち、人類の希望となると目されたクラゲ
しかし大量飼育していた水槽に研究員が落ち、行方不明になる
調べてみると、このクラゲは再生の栄養を賄う過程で、猛毒の遊泳性刺胞を多量に放出し、メデューサの分解過程で出る強酸で分解するという生態だった
行方不明になった研究員は既に溶かされていたのだ
人喰い洞の由来と餌の少ない環境で生きていた理由を知った研究者たち
研究は犠牲者の発生によって中止されるが、惜しんだ1名によってクラゲは持ち出され、事故でその研究員の指に刺胞が刺さり、海に研究員ごと落ちる
常に餌やりによって栄養が齎される水槽環境で変異し常に再生と成長を繰り返すようになっていたクラゲは、早速再生を始めるのだった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?