【雑感】大企業出身者は使えないという噂は本当か?
部分最適を考える人ばかりで全体最適を考えて働いでいる人はいない
森岡 毅さんの著書『マーケティングとは「組織改革」である』に書いてある メンバーシップ型大企業の実態 を表したフレーズです
優秀な成績で名門大学を卒業した頭脳明晰な人々が集まっている大企業
なぜか?巷では「大企業出身者は使えない」というフレーズを耳にすることは多いです
『井の中の蛙大海を知らず』『慣れたぬるま湯に浸りすぎた茹で蛙』❓
「部分最適を考える人ばかり」と言われる理由
次の事例で考えてみます
① 個人事業主がモーターボート製造の仕事を受注
営業から製造そしてアフターフォローまで少人数で行うので お客様の要望も モーターボート全体の設計図も把握しておかなければなりません
全体最適を考えて 部門最適の具体的な方法を考えていくという流れ
② 中小企業がクルーザー製造の仕事を受注
営業部門と製造部門とアフターフォロー部門といった組織の細分化は行われています
上記3部門の全体最適を考えているのは ごく一部の管理部門の人々でしょうが 製造部門で言うと クルーザー全体の設計図を把握した上で 仕事を進めていくでしょう
そして 各部門長は プレイング・マネージャーとして 部門としての全体最適から部分最適の方法を考えてきます
③ 大企業が豪華客船製造の仕事を受注
大企業は 組織も各部門も 個人の職務範囲も詳細に細分化されています
極端に言うと マネジメントする範囲を決まっていますので 豪華客船全体の設計図を把握していなくても 各部門毎の設計図 自分の職務範囲が分かっていれば仕事は進められます
上記①②③の事例から見えてくるもの
受注した仕事の規模感という観点では 当たり前ですが
① < ② < ③
しかし 各自の職務範囲・責任範囲という観点でみると
① > ② > ③
ここから 大企業は『部分最適を考える人ばかり』ということになります
大企業が抱えている大きな問題として
小さな職務範囲では リーダーは育ちにくい
これは 森岡毅さんの著書『誰もが人を動かせる』に書かれていたフレーズです
「大企業出身者は使えない」と言われる理由
豪華客船製造は 企業と企業の組織的な関係で 受発注が行われたもので「誰の能力が素晴らしいから」といった 特定の個人の能力が評価されたからではありません
そして 自分が担当した部分は 豪華客船製造の一部に過ぎないのに
「この仕事は私が中心になって行ったビッグ・プロジェクトなんです」
と豪語する 大企業の元部長さん
大企業というぬるま湯の井戸の中で育った ”茹でガエル” は
井戸の中から見える『空の高さ』は知っていましたが 『大海の広さ・波・風の強さ』は お勉強して知識として知っていた程度
大海で出てみて「今までとは ちょっと違う」と感じたものの
『自分は指示さえすれば 部下である他者が率先して動く』という過去の呪縛から逃れられません
そして大企業で身に付けた”保身”という特殊能力から「誰が悪い」「周りが分かっていない」といった発言を繰り返すようになって
自らのプライドを傷つけないように その場から 去っていくという選択肢を選んでしまうんでしょう
この”大企業出身者の特性”という問題点を 🔥おじさんDX🔥さんの投稿で指摘されていますので 是非 ご一読ください
本当に大企業出身者は使えないのか?
メンバーシップ型雇用大企業は 数年ごとの転勤で多くの部門を体験していった『中途半端なジェネラリスト』を大量生産していって
『ピーターの法則』通りのことが現実化します
『ピーターの法則』は?林修先生の説明がわかりやすいので引用します
これは大企業の実態を表しているものでしょう
【疑問1】トップ・セールスマンを管理ポストにする必要があるのか?
実質的な『適材適所』人事異動・配置ができる制度にならない限り『ピーターの法則』通りの管理職を量産してしまいます
トップ・セールスマンのスキル・テクニック・ノウハウといった個人の能力は 市場価値は高いはずです
管理ポストについて実務から離れることによって 実戦”勘”が鈍っていったり 消費者購買行動の変化に鈍感になってしまったりするのは 市場価値がマイナスなってくだけです
自分の身の振り方を 早めに決断すること をお勧めします
【疑問2】『ピーターの法則』の企業で出世していく人は能力が高い人?
何らかの才能(仕事以外も含む)があるので 出世競争を勝ち上がっていけたのは間違いないでしょう
ただ「やれること」は 相手にニーズがあってこそ価値があります
この出世していく人は 何があっても大企業内に残ることをお勧めします
【疑問3】本当に大企業出身者は使えないのか?
使える人も大勢います 使えない人の方がより大勢います
大企業出身者の見極めポイントのひとつは?
私見
ブルース ジャズ ヒップホップ は いずれも 整った環境の中から育まれていった音楽ではありません
アーティストは 他流試合から成長していきました
ブルース・ジャズの ジャム・セッション
ヒップホップの フリースタイル(ラップ)
一人ひとりが 自ら厳しい試練場に挑んでいって 自分を磨いていきます
自分が今いるポジションが いつ 知らない誰かに 奪われてしまうのか?
そんな緊張感を持ち続けながら 日々 破壊的イノベーションを 追いかけていく姿勢が必要な気がします
ビジネスにおいて ジャム・セッションや フリースタイル(ラップ)が出来る環境があれば
緊張感の中で 自分を磨いていき 破壊的イノベーションを 追いかけていく姿勢が生まれると思います
ビジネス・ジャム・セッションが開催できる環境を一緒に創造しませんか?
マイルス・デイヴィス 曰く
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