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ワークショップ「音楽と社会変化:Live AidとSun City」をnoteで再現します

先日開催したワークショップ「音楽と社会変化:Live AidとSun City」を再現してみます。

ワークショップの目的は「音楽イベントが社会変化をどのように影響するかを理解し、自身のリーダーシップと組織の文化にどのように応用できるかを探求する」ことです。


ライブ・エイド(LIVE AID)

1985年7月13日:ボブ・ゲルドフがライブ・エイドという大規模なチャリティ・コンサートを企画。

イベントはイギリスのウェンブリー・スタジアムとアメリカのジョン・F・ケネディ・スタジアムで同時に開催され、世界中で視聴されました。

ライブ・エイドは、飢饉救済のためにさらに多額の資金を調達することに成功したのでしょう。


アフリカ系アメリカ人アーティストの出演は限られていて、白人主体であり、出演者は白人受けするジャンルのアーティストに限られていました。
 
「1億人の飢餓を救う」というスローガンの下「アフリカ難民救済」を目的としたチャリティ・コンサートにも関わらず、アフリカ系アメリカ人アーティストは、数名しか出演していません。

 
後のインタビューでボブ・ゲルドフは「観客を集められるかどうかを基準で出演者を決めた」と発言しています。
 
ボブ・ゲルドフの発言は、Live Aidの主要目的が資金を集め、アフリカの飢餓問題に対処することであったことを反映しています。

それに対し、出演アーティストの選考においては多様性や包括性が欠如していたと指摘されてもしかたないと思います。


観客を集められるかどうかを主な基準にすることは、当時の音楽市場の主流(マジョリティ)である白人観客の好みに依存することになります。
 
これは当時の音楽業界だけでなく、アメリカの現実を如実に物語っていたのです。
 
イベントの主目的が最大限の観客と寄付金を集めることであり、その目的を達成するための戦略だったと考えると、その時点で最もポピュラーなアーティスト(多くの場合、白人アーティスト)を優先した選択が、必ずしも偏見や差別を意味するわけではありません。
 
これらアフリカで起きている飢餓の問題が起きている原因を、このライブは明らかにすることを避けていたということが、心地悪かったのです。


アーティスト・ユナイテッド・アゲインスト・アパルトヘイト


1985年にスティーブン・ヴァン・ザントとアーサー・ベイカーによって設立された「南アフリカの人種隔離政策であるアパルトヘイトに抗議するため」に結成されたアーティスト集団です。
 
1985年10月25日アルバム『Sun City』・11月19日シングル「Sun City」をリリース(タイトルは、南アフリカの高級リゾート「サンシティ」から取られています。)
 
音楽を通じてアパルトヘイトに抗議するという共通の目的で集まったロック、ジャズ、ヒップホップなどの様々なジャンルの著名なアーティストが参加しました。
 
マイルス・デイヴィス、アフリカン・バンバータ、Run-DMC、カーティス・ブロウ、ジミー・クリフ、ジョージ・クリントン、リントン・クウェシ・ジョンソン、ハービー・ハンコック、グランドマスター・メリー・メルなど
 
 
この曲は、歌詞の内容がメッセージ性の強いものだったので、アメリカのラジオ局側がオンエアーを躊躇したこともあってヒットしなかったにもかかわらず、ミュージック・ビデオがMTV等で盛んに流されたことで、人々の意識とレコードの売り上げの両方が高まっていきました。
 
スティーブン・ヴァン・ザントは「典型的なヒット・シングルの手法を取ったレコードではない」と語っています。

このプロジェクトは、アパルトヘイト問題に対する世界的な関心を高めて、音楽を通じて政治的な変化を促すことができる力を示しました。


ワークショップの流れ

【導入】
ファシリテーターがワークショップの目的とアジェンダを共有。
参加者同士の自己紹介。
 
【背景の提供】
ファシリテーターがLive AidとSun Cityの概要、目的、結果についてプレゼンテーションを行います。
ファシリテーターが参加者に質問を投げかけ、各々の事例についての先入観や認識を共有させる。
 
【グループディスカッション】
参加者を小グループ(4-5人)に分け、各グループで事例の比較・反省を行います。
<質問例>
「各イベントが目指した社会変化は何でしたか?」
「その手法や結果はどのように異なっていましたか?」
「それぞれの組織が直面した問題は何でしたか?」
ファシリテーターが各グループを回り、ディスカッションを促進し、質問に答えます。
 
【全体共有とディスカッション】
各グループがディスカッションの要点を全体に共有します。
ファシリテーターが共有内容をまとめ、全体のディスカッションを促します。
  
【応用と行動計画】
ファシリテーターが参加者に、学んだことを自分たちの組織やコミュニティにどのように応用できるかを考えさせます。
<質問例>
「自身のリーダーシップや組織の文化にどのように反映できるか?」
「この事例から学んだことを実生活にどのように適用しますか?」
 
参加者が個々に、学んだことをどのように自分のリーダーシップスタイルや組織に応用できるかについて具体的な行動計画を作成します。
 
【全体共有】
それぞれの参加者が自身の行動計画を共有します。
これにより、他の参加者からのフィードバックやアドバイスを受け取るとともに、公言による行動のコミットメントを高めることができます。
 
【ワークショップのまとめとクロージング】
ファシリテーターがワークショップの主な学びをまとめ、次のステップを説明して、参加者に感想やフィードバックを求め、ワークショップを閉じます。
 

このようなワークショップです。

ご興味あれば、是非開催してみてください。

参加者がアクティブに参加しディスカッションする機会を提供することで、より深い理解と応用のアイデアを得ることができますよ。




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